「老いていく」「病」と向き合うこと
先日実家に衣類の整理に帰った。
扉を開けて顔を見るなり
「何しに来たんだ!!!」
と怒鳴られた。
ぶつかることがしょっちゅうだった私と父は
怒鳴り合いも殴り合いも笑
経験はあるけれど最近は違う。
大好きな仕事を引退後、新しい職につくも
実の母の介護と重なり
暗い顔をすることが多くなった。
元々酒が抜けないタイプだが、
飲むは飲むは、、本人は「減った」と話すが
単に弱くなっただけで減っちゃいない。
いくつもの病を抱えながらの飲酒は
かなりリスキーで、医者も止めるのに
聞いちゃいない。
よくある話だ。
どんどん痩せていく父が、
別のステージを迎えたことは明確で
・質問を繰り返す
・喜怒哀楽が激しい
・人の声を攻撃だとみなす
などなど。
私を他人と認識する日もそう遠くないと感じている。
幸い、同居する母が介護福祉士の資格を持ち
私自身は最近家を出ているし、認知症ケアワーカーの勉強もしているので、割と冷静。
「次は持ち物の管理ができなくなりそうだね。」
なんて話してる。
というか管理はもうすでにもう難しいから、人のものと自分のものの境界線が無くなる前に何か手立てをしないと。
まるで接点がなく、父との記憶は幼稚園児の頃から止まっている私は今は彼をもう「彼」と見ている。
必ず人は老いていく。
そして本人が一番それを自覚したくない。
その中で自分が崩れることなくどう関わっていくか。
《親子の絆》
とか叫ぶ前に考えた方がいい。
絆が濃ければ濃いほど、こちら側も現実を受け入れられなくなる老いの現実を。
もっと共有されていく、共有しやすい世の中になるべき。
先日知り合いからは、1人父親を家に残して買い物へ行ったら、戻ってきたら家が火事になっていた話を聞いた。
(どうしよう)と血の気が引いていたら、コンロの火を消すことなくお散歩に出かけた父がノコノコと戻ってきて
「俺のうちに何をしたー!みんな帰れー!」
と叫んだそうだ。
(厳格で大好きだった父の老いた姿に嫌気がさしてしまった。)
そう話をする彼女は、そう思ってしまう自分のことを責め、肩が呼吸するレベルで泣いていた。
人はみな老いる。
閉ざされた家の中だけでは支えきれない介護という現実。
これからも一緒に生きていかなきゃいけない。
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