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この瞬間に人生を賭ける姿に惹かれる僕が見た映画『二郎は鮨の夢を見る』

先日、沖縄へ行く飛行機の中で見た
『二郎は鮨の夢を見る』。

2011年に公開された
”すきやばし次郎”
日本の寿司屋を舞台にした
アメリカのドキュメンタリー映画だ。

”すきやばし次郎”の名前は
食通の方であれば
一度は聞いた事があるはずの
ミシュラン3ツ星の有名店
なのではないだろうか。

それだけでなく

○オバマ大統領の会食
○ホリエモンの炎上発言

等、話題が尽きず
ネット上だと口コミの酷評も
見受けられる。

中でも
ホリエモンの
“寿司職人が何年も修行するのはバカ”
発言などは確かに刺激的ではあるが
職人、といっても
ひとりひとりがそこにはいるワケで…。

どちらにしても
オーナー小野二郎さんの哲学には
経営者として学ぶべき事が多いと感じた。

ちなみに
『職人気質』という言葉があるが
その1本道を行くことが
自分には適性がないと感じている。

だからこそ、とても尊敬する。

僕が心を動かされるのは
自分の人生の全てを今、目の前の瞬間に
賭けている姿。

なぜ、惹かれるかというと
職業、技術を超え
その人の”哲学”が
垣間見える瞬間があるからだ。

”すきやばし次郎”の哲学でもある
オーナー小野二郎さんを追った
このドキュメンタリー映画は
終始、心を動かされた。

映画全体としては

○仕事に関するこだわり
○食材に関するこだわり
○人生と仕事のつながり

を、強く描いており哲学的だと感じた。

ミシュラン3ツ星、
という言葉から想像されるような
煌びやかな世界ではなく
裏側の、日々の営みのことも描かれているのが
この映画のすごいところだ。

毎日同じ事と見えることも
毎日同じではない、と続ける執念。

一つの世界を作ったオーナー小野二郎と
その志を受け継ぐ、息子たちの心の描写
が、印象的だった。

そして特筆すべきことがもう一つある。
この映画をより印象付ける演出に、
僕はまんまと乗せられたのだ。

というのも、
導入に流れていた
クラシック音楽が
チャイコフスキー作曲/ヴァイオリン協奏曲
第1楽章(僕が好きな曲の1つ)。

協奏曲(コンチェルト)は
語源的には
「競い合う」と「一致させる」
の対照的な意味があり
協奏曲は
この二面性を有していると言われる。

個人、チーム(お店)としても
競い合うことと、一致することの
両立が必要になる。

これは矛盾が起きることにもなるが
この矛盾を感じつつも
全員が今に全力を尽くすことで
お互いに敬意を示すことができ
共創が生まれる。

そんなメッセージが
この選曲に込められているのではないか、
とまで想像してしまった。

右へ行くか、左へ行くか。

自分の考え方に基づいて判断をする事は
仕事をしていれば沢山ある。

しかし
自分の考え方以外の選択肢がもしかしたらある、
という【第三の道】を
選択肢にも含められる人になりたいと思う。

それにはこういった自分ではできない生き方を
実践している方の哲学に触れることが
大きな刺激になるのではないか。

この瞬間に人生を賭ける姿に
惹かれる僕が見た映画『二郎は鮨の夢を見る』。

とても刺激的な時間でした。






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