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Vol.7 あなたの声は、世界をちょっとずつ変えている

ことしも、7月の最終週に 3日間、
山形の出羽三山詣をさせて頂いたのですが、
その時に 身体の底から感じたことを、今回は伝えさせてください。


身体の底から感じたこと・・・
それが、表題の
「声は、その場を創る『音』になる」


「羽黒山」「月山」「湯殿山」の三山を詣でる、「出羽三山詣」。

なかでも、月山山頂は、
日本中の亡くなった魂が集まってきてあの世へ旅立つ場所であり
お盆になると全ての魂がそこへ帰ってきて、それぞれの家へと戻っていく、
そんな場所だとされています。

その月山の頂上に向けて
山伏である先達(せんだつ)を先頭に 一行で連なって登りながら、
道中あちらこちらに設けられた 小さな祠や お祈りする場で、
祝詞をあげたり、
祈りの言葉を唱えたりしていくんですね。

星野文紘先達(羽黒山 山伏最高位・松聖(まつひじり)と

その一連の、祝詞や祈りの言葉を全員で終えると、
先達が、法螺貝を吹く。
(ぶぉ~~~をを~~~~~~ぶぉ~~おを~~
という、味わい深い音色が
山全体に響き渡り空へと上がっていく感じ)

そして、その法螺貝の音が響き渡ったら、
声で、一行の出立の合図をするのですが、
光栄なことに、その出立の声を出す役割を、2日間させて頂いたのです。


先達の法螺貝の 太く伸びやかな音が、山の彼方に届いたな、
と感じたら、私ひとりで

おた~~~~ち~~~~~~~~~ぃ~~~

と声を響かせる。

(おたち=お立ち、お発ち、だと思われます)

祈りをあげたばかりの一行が纏う清々しさと、
祈りをあげさせてくれたその場の雰囲気を感じながら、
山の彼方の空に向けて
「今からまた歩かせてもらいます、よろしくお願いします」
の想いを、
「おた~~~ち~~~~」という「音」にして放つ。

「私たちは、進みます」という意志(宣言)が、
音になって、
山や空に響いて伝わっていき、

その音を聴いた私たち一行も
「お山をさらに進ませてもらう」という気持ちになる。

あぁもう、これも、祈りだよなぁ、と感じる。

山と空に見守られながら進んでいきます


先達も
「祈りの言葉は、音になって届く」とおっしゃっていて。

(物理的に考えても、声は音波となり空気を確実に振動させながら広がるのだから、そうですよね)

願いは、本当に、振動(音)となって、伝わっていくんだなぁと
身体の底から感じました。

これは、
お山の上、祈りの世界 に限った話ではなく。

日常でも、同じことが起きている。

誰かに向けてかける言葉、

たわいない話での大笑い、

なにげない挨拶、

ひとりごと、

いつだって、

あなたの声は、音になって、何かを振動させている。

そうやって世界をちょびっとずつ変えている。

そう思ってみたら、なんだか楽しくないですか♪

夕暮れの月山頂上
卯年ご縁年の月山神社の社が凛と浮かぶ
奇蹟かと思うほど神々しかった夕陽
大日如来さまの姿にも見えました


翌朝の山頂、霧の中で祈る
山を下りきってホッと安心した私~

~*--**~~~*‐
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