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国際女性デーに女性の人権について考える

女性の権利に言及する東京新聞「筆洗」

 3月9日付け東京新聞「筆洗」は、ジョン・レノンの「Woman Is the Nigger of the World」がジョン・レノンさんの最も売れなかったシングル曲であることに触れながら、「女性はもはや奴隷ではないと信じたい」ものの、女性の地位向上と本物の平等を求める道」が険しいと言及しています。このコラムの中で象徴的に触れられていた歌詞の部分が「While putting her down, we pretend that she’s above us 女性を見下しながら女性の方が上だというふりをする」でした。

ジョン・レノンさんのシングル曲で最も売れたのは「イマジン」。では最も売れなかったのは?▼答えは一九七二年の「ウーマン・イズ・ザ・ニガー・オブ・ザ・ワールド」。無類のビートルマニアの同僚が教えてくれた▼「ニガー」と社のワープロソフトで打ち込むと注意マークが自動的に出てくる。本来なら使うべきではない黒人への差別表現だが、レノンさん、世界を揺さぶろうと奴隷という意味で「ニガー」をあえて、使ったか。<女性は世界のニガー(奴隷)/そのことを考えてみようよ/そのためになにかをしなきゃ>−▼売れなかったのはラジオなどで放送されなかったためらしい。女性の地位向上と権利拡大を求める歌も「ニガー」の言葉と女性を黒人に例える内容が問題となった▼本日は国際女性デーである。女性はもはや奴隷ではないと信じたいが、女性の地位向上と本物の平等を求める道は険しく、進んだとみえてもなお道半ばである。男女間の賃金格差や管理職に占める女性の割合の少なさ、不十分な共同参画社会、ハラスメント。問題を挙げれば、切りがない▼<女性を見下しながら女性の方が上だというふりをする>。歌詞はどこまでも辛らつだが思い当たるところもある世間だろう。女性の願いや主張に「ふり」やなだめるだけのやり方では平等は遠かろう。半世紀も昔の売れなかった曲に教えられる。

令和5年3月8日東京新聞「筆洗」

ジョン・レノンの歌詞で思い出した光景

 このジョン・レノンの歌詞で最初に思い出したのは、セクシー女優らがエイズ対策のために行ったおっぱい募金に対する神原元弁護士の姿勢でした。

単純に計算すると、1人1000人(1日500人)に胸を触られたことになるが、その理解でいいのかな?仮にその計算で正しいとすると、心底「ひどい企画だ」と感じるね
「おっぱい募金」来場者7000人突破!600万円以上集める http://tokyo-sports.co.jp/entame/gravia/480598/… #tospo

@kambara7

労働法の分野を例にあげれば分かるとおり、個人の自己決定権は、絶対的なものでもなんでもない。自己決定権に一定の枠を科すことによって弱者を保護するのは、20世紀の標準的な法思想である。自己決定権を絶対化して制約を否定するリバタリアニズムは、先祖帰りの保守反動であり、警戒が必要である。

@kambara7

 この神原元弁護士のセクシー女優に対する発言からは、高学歴で司法試験にも合格した弁護士の男にまともに自己決定権を行使することができない女は従えばよいのだという傲慢な男性の態度しか見えてきません。
 しかしながら、この神原元弁護士も女性の味方っぽく振る舞うこともあったようです。

<夫は「女性枠」問題で共に闘った男性>

 司法修習が終わった2、3カ月後に私から「結婚してください」と頭を下げました。初めは「レーダー外(眼中にない)」だったのに。夫も弁護士で、「日の丸・君が代問題」での処分撤回や刑事、労働問題などを担当しています。人権ゴリゴリで、家でも「他に話はないの?」みたいな感じ。女が飯を作るという発想もない。自宅を新築した際に「台所は要らない」と言い出す始末。さすがに小さい台所は作り、食事も時々作ります。

平成22年3月8日付け毎日新聞「時代を駆ける:土井香苗/4 検事の『女性枠』反対に決起」

 神原元弁護士がジョン・レノンの歌詞にある「女性を見下しながら女性の方が上だというふりをする」男性に重なって見えるのは私だけでしょうか。