見出し画像

報道記者烏賀陽弘道さんの落日と優先席問題

烏賀陽弘道さんのその後

 電車の優先席に座る若者や女性などを撮影し、多くの批判がなされたであろう報道記者の烏賀陽弘道さんがさらに迷走しています。

反応が面白い。
みなさんよっぽど優先席に座りたくて座りたくて仕方ないのだねえ。
スマホでゲームしてドラマ見て、ゆったりとね。

@ugaya

世事に疎いおっちゃんは全然知らなかったのですが、東京の地下鉄東西線では「優先席」はゲームに興じられる若者様のための優先席になったのですね。少子化社会ですから、お子様は優先せねばなりません。肩の腱が切れて腕を吊った還暦老人などは街に出ること自体間違いなのです。反省してます。

@ugaya

 電車の優先席は高齢者でない者や健常者が座ってはいけない席ではなく、そのような者が高齢者や障がいやケガなどで立って乗車することが困難であると思われる者に譲る席であるという意味です。なぜ、専用席ではなく優先席であるかを考えれば、電車を運行する側としては乗客が立って吊革を持っている状態より、座席に座っていた方が急停止などの際に乗客がケガをしにくいということが考えられるでしょう。つまり、いざという時に譲るつもりで座っているのであれば、何の問題もないのです。しかも、ご自分のことを「老人」と表現してみたり、「おっちゃん」と表現してしまうような人物が足ではなく手を怪我していただけであれば、譲るべきかどうか迷う事例であることでしょう。
 したがって、烏賀陽弘道さんが腕を吊っている状態で辛いのであれば席を譲ってほしいと意思表示すればよいのですし、烏賀陽弘道さんが晒した写真の中には空席があるものもありましたからその空席に座ればよかったのです。その程度のコミュニケーションもできない烏賀陽弘道さんがどのようにして取材対象者との信頼関係を築いていったのかを考えると目眩がします。

横浜市営地下鉄の優先席の呼びかけから感じること

 もはや報道記者として確実に落日を迎えている者を批判する記事をたっぷりと掲載したとしても、もはや弱いものいじめになってしまうでしょうから、優先席について私見を披露したいと思います。
 横浜市営地下鉄では「すべての座席が優先席です」という呼びかけがなされています。烏賀陽弘道さんの主張に沿って考えると、高齢者ではない者や健常者はすべての座席に座ってはいけないということになってしまいます。
 このような皮肉はさておいて、横浜市営地下鉄のやり方も少しよくないのではないかと私は考えています。それは、座席を譲るという勇気の後押しになっていないということです。ご自身の言動から推察すると、若い頃に優先席に座ったことがないらしい烏賀陽弘道さんは、座席を譲ることにも何の躊躇もないと思いますが、烏賀陽弘道さんのように意識が高くない一般人にとって高齢者や座席を必要としていると思われる人に席を譲ることには大きな決心を必要とします。「私はそんな年寄りではない」と断られるかもしれませんし、次の駅で降りるから立っているだけかもしれません。そういう結果となってしまうのは残念ですし、多感な若者であれば尚更でしょう。自分が座っている席が優先席であるということは、そのようなネガティブな結果を恐れずに席を譲ろうとする気持ちを後押しするものであると私は思います。
 ただ、横浜市営地下鉄のように全ての座席を優先席扱いにしたのであれば、自分が座っている座席に特別感が感じられませんのでそのような効果を期待することは難しいのではないでしょうか。その意味で私は横浜市営地下鉄の方法は少しよくないのではないかと考えます。