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ロフトプラスワンウエスト「もっと真ん中で」上映&トークショー 1

映画で引用された画像で顔がぼやかされていた人物

 9月11日、レイシストをしばき隊界隈のウォッチャーとして見逃すことができないイベントが大阪ロフトプラスワンウエストで行われました。そのイベントは、映画「もっと真ん中で」上映と来日した呉素暎監督の加わったトークショーでした。なお、映画「もっと真ん中で」は、李信恵さんを描いた部分が非常に多く、李信恵さんが主要なキャストであることがわかるものでした。
 映画の詳しい内容については、会場で観覧していた皆様にお任せするとして、私が気になった部分がいくつかありました。その一つは、在日特権を許さない市民の会のデモやそれに対するカウンターの画像をパネルにしたものが映された中で李信恵さんが一人語りをする場面でした。「良い朝鮮人も悪い朝鮮人もどちらも〇〇」(〇〇の部分は在日特権を許さない市民の会のウォッチャーであれば誰でも知っていると思われます)というデモで用いられた有名なプラカードの画像を展示したパネルなどや女性が指さした先に「NO RACISM」の表記のある反差別運動ではお馴染みの旗の画像が映されました。その後には李信恵さんのツイートで公開された画像が映されました。その画像は警察官の前で李信恵さんと金良平さんがツーショットで映ったものでしたが、金良平さんの顔の部分がぼやかされ誰か分からないものとなっていたのです。

金良平さんについて非常に微妙な取扱いをなしている映画「もっと真ん中で」

 北新地大学院生リンチ事件民事訴訟の尋問において、李信恵さんは原告であった大学院生とともに金良平さんを「弟と思っている」と述べていました。その二人のうち、原告の大学院生とは民事訴訟の原告被告となってしまったことで関係の修復は不可能であろうと思っていました。ただ、李信恵さんと金良平さんについては、北新地大学院生リンチ事件民事訴訟第一審判決言渡後に「祝勝会」の画像が訴訟代理人である神原元弁護士のSNSから発信されたことや、反差別運動で李信恵さんと活動をともにすることが多かった伊藤大介さんのフェイスブックで明るく振る舞う動画が発信されていたことからそれなりに良好な関係を保っていると思っていました。
 李信恵さんが著作権を有していると思われるツイートに添付された画像について、映画で加工が施されているということは、李信恵さん自身の承諾が必要であると思われます。そして、このような加工が施された理由として考えられるのは北新地大学院生リンチ事件以外考えられません。この事件において、金良平さんは大学院生を1時間近く殴り、略式手続による傷害罪の有罪判決が確定していますが、そのような者の画像が映画の一部として映るわけにはいかないという判断があったとしても不思議ではありません。
 ただ、その後のホルモン屋の場面では、李信恵さんがモジャさんと思われる人物などと同席し、帽子を被った金良平さんが振り返った姿が映っています。この部分は映画の撮影班が撮ったものと思われますが、このような場面を撮影するためには、李信恵さんらと撮影班が李信恵さんと一緒に飲んでいる様子を撮影するために集められた者と一緒にホルモン屋を訪れ、あらかじめ店の方の承諾を得たうえで撮影がなされているはずです。そうであるとすれば、その場面で一緒に飲むメンバーとして金良平さんが選ばれたことと、先の画像で金良平さんの顔がぼやかされたこととの整合性がとれないように感じます。
 どのような意図があったとしても、この映画の中での金良平さんの取り上げ方から反差別運動の中での金良平さんの扱いが非常に難しいものとなっていることがうかがえます。