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オープンレター裁判まとめ 1

呉座勇一さん関連裁判のこれまでの流れ

 呉座勇一国際日本文化センター機関期限付き助教の北村紗衣武蔵大学准教授へのツイッターによる誹謗中傷は、「鎌倉殿の13人」の時代考証降板や内定となっていた国際日本文化センター准教授任用の取消しに至り、国際日本文化センターを運営する人間文化研究機構との裁判など数多くの裁判などが絡んで非常に複雑になっています。このシリーズでは、オープンレター関連裁判に着目しながら、呉座勇一さん関連裁判を可能な限り整理していきたいと思います。

時系列の流れ

 呉座勇一さんをめぐる時系列は次のとおりとなっています。

2021年1月13日
呉座勇一さんに准教授テニュア付与通知
2021年4月4日
オープンレター公開
2021年8月6日
テニュア付与について再審査の後取消し
2021年9月13日
呉座勇一さんに停職1月の処分
2021年9月29日
人間文化研究機構を相手方として地位確認訴訟の提起
2021時11月5日
懲戒処分無効確認訴訟

 そして、オープンレターに関して法的措置を予告する文書を送付した後に、オープンレターの関係者から債務不存在確認訴訟が提起され、それに対して呉座勇一さんが法的措置の通知のとおりの請求を行う反訴を提起したというのが現在までの時系列となります。そして、債務不存在確認訴訟は取り下げされ、現在係属しているのは呉座勇一さんの反訴のみとなっています

オープンレター債務不存在訴訟の原告

 呉座勇一さんからの法的措置を予告する通知について、債務不存在確認訴訟を提起したのは、次の方々でした。(敬称略)

小宮友根 東北学院大学准教授
隠岐さや香 名古屋大学大学院教授
小林えみ よはく舎
松尾亜紀子 エトセトラブックス
山口智美 モンタナ州立大学准教授
八谷舞 亜細亜大学講師
宮川真紀 タバブックス
清水晶子 東京大学大学院教授
河野真太郎 専修大学教授
金田淳子 やおいボーイズラブ研究家
三木那由他 大阪大学講師
礪波亜希 筑波大学准教授

債務不存在確認訴訟提起の狙いとは

 債務不存在確認訴訟の提起については、反訴提起後に訴訟が取り下げられていることからも、呉座勇一さんとの民事訴訟の主導権を握ることが目的であったのではないかと考えています。
 仮に、呉座勇一さんが民事訴訟を先に提起することになったとすると、呉座勇一さんの居住地である京都地方裁判所管内で民事訴訟が提起される可能性が非常に高く、被告となる者が日本国内外各地に居住していることからも移送の申立が認められる可能性が低いことが想定されます。
 訴訟代理人となった弁護団の主任を務めていると思われる神原元弁護士が神奈川県弁護士会所属で、住所地が神奈川県内の原告がいなかったことにより、東京地方裁判所に債務不存在確認訴訟を提起することになったものと思います。