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殺人、現住建造物放火、凶器準備集合、傷害、公務執行妨害被疑事件(大坂正明被告人)第1回公判最終回〜被害者に全く言及のない被告人と支援者たち

渋谷暴動で命を落とした新潟県警察本部の警察官


 渋谷暴動事件で命を落としたのは新潟県警察本部の21歳の中村恒雄警部補(殉職により二階級特進)でした。年齢からして高校卒業後に新潟県警察本部の警察官となったものと推察されますが、千葉工業大学に進学していた中核派の大坂正明被告人をはじめ、日本赤軍の重信房子さんは明治大学、奥平純三容疑者は京都大学、連合赤軍の森恒夫さんは大阪市立大学、永田洋子さんが共立薬科大学と大学進学率が現在と比べ物にならない時代において、華麗な学歴を誇ります。もちろん、重信房子さんのように民間企業に勤務しながら教師になるために勉学を続けて合格した方もいらっしゃいますが、過激派は総じて高学歴で、そのような高学歴のエリートが参加していることで世間から多くのカンパが集まったと聞きます。そして、当時高校卒業後に警察官となった者の少なくない者が家庭の事情などで大学進学を諦めた者が含まれているとも聞きます。

大坂正明被告人、その支援者たちの言動に見る違和感

 報道を通して流れてくる大坂正明被告人の言動や、支援者たちのコメントから感じる違和感は、被害者となった中村恒雄警部補に対する言及が一切ないことです。大坂正明被告人や支援者たちは大坂正明被告人が中村恒雄警部補の殺害に関与していないという立場ですから、謝罪をしないということは理解することができますが、将来ある若者が殉職したことに対する哀悼の言葉などはあってしかるべきではないでしょうか。そもそも、あの時代に大学進学することができた恵まれた家庭に育った過激派が、貧しい家庭事情から進学を諦め就職した警察官を殺害するという構図であるならば、彼らの嫌うブルジョアがプロレタリアートを弾圧する白色テロそのものになってしまうのでないでしょうか。
 大坂正明被告人や支援者たちは、被害者である中村恒雄警部補には触れず、「官憲」とだけ述べて批判しています。それは、中村恒雄警部補を人間だと思っておらず、自分達が狩る動物などの獲物などと考えているのではないかとも感じました。

沖縄返還協定に関する大坂正明被告人、その支援者たちに対する違和感

 佐藤栄作内閣で沖縄返還協定が締結されました。大坂正明被告人やその支援者たちはその沖縄返還協定に反対しますが、それでは沖縄はいつまでも米国の占領下にあって虐げられていてよいことになってしまいます。彼らの主張を丹念にたどると、やまとんちゅの都合で本土復帰を望むうちなんちゅに米国の占領下に残ることを強いるわけですが、このような主張が沖縄に受け入れられるとでも考えていたのでしょうか。