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全てを見渡せるハイスペックなウルトラワイド:JAPANNEXT ウルトラワイドモニター JN-VG233WFHD200

全世界2560*1080*200万人の横に広い皆様こんにちは。ディスプレイは4:3比時代から「縦に配置するとやたら縦長に見える」という妙な感覚があるものなので、横に幅広い方も90°傾いてみると世界が変わるかもしれません。平衡感覚? 視界が傾く? 知らん! 香月です。

さて、今回もJAPANNEXTアンバサダーとしてディスプレイ製品のレビューになります。ゲーム環境に良さそうな大型製品、ビジネス用途に良さそうな小型製品と来て、今回はゲーミングモニターを借受けることとなりました。リフレッシュレート200Hzという、かなり力の入った製品です。

ウルトラワイドながら23インチ台、小ささが武器になるゲーミングディスプレイ

全部入り、とまでは行かないものの、かなり充実した機能性

ウルトラワイド、いわゆる「21:9比率」の製品は私も結構昔から使用経験があり、登場当初は29インチ製品が多かったように思います。かくいう私も29インチ製品を使用、その後は色々と環境にあわせてサイズを変えた、という経緯がありますが、「ディスプレイはある程度ならデカいほうが良い」と16:9比率の32インチ3枚に激突した結果、やり過ぎは良くないと反省して、現在は16:9の28インチ4Kディスプレイ2枚をメインに使用しています。

そんな私からすると、23インチというのは「サブディスプレイ扱い」レベルなサイズになるのですが、ウルトラワイドながら23インチの本製品、かなり強烈な利点がありました。そう、「ウルトラワイドな画面全てが、完全に有効視野に収まり切る」のです。この点は後ほど実際にレビューして行きます。

軽くてコンパクト、外装箱も「いつもの」シンプル系

例によってレッドブルは通常缶

さて、そんなわけで到着した本製品ですが、外装箱の時点で以前レビューを行った49インチとは全く違います。当然ではありますが、以前の製品の半分以下のサイズとなる製品なので、梱包もコンパクトで軽量です。ちなみに上面から製品を取り出す関係上か、手持ちハンドルはついていませんでした。重量級の大型ディスプレイならともかく、このくらいのサイズであれば、ハンドルがついていると店頭で衝動買いして持ち帰るにも便利なので、是非検討して頂きたいところです。

箱から緩衝材・梱包材を引き出したところ
内容物が入っている側が「背面側」

箱から製品を保護する発泡スチロールの緩衝材を引き出したところ。付属品やペーパー類が収められています。内容物は後ほど。

本体登場。画面下部ロゴには保護テープあり。ペリペリ楽しめます。
裏面。上部スリット部分はフラット、下部は少し膨らんだ形状

小型軽量ということで取り回しはかなり楽な本製品、外観としてもシンプルなものでした。前面側や下部にはボタン類は無く、背面もスタンド接続部、各種端子や後述のコントロールスティックのみ。かなりシンプルに仕上げてきた感じです。

端子部拡大
OSDメニューを操作するスティック部。押し込みで電源ON/OFF

JAPANNEXT製品をいくつか使ってきて難儀だったのがOSDメニューの操作。横並びのボタンをポチポチやるのですが、結構誤爆が多く設定に苦労していました。本製品ではその点を考慮したのか、スティックタイプのキーに全てが集約されています。上下左右に倒してコントロール可能な他、押し込みで電源のON/OFFという仕様。押し込み動作は電源操作に固定なので、メニュー決定時に押し込むとそのまま電源が落ちます。この辺はちょっとだけ慣れが必要。これまた後述しますが、OSDメニューの操作性は悪くありません。

スタンド類を除く同梱品。ACアダプタ、固定ネジ、DPケーブル

スタンド類の前に他の同梱品。ディスプレイ製品にしては小さめなACアダプタ、スタンドを固定するネジ、また同梱されているケーブルはDPケーブルでした。HDMIケーブルにしてコストダウンする等は無く、このあたりも好印象。シンプルかつ必要十分な一式です。個人的にはACアダプタの大きさに驚きました。12V/3Aでの駆動なので、外付けHDDなんかのACアダプタと似たようなサイズです。なお、本製品はType-Cポートを持っていないため、Type-C電源での駆動、接続したノートPCの充電等は行えません。

左からベーススタンド、ポールスタンド、VESAマウント
スタンドやVESAマウントの固定方法が書かれたペーパー

スタンドは別に梱包されており、組立時に付属ネジを使って固定します。ベースとポールはネジ止めで組み合わせて本体に取り付ける事になるのですが、なかなか意外な感じだったのがVESAマウント。上の写真を見ていただくと分かる通り、ディスプレイ側にマウントネジが用意されているのではなく、ポールスタンドを取り付ける固定部を流用する、というスタイルです。サイズは75*75mm。背面がサラッとしたディスプレイはVESAマウント非対応な製品があるなか、本製品はその点を考慮した上手な設計です。

VESAマウント仮置き状態
チルト機能はそれなりに有効

今回はサイズの関係もあり、アーム固定では無くスタンド使用でテストを行いましたが、せっかくなのでVESAマウント取付状態も。ディスプレイ背面からある程度浮いた位置にマウントプレートが来る状態で、アーム側のチルト機能を使用しなくともこちら側である程度対応可能です。固定は下側からのネジ2本留め。重量の関係もあってか、不安感は全くありません。

スタンド取り付け。ディスプレイ側・ベースプレートともにネジ2本留め
組み立て完了図・前面
同・背面
奥に目一杯倒した状態
手前に目一杯倒した状態

スタンドを取り付けたのがこのような状態。ポールがシンプルな構造の為、高さ調整やピボット等、大きくディスプレイを動かすような事は出来ません。チルトもある意味最小限。シンプルなスタンドゆえ、これを取り付けてもさほど重量は変わらないのですが、バランスは悪くなく、前面や背面にバタンと倒れてしまう事もなさそうです。気になったのはスタンド取り付け後のディスプレイの傾き。前面から見て右側、背面から見て左側に若干傾いたような状態になりました。一度スタンドを取り外し、ネジの締め具合を調整しながら組み直したところ解決しましたが、この部分は組立時の注意点になりそうです。

設置場所を選ばないウルトラワイド、机のスペースが苦しくても導入はしやすそう

28インチ16:9ディスプレイとの比較

さて、一通り舐めるように見て回ったところで、実際に通電して使用してみましょう。とりあえずサイズ感の確認ということで、半ば無理やり撮影したのが上記の図。ウルトラワイドとなると、インチ値の割に横幅が大きくなるものですが、28インチと比較すると横幅は一回り以上小さいサイズ感。当然縦幅はもっと小さくなります。メジャーなサイズとなる29インチウルトラワイドはおおよそ70cm程度の横幅になりますが、本製品は公称値で56.3cmと、20cm以上も小さくなります。500mlのペットボトルの長さ一本分小さいと考えると、かなりの小型製品です。

今回はDPケーブルを接続、最小構成の接続図

各端子部はディスプレイに対して垂直に出ており、ケーブル類もそのまま背面に向かって流れることになります。この為、壁ギリギリにピタッと寄せての使用は難しい、という事になります。メンテナンス性は良いので、個人的には気に入っている形状なのですが、設置環境に若干でも制約が出てしまう、というのは残念ポイントかもしれません。ただ、後述しますが「これが気にならない」くらいの設置位置で使うことが出来る為、悪くない構造です。

OSDメニューは「ゲーミングディスプレイ」らしさアリ、LED照明ももちろんアリ

OSDメニューはデザイン含めゲーミングディスプレイ仕様

ディスプレイ側の設定を行うOSDメニューのデザインは、これまで私が使用してきたJAPANNEXT製品のデザインとは異なり、ゲーミングディスプレイらしいデザインになっています。メニュー表示は先程のスティックを外側(右側)に倒すと出現、上下でメニューを選んで右で階層を進んで各項目を選択、左に倒すとそれが保存された状態で一つ前の階層に戻る、という流れで、前述の通り「スティック押し込み」はどの状態であっても電源ON/OFFになります。その他、メニュー非表示状態からスティックを下に倒すと画面中央にクロスヘアを表示、上に倒すとコンテンツに合わせた表示モードの変更、左(内側)に倒すと入力切替、といった具合で、これらはOSDメニューから機能の変更が可能。とかくゲーミングディスプレイらしさがそこかしこに見られます。

ディスプレイ前面下部、左右に赤色LED内蔵
LEDは色変更不可、オン・オフ・点滅の3種類

ゲーミングディスプレイといえば「ディスプレイ以外でもLEDが光る」ということで、本製品ももれなく光ります。ただし色は赤色固定、オンオフが出来る他、点滅動作も可能。試してみたところでは音声や映像に合わせた点滅ではなく、固定された間隔で点滅するといった仕様のようです。ディスプレイ背面を光らせるよりは視覚的にしっかり見える為、消灯時の形状も含め最適解かもしれません。LED部はただの直線的なテープではなく、フレームが格子状に切ってあるのはちょっとニクい感じ。強いて言うなら、フルカラー対応で映像や音声に同期して点灯・点滅するような構造なら、また少し違った印象になったかもしれません。背面に小さなマイクをつけて、外部音声を拾って点滅するとか。その手のオーディオサウンドメーター的な製品もあったりするので、せっかくなら入れてみても良かったかもしれません。それなら映像系と独立して、ディスプレイ単体のみで完結できます。

小型でも性能はしっかり、200Hz対応のVAパネル、FHDウルトラワイドなのでPC負荷も低め

フルキーのキーボードより少し広い程度のサイズ

さて、実際にゲーム画面を表示させて色々とやっていきますが、その前に設定や動作状況等の確認も。

リフレッシュレートは複数から選択可能
testufoでも200Hz確認

なんの設定も行わない場合、60Hz駆動となり、OSDメニューでも同様に表示されます。この手のハイリフレッシュレート系はほぼ必ずWindows側からの設定が必要になりますが、設定可能項目が60・120・144・200の4段階。もちろん200Hzで使用したい製品ですが、万が一PC環境に無理がかかるような場合には、あえてリフレッシュレートを落として使用する事も可能。今回、VGAをRadeon RX 7900XTXに載せ替えてからのテストだった為、両者の性能を使い切ることも考えて200Hzに指定しました。簡易ツールであるtestufoでも200Hzでしっかり認識。尚、この時にディスプレイがメインになっていない(デュアルディスプレイ等で別ディスプレイがメイン扱い等)場合にはエラーが出るので、その点は注意。あくまでも簡易テストである為、多少環境の整備は必要です。そろそろリフレッシュレートの測定をしっかり出来るツールなりを揃えようかなと悩んでいるところです。

また、本製品はWQHDや4Kを引き伸ばしたものではなく、FHDから横に広げたウルトラワイド製品なので、PC側の負荷としては「大きくてもWQHD解像度程度、場合によりそれ以下」といった、比較的軽い動作が可能である事もメリットになりそうです。最近ではWQHDを横に伸ばすなどで、4Kディスプレイに近い解像度で駆動するディスプレイもそれなりにある為、PCスペックに自信が無い場合にも、本製品なら頑張れるかもしれない、という希望は持てます。

さて、ここまでくればあとはゲームプレイとなるのですが、その前に。

よいこの視野角こうざ:有効視野・周辺視野とは

人間の視野、つまり見える範囲は何種類かに分類されており、諸説ある他に個人差もありますが、おおよそ「有効視野は60°、周辺視野は150~200°」と言われることが多いようです。

トヨタ自動車のこの図では「周辺視野」を掲載しているようですが、この周辺視野というのは「なんとなく見えているけれど色の感覚まではハッキリしない」という領域になります。一方の「有効視野」は「色やモノの状態をハッキリ見ることが出来る領域」となり、それがおおよそ60°、中央まっすぐの部分から左右30°ずつという事になります。

デュアルディスプレイやトリプルディスプレイ、インチ値の大きなウルトラワイドディスプレイでは「表示領域は広いが、大きさやユーザとの距離関係で60°以上のエリアが出る」という事になり、最終的に目線を振ってその方向を見ることになる、というのはなんとなく体感出来るかと思うのですが
、こうした視野角に関しては覚えておいても良いかもしれません。

50cm離れれば「60°」に収まるサイズ感

そんなわけで、設置場所はディスプレイラック手前、およそ目の位置から50cmほどの場所に置いてテストしたわけですが、これがまたドンピシャな設置位置でした。

視点位置から50cm離れた場所にディスプレイを設置
視野角の概略図。有効視野でしっかり認識可能。三角形の計算間違ってたら教えてください的な

そんなわけで、机の中央から少し奥、比較的着座位置と近い場所に設置したにも関わらず、ディスプレイの左右先端部分までの視野角が60°程度という、非常に良い環境で使用することが出来ました。視点距離をもっと離せば、画面外すら視野に入るレベルです。つまりどういう事かというと……。

テスト用に久々のエーペックスレジェンズ、FOVはデフォルトの90

まさにこの写真の通り、ウルトラワイドで広くなった画面が「まっすぐ前を見ているだけで」全て視野に収まるという強烈なメリットが発生します。大型ディスプレイではプレイヤー自身の目線を変えたり、場合によっては頭を振ったりしなくてはならないのですが、真っ直ぐ見るだけで画面全てを確認できるので、より集中してプレイする事が可能でしょう。大型ディスプレイ得意の「没入感」はたしかに感じられませんが、実用上、という点では優れた点です。同時に200Hzというハイリフレッシュレートの為、ゲーム自体のfpsも環境が整っていれば200fpsで動作可能となり、こういったシューター系のゲームではかなり優位性が保たれるところです。実際に画面を振ってみたり、あちこち歩き回ったりしましたが、広い視界が全て目に入るので、正面を見て歩きつつ左右の壁を探すなどの動作が非常に楽に行えました。

FOVを110に変更。さらに画面が広くなりました
右にかすかに映っている人型の標的をかすめつつ、背後の岩に隠れているところ

FPSゲームに関するデメリットとしては、画面そのものが小さい事もあって、狙いをつけづらいという部分はあります。近接戦であればともかく、アサルトライフルでの中~長距離戦、スコープを覗く前のスナイパーライフルなどではちょっと苦しい場面もあるものと思われます。そのあたりは慣れが一つと、ディスプレイ自体をぐっと手前側にずらして設置してやることである程度の解決は出来るでしょう。軽量なディスプレイゆえ、そういった設置位置の移動も簡単で、ましてアーム固定をしているのであれば手前に引き出してあげれば良い、というお手軽さ。視野角も取れるし、寄せれば精密射撃も出来るしと、案外チートクラスの製品になってしまうかもしれません。そのくらいには設置位置や使用方法の自由度は高めです。

ちなみにドットピッチ(≒ピクセルの大きさ)は本製品が約0.213mmと公称されており、同社製品で近いサイズとしては21.5インチ(約0.248mm・JN-215TG144FLFHD、もう少し小さいと17.3インチ(約0.199mm・JN-MD-173GT240FHDRとなります。23.3インチのディスプレイですが、見え方や大きさは21.5インチディスプレイと同等となり、遠方を含む「細かい描画」はそれらと同等である、と考えていただければ、見え方の想像はつきやすいかもしれません。同じ23インチでも、16:9のFHDディスプレイでは約0.274mm(JN-238GT240FHDRとなるため、現在23インチディスプレイを使用しているユーザが乗り換えると「表示が少し小さいな」と感じるであろうと思われるので、その点は注意しつつ、目を慣らす必要があるでしょう。

レースシムでは「サイズ感」が合わず、かなり違和感アリ

画面が小さいゆえ、全体的にこぢんまりした感じに

一方、レースシムで使用する際にはどうしても違和感が拭いきれません。最大の理由は「画面が小さいために各モデルの大きさも小さくなる」という事。画角そのものは21:9の他のディスプレイと変わらないものの、ステアリングサイズはもちろん、メーターやコースの遠近感など、全体が小さくなってしまうので、本製品をメインに据えてがっちりレースシムをプレイする、という用途には向かないでしょう。ましてコクピットに装備してハンコンプレイ、となるといよいよサイズの違いに違和感が残ります。そもそもレースシムのいわゆる「ガチ環境」が、最低でも27インチ、理想的なサイズが32インチの3枚構成だったりするので、小型をウリにしている本製品ではちょっと役不足。リフレッシュレートが高い点は非常に有用なのですが、これは流石にキツそうです。

リプレイを鑑賞するにはいい感じ

一方でリプレイ鑑賞などの際には、200Hzパネルが真価を発揮します。私自身の目が慣れてしまっている事もあって、大きくビックリしたわけではなかったものの、普段60Hz(≒60fps)でリプレイをチェックしている方が本製品でリプレイを見ると、あまりの画面の「ヌルヌルさ」に驚くかもしれません。さらにいえば画面全体を見渡すことが出来るので、周りの風景や接近している他車の様子も視界にしっかり入ります。そういう意味ではオススメ出来るものの、プレイそのものは別環境を選択したほうが良いでしょう。

200Hz動作はDP接続時のみ、PS5接続時等、HDMIは端子によってリフレッシュレートが異なる

右側、DPポート側がVer.2.0、左側がVer.1.4のHDMIポート

さて、レビューも佳境に入ってまいりました。本製品の大きな特徴である200Hzのリフレッシュレートですが、これを実現するにはDP接続が必須となります。HDMI端子も別途2口存在しますが、一方はVer.2.0対応で最大180Hzまで、もう一方はVer.1.4対応で最大75Hzまでとなっています。180Hz出れば充分ではないか、という気もしますが、せっかくの性能をフルに発揮したい時には、PC接続でDP使用を選ぶのがよいでしょう。

また、PlayStation5との接続時にも120Hz駆動が可能となっていますが、その際にはおそらくVer.2.0対応のHDMIポートに接続する必要がある事、また解像度はウルトラワイドではなくフルHD(1920*1080、16:9)に制限されるようです。この点は私自身がPS5を所有していないため、メーカー発表の内容からとなりますが、コンソール機での使用時には注意が必要になりそうです。

他、PBP、PIPといった「複数の入力を同時に表示する」という機能も有してはいますが、元のサイズが小さいディスプレイなので、これをさらに分割するというのもなかなか辛いものがあります。あくまで使用可能である、というだけで、積極的に使っていこうとは思えない感じ、ではありました。

ウルトラワイドでも「全部が見える」サイズ感、プレイヤーのクセやプレイするゲーム次第ではかなり強みになる絶妙な製品

イメージ的にはノートPCのディスプレイに似た位置関係で使用可能

さて、そんなわけで今回は21:9のウルトラワイドながら23.3インチ、という小型のディスプレイをテストしてきました。これまで21:9のディスプレイは29インチ、34インチの2種類を使ってきた経験がありますが、逆に小型のディスプレイは「適当に映ればいいや」といった中古品の23インチだったり、分解してガチャガチャ遊ぶ19インチの4:3だったり、意外と使っていなかったと気づきました。その上で実際に使用してみると、想像以上にいい感じで使用することができそうだ、といった感覚に。本製品よりさらにドットピッチが狭い28インチの4Kディスプレイ(約0.161mm)を常用していますが、画面は広く取れるもののやはり文字などが小さくなってしまう、というネガティブもあり、なんやかんやでWFHD、あるいはWQHD+あたりがバランスとしてはちょうどいいのかな、と改めて考えさせられました。一般的な16:9のディスプレイよりは確実に画面を広く使える上、ディスプレイそのものが小さめなので画面を見渡すのも楽、ゲームプレイ時にはその効果が最大限発揮されるという点では、特にFPSプレイヤーは導入候補に入れても良いのではないかと思えるような製品です。

前面下部左右にあるLED照明は若干のオマケ要素も感じますが、OSDメニューもしっかり作り込んでおり、スティック操作での設定もなかなか快適でした。200Hz動作のパワーも相当なもので、PC側のスペックが許容するのであれば、妙なブレなどが発生する事もなく快適にゲームをプレイする事も出来るでしょう。基本的にフルHDを横に伸ばしただけなので、PC側への負荷増加も最小限で済みます。

上の写真で並べたように、スペース的にはノートPCを置けるスペースがあれば使用可能なサイズなので、机の上を妙に圧迫するような事もなく使用可能、場合によってはノートPCの液晶を代用する用途でも使える点も、ゲームプレイとは別として気になっている方も少なくないのではないでしょうか。

強いて残念な所を挙げるとすれば、電源は内蔵ではなくACアダプタ経由であり、プラグとACアダプタが一体型の為、コンセント周りで干渉する場面があるかもしれません。30cm程度の延長ケーブル等が現在では100円ショップなどでも手に入るので、そういった小物を使って回避する方法はありますが、基本的に常時接続となる部分でもあるため、可能であれば電源基盤は液晶側に内蔵などの設計にしてくれると嬉しいな、と思うところはあります。

その他の部分に関しては、VESAマウントの対応方法やシンプルなスタンド、なにより本体が軽量という点で、机の上でレイアウトを作る時に対応させやすい点はなかなか捨てがたいメリットです。迫力の大画面でプレイ、というのももちろん楽しいものですが、特にFPSゲームで「本気で勝ちに行く」というプレイヤーは、一度試してみることをオススメします。結構良いですよ、コレ。

おまけ:JAPANNEXT製品のバリエーションたるや

だいたい一通りの用途はカバー

さて、ここからはJAPANNEXTアンバサダー的な感じでご紹介のコーナー。これまで今回の製品を含め3製品、自前で購入した分を含めれば5製品を使用してきましたが、まぁとにかくバリエーションが広いのなんの。面談の時にチラッと教えて頂いて数字を忘れてしまったトリ頭なのですが、新製品の展開も非常に多く、市場動向にあわせた機能を持つ製品や、とかく安価に手を出せる製品など、上から下まで幅広く展開しています。ゲーミングディスプレイやモバイルディスプレイも相応のラインナップがあるのですが、4K対応のディスプレイに目を向けると「これ、どれ選べば良いよ」といったレベルでドァーッと並んでいます。一般的にPC用途で使用するような27~32インチクラスはもちろん、サイネージや会議室でのディスプレイに使えそうな98インチというとんでもないサイズに至るまで、「欲しい解像度とサイズ書いて石を投げたらだいたい当たる」くらいにラインナップを充実させています。

私が現在、作業用のメインPCで使用している28インチ4Kのディスプレイも1枚3万円ほどと、「それほんとに4Kだよね? 疑似じゃないよね?」レベルのお値段まで下がっているのはなかなかに恐ろしい限りなのですが、実際の品質はどうよと問われると「これがまた心配なさそうなんだな」と返すしか無い感じ。2枚のディスプレイを縦横それぞれに配置して使用していますが、VESAマウント含め不安箇所は見つかりません。ゲーム向けではないので、いわゆる「一般向け・ビジネス向け」になるのですが、これがなかなかいい仕事してくれます。とはいえ、4Kで144Hzくらいのディスプレイが欲しいなと思わせたりするのがまた怖いところで、実際にその条件に合致する製品はあるのですが……。単体で見るとまぁそれなりのお値段ではあるものの、競合他社と比較するとやっぱりお手頃感が出てきます。

一方で販売終了製品もそれなりの頻度で出てくるので、ラインナップとしてはかなり流動的、といった印象はあります。新技術等での新製品を投入し、旧製品はサポートのみ残して販売は終了させる、といった動きを見ていると、なかなかに市場動向をよく見ているのかな、と思わせる感じ。他社ではマイナーチェンジ扱いしそうな部分も「新製品」として登場させているので、きっとクオリティコントロールも大変だろうなぁ……といらぬ心配をするほどです。

ともあれ、「こんなん欲しいなー」と独り言を言いながら石を投げたらだいたいいい感じの製品に当たる、くらいには豊富なラインナップを揃えているので、一度製品一覧を眺めてみるのをオススメします。きっと夜が明けるか、何度もお財布と相談するか、意識喪失するかのいずれかが体験できます。私はいつも意識喪失です。

ようこそ、ディスプレイ沼へ