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ワシが育てた



たしかサカナクションがアイデンティティで大跳ねしていたときだったと思う。



大学の友人とバンドの話をしているときに、サカナクションの話題になった。ああ、このバンドはこのときから格好良かったよと、「三日月サンセット」の話をしたときだったと思う。


そこでボソッと言われたのだ。



ワシが育てた



いや、そういうことじゃないだろ。と、当時はそれがスラングであることも知らず、適当な返しをしたと思う。

ただ、やたらクスリと笑える響きだった、言われた言葉自体の意味も面白い。


「ワシが育てた」


多分、その頃にはネット上に流通していた言葉なのだろう。なんとなく覚えもあったのだろうか、耳に残る。


そういうわけじゃないだろ。そんなわけないだろ。そう言う立場じゃないだろ。


絶妙に突っ込みたくなるフレーズだ。



改めて調べてみると、自分は大したことはやっていない、ただのファンがさも自分の手柄のようにしていることを揶揄している言葉にもなっているらしい。


なるほど。


要は昔から知っているバンドが有名になっていったときに、私はこの頃から知っていたよ。と主張するファンに対しての揶揄、皮肉がこの「ワシが育てた」という言葉に込められているらしい。



でも、この主張したい気持ちはわからないでもなかった。


この単純に昔から見ていたものが成長して皆に知られていく感覚や、それを昔から知っていたと人に言いふらしたい気持ち、その行動にも揶揄されるくらいの一般性はあるということなのだろう。


たしかに、これをやたら主張してくる人にも厄介な人はいる。

「自分はこの頃から知ってたから」という主張を鼻高々にして、新規ファンを見下すような人は、あまり良いファンとは言えないだろう。


基本的に、いつ好きになろうが遅すぎることはないのだ。



恐らく、こういう厄介なファンを揶揄したのが「ワシが育てた」というスラングで、昔から知っていた人を馬鹿にしているものではないと信じたいところだ。
流石に卑屈すぎる。



長年ファンをやってきた人が、その対象を好きであり続けられた日々には誇りを持って然るべきだと思う。


客が自分一人だけのライブハウスから10年間応援してきたファンと、今日のテレビで見て好きになったというファンに流石に違いは出るはずだ。


かけてきたお金で判断するものではないが、好きになった日々までもが、今日付で好きになったファンと同値になってしまうというのはどうも納得がいかない。



そんなわけで、「ワシが育てた」と主張したい気持ちは物凄くよくわかる。

元ネタとなった星野監督が言い出したのも「自分の目に間違いはなかった」と、良いものを見定められる選球眼を再度自分の中で確固たるものにしたい欲もあったのだと思う。



それは自然なことだ。

ファンを攻撃することはしてはいけない。ただ、誇ってはいい。


お前は良い目をしている。


ワシが育てた


ONE OK ROCK

今や超メジャーバンドだ。


世間のイメージはどんな感じなのだろう。
ザ・ロックバンド、ザ・パンクロックバンド、ザ・パンクラップロックバンド。

うーん、とにかくかっこいいバンド!


ボーカルのTakaが森進一の息子というのは有名な話だが、デビュー当時は隠していた記憶がある。正直、ここは記憶が曖昧だ。ラジオで話していたような気もするな。


結局、このバンドも知ったきっかけはラジオだ。ミューコミに出演していた。


当時の吉田尚記アナウンサーとの対談形式を取っていたが、Takaはかなり主張が尖っていた記憶がある。吉田アナウンサーの音楽に踏み込んだ言葉に対して、同意を伝えることはほとんどなかったと思う。



彼らが広く知られるようになったのは「内秘心書」なのか、それとも「努努」なのか。



否、自分にとっては「keep it real」だ。



ミューコミで流れていたものだと思う。

これを聞いていた学生時代ラップはそんなに好きではなかったから、あぁ、なんとなく格好いいバンドだな、という印象。

その後しばらく経ってまたラジオから流れてきた「内秘心書」でめちゃくちゃ格好いいバンドだなという評価に変わった。


その次の「努努」「カラス」思春期にぶっ刺さるには十分すぎる格好良さだった。


友人の間でONE OK ROCKを流した。爆発的ではないものの、そこそこ受け入れてくれる。ちょっとだけ流行る。


お道化た友人はkeep it realの「しばられるなあぁあ!」というフレーズを気に入ったようで、「○○れるなあぁあ!」と何かそのフレーズが使えそうなシチュエーションになる度に文字って遊んでいた。

それでケタケタ笑っていたのだから、青年時代は平和そのものだと思う。


そいつに「OK」を「オク」と読ませることを教えたのは自分だ。

文字ってたの面白かったし、そこで余計に仲よくなったからそいつにゲームソフト盗られたことあったけど今は許してる。

あいつ、今なにをしているのだろう。



その後は、そこまでファンになったわけではなく積極的に追うことはなかったけど、ギターがやらかしてから復活し「完全感覚Dreamer」でその名を不動のものに、知らない人の方が少数ではないかという超メジャーバンドに成長した。



……うん、ワシが育てた。



Base Ball Bear

ONE OK ROCKと同時期だった。

これもミューコミだったはずだ。


おおきく振りかぶっての主題歌だ。Base Ball Bearのドラマチックがラジオから流れてきたとき、衝撃を受けた。


何だこのキャッチ―でポップなバンド!


とにかく、音楽を掘って触れることがなかった自分は、聞くのは有名な洋楽か、流行りのJ-Popだったのだ。アイドルが歌って踊ったり、ピコピコ音がなったりといった。
洋楽は言葉がわからないしそこまで聞かない。日本のバンドは激しいロックか、静かなバラードだった。


きっと、ポップなバンドなんていくらでも存在するし、聞いてきたのだと思う。


でも、ラジオの前で寝ころんでいた少年には、その曲が輝いて見えたのだ。素晴らしい曲だと思ったのだ。何回聞いても好きだった。


もしかしたら、単純な格好良さだったらONE OK ROCKなのかもしれない。

同時期に聞いた「内秘心書」はそういう曲だ。けれど、ポップで格好いい「ドラマチック」は自分の嗜好にぴたりとハマったのだ。



たしか、ドラマチックは二枚目のメジャーデビューシングルだったと思う。過去の曲も気になって調べてみたら、やたらとインディーズの評判が良かったので聞いてみる。


度肝を抜かれた。格好良すぎた。


そうそう、コレコレと。


ただ激しいサウンドじゃない。


ディレイとオーバードライブの軽く歪んだ音、ワウのポップ感。


時間に急かされている学生の感覚。


青い、青い。みずみずしい歌詞。風が駆け抜けていくような爽やかなサウンド。


今でも彼氏彼女の関係は大好きな曲だ。

この曲以上にハイティーンの恋愛感覚を表現した曲を知らない。シャッフル再生で流れてくると飛ばせない曲、たまに無性に聞きたくなってしょうがなくなる曲だ。


学生時代はこのバンドのファンになって、それなりに熱心だったと思う。

シングルを買った、アルバムを買った。ライブにも行った。彼らの初武道館にも参戦した。あのダサいTシャツ、どこにあるだろう。


僕はBase Ball Baerというバンドが大好きだけど、現在も新譜までしっかり追えているかと言われるとそうではない、でもやっぱり青春のページを彩ってくれたバンドだ。


風のうわさでギターの湯浅失踪事件を知った、その後脱退。


「ギターユアサショウヘイ!」が聞けなくなってしまったのは悲しいとは思った。


もちろん、心配をかけるのはよろしくないのだと思う。けれど、何も言わずに出ていく辺りは彼らしいと思う。


脱退についてのコメントで、湯浅は声明を出さなかった。


「ギターを聞かないと何も分からない」と小出が記していたのは、一緒に住んでいたくらいの仲だった彼の、一番の理解者のような言葉でよかったと思う。
多分、「仲良し」という一言で表せるものではない。


ダンスユアサショーヘイも見られないのか、やっぱり寂しい。



さて、ウィキペディアで調べ直したらドラマチックは4枚目のメジャーデビューシングルだった。
インディーズから数えるとその4年前から活動していたらしい、その頃から応援していたファンってどんな人なのだろう、羨ましくもある。


ウィキによればブレイクしたのは2008年~という記載だったので。


まあ、でも?


「ワシが育てた」


育ててしまったな、このバンドも。


でも実際、ブレイク期とされているときのアルバム、ラブアンドポップは本当に名盤だと思う。聞け。買え。


CD買わないとシークレットトラックは聞けません、多分。




霜降り明星


いやー!

ワシが育ててしまったかこのコンビも!



めちゃイケ世代なので、新しい波からAI-TVも見てみた。期待した分悲しくなった。なんとなくこんな二人がいるということは知っていたが、その後はまったくノータッチ。


M-1優勝後にオールナイトニッポン0を担当することになって、彼らを深く知るようになる。

現在は一部に昇格し、金曜日のオールナイトニッポンを担当している。

ラジオがとにかく面白かった。

同世代のネタでここまで共感できる芸人が今までいただろうか。


この忙しさになると予想していなかったのか、YouTubeを始め、しかも毎日投稿を宣言、2022年現在も進行中、よくやるものだ。

動画数は1000本に達する勢いになる。



自分はと言うと、数日たってから開設に気が付いて、恐らく最初の生配信以外、投稿されたすべての動画を見ていると思う。


人気者で才能あふれる二人だ。出演者二人でも、大した企画が無くてもコンテンツとして見られるものを提供してくれている。


多忙のせいか、撮影場所はほとんどが会議室。そのため大型の企画などは打っていない、派手さもない。

芸人が持つチャンネルで特別突き抜けて面白いYouTubeというわけではない気はするのだが、帰宅時に見ることが毎日のルーチンになるのに時間はかからなかった。


結局、自分にとっては同世代過ぎて面白いのだ。


わけわからん登録者数100万人達成配信も見ていた。ブツブツ切れる回線、焼き肉屋でひたすら肉を焼いている動画だけが時折流れていたのを覚えている。



M-1出る前から大阪の方ではラジオをやっていたそうだ。そりゃその頃から応援しているファンの方が根強いよなとは思う。


自分は聞けていないが、今も続いているらしい大阪のラジオ。

リスナーの呼び名はおつきちゃん。どういうことよ。


いやー、それでも。とにかく!


ワシが育てたなあっ!




小原好美

この人も同世代。

どうも自分は世代が同じ人を応援する傾向にあるみたいだけれど、これも自然なことなのだろうか。



初めて知ったのは「お兄様アニメ」と呼ばれるアニメのニコニコ生放送だったと思う。


魔法科高校の劣等生は見たは見た。でもドンハマりすることもなく、途中でリタイアした記憶がある。とくかく最強のお兄ちゃんが評価されないけど敵をなぎ倒していくみたいなアニメ。オレ強、なろう系の先駆けだったのだろう。


ただ、なぜかその映画化の生放送はたまたま見ていた。中村悠一も早見沙織も好きな声優だが、わざわざ途中でリタイアしたアニメの生配信を見る理由は謎だ。


ただ、運命というのはそんな偶然、偶々が重なってできるのかもしれない。ロードオブメジャーの曲みたいなもんで。



映画での新キャラを担当しているらしい彼女は現れた。完全なる新人声優という紹介でスタジオに入って来たはずだ。かなり緊張していた。


印象に残っているのは中村さんに対して「テレビの人」と表現していたところ。

いや、声優が表に出る時代になったとはいえ、テレビの人ではないだろと。彼女の緊張っぷりになんとなく同じような共感性羞恥を抱きながら笑った覚えがある。


その配信で触れていたのか、後に調べたかどうかは定かではないが、同世代ということを知り興味が湧く。

へえ、この年齢で新人とは珍しいっちゃ珍しいのかなと、もしかしたら俳優やっていた期間のこととかも配信で触れていたかもしれない。


結局お兄様アニメの映画は見ていない。だから彼女がどんな演技をするのかは知らなかった。



二次創作について書いた記事で触れたが、元々ラブコメは好きだ。ついでに言えばファンタジー寄りでないのも好きだ。

そんな中、「月がきれい」というアニメの存在を知る。たまこの縁で聞いていた洲崎西で散々いじられていた田丸篤志が主人公をやっていた。


氏(田丸の洲崎西での愛称)がやってるし、絵も好きな感じだしちょっと見てみるかと、一話を視聴。


当時のアニメにはあまりない傾向だったはずだ。珍しかったと思う。
設定、息遣いや間まで現実に寄せたラブコメディ、いや恋愛物だった。


そのアニメのヒロイン役が小原好美だったのだ。


あー、あのときの子か。とニコ生を思い出し、こんな演技をするのだなあと思った。


素人からすると、違いはよくわからない。誰にでもできそうな芝居でもある。声に特別特徴があったかと言うと、そうでもなかったような。

作品自体がその自然な声と演技を求めているから、逆に個性は出づらかったのかもしれない。氏の声は辛うじて分かった、こんな声をしていたかと。


月がきれいはオリジナル。

バッドエンドか、ハッピーエンドかもわからなかったから、かなり疑心暗鬼になりながら視聴し続けていた。ネットも最終回が近づくにつれざわついていたのを覚えている。


ちなみにこのアニメは最終回まで視聴。とても自分好みだったのも記載しておこう。



ではここからガッツリ売れるのかと言われると正直わからなかった。実際はかなり売れたと言っていいだろう、今や人気声優の一員と言って過言でないと思う。


その後の活躍はプリキュアを始め、シャミ子、かぐや様は告らせたい、など人気作品に多数出演。あれよあれよと、彼女は有名声優になっていた。


プリキュアは子供がいないので見る機会も、勇気も、そんな趣味もなかったのでノータッチ。
ラジオで話を聞いていると大人でも見られるらしいのだが、アラサー男性の自分にとってはちょっと厳しかった。
クレヨンしんちゃん、ドラえもん、ポケモンでギリギリだろうか。男児向けアニメはまだいけるのかもしれないが、女児アニメは踏み込めない。


ただ、かぐや様とシャミ子については、話題になっていたので一気見で視聴した。


シャミ子の方はもう純粋に楽しめる年齢ではなくなってきた気がするが面白かったと思う。あと、オープニングは素晴らしかった。たまに聞きたくなる。

ラブコメは好きなのでかぐや様は普通に面白い。3話勝負のジャンプ作品っぽく、設定が秀逸だ。



彼女が売れた理由は月がきれいのナチュラルな演技面ではなく、とにかくどこか気の抜けたキャラクターの声だった。


所謂、おバカなキャラ。彼女もインタビューで「アホの子が多い」という旨を言っていたが、実際ぴったりなのだから仕方がない。


女性声優が真似すれば、ある程度似せることはできる声質かもしれない。


「アホの子やって」と声優に振れば、ある程度の正解は返ってくる。プロだから当然なのか、アニメはそういうキャラクターが好まれるから求められる機会も多いのだろう。

けれど、彼女の声は完璧な完答でその正解を返してくる。一度、彼女の声でアホの子を聞いてみた途端、もう彼女以外の声は考えられなくなる。


唯一無二というにはまだ早すぎるかもしれない。


夕方アニメ、ワンピースとかにレギュラー出演しているベテラン声優の声を聴けば、一発で彼ら彼女の声だとわかる。

これは個人的にだが、その声を聴いてイメージするのは、声優を通してではなく、キャラが先行する。声優界を代表する声優というのは声を聴けばキャラクターをイメージできる。


そんな、いつか声優を代表する存在になって欲しい。なるまで応援し続けたい。


とはいえ声優個人にできることは少ないなあと感じる今日この頃だ。久しぶりにラジオにメールでも送ってみようか。

あっと、忘れていた。


「ワシが育てた」



キャプテンストライダム


彼らが有名になったのは、きっとNARUTOや銀魂の主題歌を歌ってからだろう。
「風船ガム」と言えばわかるのではないだろうか。


銀魂は好きな漫画だったし、当時ゲロインという概念が導入され、教室を賑やかしていたのを覚えている。

アニメ化マジですんのかって漫画でもあった。結果的にとんでもない量の薄い本を生み出してしまったわけだ、銀魂でも自らいじっていたが、この罪は重い。


そんな大ヒット作品の主題歌だった風船ガムも、キャプテンストライダムもそれなりに周知されたと思っている。



「キミトベ」という曲を知っているだろうか。

やっぱりラジオから流れてきた曲だった、当時中学生の自分にはやっぱり刺激の強いものだった。

この曲を口ずさんでいたら明るいクラスの中心部みたいなグループの奴に「何でその曲知ってんの?」と訊ねられたことがある。マイナーな楽曲ではあったから、知っていることに驚いたのだろう。


多分これもBase Ball Bearと同時期、要はポップロックが好きだったのだ。このバンドもポップロックが主だったと思う。


その後出してたサイボーグって曲も好きだ。良いバンドだった。



2010年に解散。




結局、音楽好きが高じたもので、いつの間にか解散しているバンドもあるわけだ。


日の目を見ないバンドを見つけるのは、こういう「ワシが育てた」みたいな楽しみがあるけれど、その分、いなくなってしまうバンドだって多い。


特に懇意にしているバンドが解散や活動休止になるとそのダメージは非常に大きいものがある。応援していても、人一人の応援では限界があるし、人気の最中でも解散は当然起こる。


本当に目が肥えてる人なら、この人たちをブレイク前から紹介するブログやらなんやら書いて、そのすべての人たちが武道館やってМステ出て紅白出てるような人たちになるわけだけど、大抵の人はそうじゃないと思う。


昔はそういう音楽の嗜好を発信する場所もなかったからというのも考えられる。ワシが育てた。という言葉はネット社会になって自然発生したものなのかもしれない。



せっかくだから、自分が将来「ワシが育てた」と言えるような、言っておきたいアーティストを一人書いておこう。


TOMOO

ともお。


名字か名前かは知らないけれど本名らしい。



YouTubeに投稿されているMVも100万回再生を突破していて、そんなアーティストに何を今さら「ワシが育てた」だという話だが、メジャーデビューはこれかららしいので、更なる活躍を願って、将来「ワシが育てた」と言いたいということでTOMOOだ。



「ginger」という曲を聴いたのは、YouTubeのおすすめ動画からだ。ラジオやテレビから音楽を知っていった自分としてはとても時代を感じる出来事だった。

もしかしたら、アーティストをYouTubeから知って好きになるというのは初めてかもしれない。

歌詞の可愛らしさ。そしてポップさ。

彼女が誰に影響を受けたとかはよく知らないけれど、ものすごく聞き馴染みの良いポップスだと思う。


ベタな転調。アーティストはピアノの弾き語り。

ポップスの要素を全て含んでいるような曲とアーティストだ。


MVも彼女のやりたいこと、個性が溢れた可愛らしいものになっている。



もちろん、他の曲も素晴らしいと思う。

「らしくもなくなっていいでしょう」「HONEY BOY」いずれも音が跳ねてて心地いい。


その中でも「ginger」は凄い、初見一発聞いて凄いと思えた。

内容や曖昧だが、コメントでVaundyが称賛していたという記載があった。
曲をつくるとき、メロディーに対して英語にしたくなるところがあるけれど、この曲は日本語でぴったりとハマってしかも意味あるものになっていて凄い、と言ったような記載だ。

ソースを探していないので、真偽は不明だけど、どちらにせよ妙な納得感があった。

たしかに聞いていて、日本語が無理していないというか、日本のポップスはこんなことができます! というか。日本語だから良いなー、というか。

一音一音が跳ねてて、すべての音階と言葉が意味を持って流れてくる。本当によくできていると思う。

自分は結構古いタイプの人間なのか、洋楽は言葉が分からないので、何を伝えたいのかが分からない。と思ってしまう割と頭カチコチ人間だ。

だから日本語で意味がスパンと通じるものの方がどちらかと言えば好みだったりする。だからポップスが好きだったりする。だからTOMOOの曲が好きになったりする。


とにかく一度聞いてみて欲しい、今以上に名を知られてよい、更なる飛躍を期待するアーティストだ。




後で調べてみたら若き日のTOMOOには、実は本当に、本当にほんのちょっとだけ縁があったことを知る。


直接会ったことはないし、そのかかわりについても随分後で知ったけど、これまで含め始めたら、まさしく揶揄されるべき「ワシが育てた」にあたるかもしれない。


自分は何もしていないが、「ワシが育てた」だ。


以下は新曲のYouTubeリンク。やっぱりいいです。


結局のところみんなワシが育てた


最初に触れたが、自分はただのファンで何をしたわけでもない。ただたまたま少し前から知っていたよ、という話だ。


はっきり言って、本気で「ワシが育てた」と言える節はないと思う、ファン1人の頃から応援している人、そこには運も絡んでくる。


一番熱中していたと言えるのがBase Ball Bearくらいだろうか。でも好きなバンドと言われたら競合しそうなバンドはいくらでもいるような。



正直、今の時代なら、こんなの誰でもできるわけだ。


こんな記事いくらでも書ける。

ブレイクするちょっと前に知っていたことなんて挙げ始めればキリがない。

乃木坂新内眞衣、日食なつこ、オウサムシティークラブ、高ラからちゃんみな、高木さん、藤井聡太登場以前のAIと戦えた色々あった頃の将棋……。



サブスクサービスが主流となり、SNSが盛んな現在。

映像、音声の共有がこれほど容易くなった時代はない。良いバンドは見つかりやすいし、売れない演者も個人発信でラジオやテレビの真似事くらいはできる。


そして、いくら昔から応援していようが、昔はこうだったよ、と教えることができるし、昔はこうだったらしいよ、と教えることもできる。自分から探すこともできる。
無断アップロードは蔓延っているし、昔の映像は放置されていることの方が多い。


それらを見て、昔から知っていた。と偽装することもできるわけだ。

正味、こんな「昔から知っていた」ということを誇ったって本当にしょうもないし、虚しいだけなのかもしれない。



タレントにとって我々は1ファンに過ぎない、ごく一部を除いて、顔も名前も覚えてられていないと思う。


タレントの長い歴史の中を生きている中で、私たちファンが少しだけ混ざっているだけだ。それは途中からだろうが、初期からだろうが彼らにとってはわからない。

だから私たちは、彼らを知れて、応援できている時点で勝手に、こうして胸を張っておけばいいのだ。



「ワシが育てた……」



その中で、本当に初期から応援してきた人は少しだけ誇り高く、この言葉を使えるだけの話なのだと思う。





クリープハイプの社会の窓。

ハンブレッターズのフェイバリットソング。


最近の曲だって、自分が初期から応援していた人が、羽ばたいていくことを寂しいと思う感情は共通認識として歌っている。


自分の手を離れてしまうような寂しさがあるらしいのだ。


でも、しょうがないと思う。それだけ良いバンド、俳優、アーティストなのだから。


その寂しさを、見つかっていない頃から自分は見ていたという誇りに変えて、売れる前から見つけていた選球眼をドヤ顔でアピールして、人様に迷惑をかけずに騒いでいればよいのだと思う。




みんなが今騒いでる彼女、彼らは「ワシが育てた」と。




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