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ラジオは人生なんだな

師走の忙しさが僕をラジオから離れさせる。

相変わらず無音がそこまで得意でない自分は、気ままにラジオを点けるけれど、最近は作業をしながらが多くなった。

けれど、相変わらず自分の中で最高のラジオだと思っている霜降り明星のオールナイトニッポンだけは、ほとんどリアルタイムでじっくり聞くことができている。

それは霜降り明星のラジオがしっかり面白いということもあるけれど、最近の彼らのライフステージの上り方を間近で見ているのが楽しいし、嬉しくなるし、本当に心から元気をもらえるのだ。

推しが欲しい。と思い始めた頃に始めたnoteだったけれど、もしかしたら、これが推しというものかもしれない。


彼らのライフステージ、というと少し語弊があるだろうか、最近についてはせいやのことかもしれない。

結局、結婚というライフイベントから子どもが生まれるまでを、リスナーに共有してくれることがとても嬉しかった。

この記事は日記になると思う。

放送を聞いて、彼らと同世代の自分が感じたことをなるべくそのまま書こうと思っている。

せいや結婚回

そもそもオールナイトニッポン0から聞いているから、彼らにも愛着は当然のように湧いている。

せいやが「あいみょん彼女にします」とか変な冗談を言い出して、リスナーがあいみょんにリプライを飛ばし妙な事態になったこと、その後で本当にあいみょんからボイスメッセージが来たりだとか。
その後、あいみょんとは楽屋に挨拶くるくらいの関係になったらしい。どういうこと?

あとは最近漫才のネタにもなっていたズムちん事件。もう一般の人は忘れかけているのに。

そうやってしっかり週刊誌をお騒がせしたこともあるし、そのままポケットいっぱいの秘密のコーナーもやりだしたのも、もう三年以上も前になるのか。

その年の十一月ごろにはせいやが飛ぶ寸前放送になった「原曲キーで歌わせて」回。
ファンは実際結構心配していたと思う。無論自分もその一人だった。

なんせあのせいやが「俺暗いねん」である。

結局「彼女が欲しいだけだった」というせいや曰く、心配のDMとかが届くとそれで飛びそうになる。とのことだった。
一般論で、そうやって心配され過ぎるとメンタルが落ち込むというケースもあるようだから、実際に参ってもいたのだろう。

霜降り明星の勢いそのまま、オールナイトニッポンも一部昇格。

ガチ恋勢、よちよちファンを一掃したりだとか、粗品はあんまり冗談にならないような炎上したりだとか、振り返ればキリはないか。


そんな淫獣せいやとまで言われてしまった彼が、結婚をした。


結婚の回は上記リンクから聞いてみてほしい。
コーナーも全部ふっとばし、ひたすらせいやの結婚について粗品がインタビュアーとなって聞き続ける。

そんな中で、普段あれだけ尖っている粗品がしっかり泣くのである。

たしかにファンからしたら「泣くだろうなあ」というのが割と素直な感想だろう。それでも普段のキャラクターからここまで落差があると面白い。

せいやが途中で粗品に向かって「ほんまにお前のおかげや、ありがとう」と言うのも良い。

多分、せいやは心の底から思っているのだと、それが感じられる人柄と声色だからなおよかった。


この放送で特にお気に入りなのはラスト数分の畳み掛けだ。

誰よりも近くでせいやを見てきた粗品が泣きながら言うのだ。

「よかったなあお前、お前良かったなあ……」

「こんなやつねえ、結婚なんかできないですよ。こんな不器用なね、不器用で真っ直ぐな人間がね、いやあ、結婚なんかできへん、ほんまは。でも、すごいよお前、よかったわあお前なあ、よかったなあ……お前、おめでとう」

なんというか、これを素直に受け取ると結構酷いことを言っているように感じられるかもしれない。

けれど、せいやをずっとそばで観ていた粗品だからこそ言える言葉だと思える。
粗品が心の底から嬉しいとか、結婚して本当によかったなあと、心の底から思っているだろうと感じるから、そんな言葉の強さも気にならなかった。

それがきっと、間近で見てきた粗品にしかわからない感覚だとも思えるからだ。

その相方の反応に対して大笑いするせいやは照れ隠しも入っているのか、でもそうやって泣いてくれているのが嬉しいとか面白いとか、そんなポジティブな感情が混ざった笑い声がまたよいのだけれど、最後なにか良いことを言おうとしたのか締まらない感じで

「粗品あ、色々あると思うけど……なんか……ほんま……変なあ……! いくぞーい!」

と言うせいや。

その後にブース内から聞こえる、どうしようもなくいつも通りの笑い声がよかった。そしてエンディングが流れる。

このラジオがこのまま続いてくれるだろうとなんとなく思えた。

この放送でもうお腹に赤ちゃんがいるということはせいやが話してくれていたけれど、そんなせいやが本当にお父さんになったことを報告してくれた回が先週である。

おばぶ誕生回

仕事が終わるのは少し夜が深い。晩飯を済ませ、風呂から上がって、生活をしていればもう時刻は1時近くなる。

いつも通りラジオを点けておいた。

時報だけ聞いて、寝床に入る間までは少し聞き逃す。どうやらせいやがリモートで繋がれている。
事態を把握するのに数分かかったけれど、せいやは奥さんの実家から音声を繋いでいたらしい。

要は出産に立ち会っていたらしいのである。そのため大阪から音声だけ繋げて、ラジオにそのまま出演したという流れになる。

無事に生まれたよー!!!!

それからずっと、せいやのパパ話だ。

相方あ、おれ子ども生まれたぞお!

今、十分おきくらいに泣きそうなってんけど

母子ともに健康―――!!!

心の底から嬉しそうな声。

週末の楽しみだったラジオだった。
その深夜に聞くその心の底から生命の誕生を喜ぶ声はなんだか全身に響くのである。

最近、どうもネガティブなことが多いというか、目に見えやすい。

子育ての支援が待ってない。かわいくない、ブサイクは生まれて来なければよかっただの、生きる価値がない。
死にたいだの、生きていても何も楽しくないだの、両親が嫌い、金がない。

SNSを観ていると、どうもそういう厭世的な投稿や思想が共感を生んでいるように思える。

たしかにそれは知らない人の、一部の声だと思う。実際関わる人たちがそんな苛烈な思想を持っているわけではない。

けれど、それを見るだけでも、少し話を聞くだけでもうんざりしていたのだと思う。
たまたま目に入っただけだけれど、心がすり減っていたのかもしれない。


そんな中、せいやは生命の誕生を、もう本当に、心の底から嬉しそうに話すのである。

しかもそれを、リスナーに共有したいからと、すぐさまラジオで、せいやは共有してくれるのだ。

もちろん全体的にぐっとくる放送だったけれど、特に印象に残ったシーンもいくつかある。

ラジオを聞く理由に「その人の素が見られる」みたいな話はどこだって言われるような話だ。
ただ粗品は「お前らに素なんか見せてたまるか」とどこかで話している。それは言葉通りだと思う、基本的に彼らはラジオの仕事をする演者なのだ。

そんな中でも放送にも乗らないくらいの声の呟きは、素を感じることが多い。

どこかのタイミングだったと思うのだけど、せいやが呟くように言ったのをたしかに聞いた。おおよそこんな旨だ。

無事生まれてくれただけでよかった……

この後、話題はすぐに違う方に向かった。
特に深く言及する点でもなかったように思う。それでも、せいやの優しい人柄と言うか、喜びや、安堵が感じられて嬉しかったのだ。

粗品とのコンビならではのやりとりも素敵だった。

「12月8日……、俺の父ちゃんが死んだ日―!!!!
コンビすぎるやろー!

これがボケとかでなく本当なのだからそもそも奇跡過ぎるけど、その後粗品が言うのである。

「最低の日やで12月8日、俺にとって。でもええ日になったからありがとうやわ、それは」

これがたとえ外向きの発信だとしても、本当に素敵な偶然だなと思った。

その後、せいやが担当しているコーナーを粗品が担当。

せいやのモノマネを交えるコーナー、霜降り交遊録では似てなさすぎて、リクエスト歌謡コンサートという趣旨不明コーナーでは芸風と違い過ぎることを粗品がすることで、せいやは大爆笑していた。

粗品なりのお祝いだったのかもな、となんとなく思う。まあ正直なんでもいい。
とにかく素敵な放送だったのだ。


心が洗われる。という定型表現を初めて明確に感じたかもしれない。

本来生命の誕生は心の底から喜ぶべきだった。
生まれてこない方がいい命だとか。そんなものは本来ないはずなのだ。それが当たり前のはずでよかったはずだ。

綺麗ごと、それでもいいはずだったのだ。


幸せになる人を見るのが好きだ。

友人や身内の結婚式では何度か弾き語りの余興も引き受けている。
そのくらい、人が祝福されるだとか、そこに不幸が介在しない空間になるのが好きだ。

ただ、自分が幸せになる。というイメージはなんとなく沸かないでいた。

でも、ここまで周囲を幸せにするのなら、なんならほとんどせいやと関係のないような自分でも、こんなに幸せな気持ちにさせるなら。
周囲の人のため、そして自分のためか、幸せになってもいいのかもしれないとなんとなく思えた。


師走の寒さと忙しさは心を摩耗させる。実際、先週から体調も崩していた。

何もかもくたくたになった週末にこんな放送を聞けてよかった。来週も頑張ろうと思えた。


今週の放送では母子ともに無事退院ということも教えてくれた。ご多幸とご健勝を祈るばかりです。

こんなにおめでたい報告に、ラジオを選んでくれてありがとう。

本当におめでとうございます。

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