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中年からゲームを始めたら良いことしかなかった

小学生の頃、ファミコン初号機が出て、クラスメイトに普及しだした。
その頃は将棋に夢中で、将棋と比べればその頃のゲームソフトは
「所詮、誰かが考えたものだろ?」と底が浅く見えた。
実際、友人宅で遊んでみるも「付き合い程度」で欲しいとは思わなかった。

その後、プレイステーションが出て、ゲームは「大人も遊ぶもの」という
感じになっていったと記憶している。
それでも面白いとは思えず、手に取ることはなかった。

それが一変したのはプレイステーション3のグランツーリスモだった。
モーターショーで展示されていたプレイシート、ハンドルコントローラー
そしてなによりハイビジョン画質とリアルな挙動に衝撃を受けた。
既に40歳を過ぎていたので、ゲームパッドは使えない。
プレステ3,ハンコンは安くない買い物だったが購入し
プレイシートは自作した。もう引き返せない、やるしかない環境を作った。
初めてのプレイは悲惨なものだった。
止まれない、曲がれない、スピンとコースアウトを繰り返した。
さらに意外なことに「ゲームをする体力」がなかった。
一回で遊べる時間は1時間、それが限界だった。
それでも続けていると、少しづつ走れるようになった。
鈴鹿サーキットをミスせずに走れるようになるまで3か月かかったが
今や鈴鹿は自分の得意コースになった。

次に衝撃を受けたのが「バトルフィールド4」だった。
電気街のパソコンショップでプレイ動画を見て驚いた。
怖くなるほどのリアルさに進化していた。
これもゲームパッドでは遊べない。
キーボード・マウス型端末を買ってやってみた。
こちらは更に苦戦した。
手元を見ないと動かせない、撃てない。
他の方のプレイ動画を何度も見て、キャンペーンをこなしていくが
一つのチェックポイントを通過するのに何度も死んでしまう。
それで1週間ほどで諦めてしまった。
それからしばらく離れていたのを引き戻してくれたのは「コロナ」だった。
外出できない、かといって酒ばかり飲むのは良くない
「呑まない時間を稼ぐため」バトルフィールド4に戻った。
少しづつだけど動けるようになり、撃てば当たるようになった。
チェックポイント通過時間も短くなっていった。
この時初めて「頭の中が痒い」感覚を得た。
「なんだろう、この感覚」と思い出してみればこれは「新しい言葉を覚える時」の感覚に似ていた。
単語を覚え、文章を頭の中で組み立て、ゆっくりとしか話せない
ゆっくり言って貰わないと聞き取れない段階から
「考えずに反応できる」段階になったときの感覚だ。
英語の時もスペイン語の時もこの感覚があった。

「これは脳の中で何か起こってるぞ」と思って調べたら
スウェーデンはボケ防止にゲームを活用しているらしい。

あの感覚を得てから数年、グランツーリスモ、F1、WRC
バトルフィールド、コールオブデューティを続けている。
ゲームのおかげで普通では交流しないはずの若い方と
親密になれるようになった。
お互いのプレイ動画を見せ合ってキャッキャ言っている
こんな状況は15年前は想像も出来なかった。

今、新たにフライトシュミレーターに挑戦している。
今もゲームパッドは使えないので、フライトスティックを購入した。
次に「頭の中が痒くなる」のは何か月後だろうか。

「もう歳だから今更ゲームなんて」と思っている方
試しにいかがでしょうか。

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