小寺・西田の「金曜ランチビュッフェ」Vol.032 技術は負けない号
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┏┏┏┏ 今週の目次
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01 論壇(小寺)
ドローンの世界を体系的に理解する
02 余談(西田)
スマホVRの本命「Gear VR」製品版を試す
03 対談(小寺)
電子書籍を端末の歴史から眺めてみる(1)
04 過去記事アーカイブズ(小寺)
視聴率偏重主義が破壊する番組制作の常識
05 ニュースクリップ(小寺・西田)
06 今週のおたより(小寺・西田)
・今週のはなちゃんさん
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今号は小寺回である。
先日の統一地方選で、うちの近所の路地で選挙演説を聞いていた時のこと。
僕らは演説している候補者を、3mぐらいの距離をとって囲んで立っていたのだが、そこにとことことおばあちゃんがやってきて、候補者のすぐ目の前に立った。以前からこの近所で時折見かける人で、ちょっと挙動がおかしい。おそらく認知症で、一人暮らしをされている方じゃないかと思う。
すぐ近くに立って候補者の顔を見ているが、候補者もどうしていいかわからず、横目で見ながらしゃべるしかなかった。この状況をどうすりゃいいのかと固唾を呑んで見守るしかなかったが、すぐ脇に立っていた近所の奥さんがさっと出て行って、おばあちゃんの肩をやさしく抱きながら脇の方に連れて行ってことなきを得た。
すると普段はいつも不機嫌そうな顔をしているおばあちゃんが、にっこり笑うのだ。人に触れる、触れられることで本来の自分を思い出すのか、ああこの人元々はこういう顔なんだという、生きた顔に戻るのである。
こういう現場に居合わせたときの機転というか、おばちゃんの包容力というのは実に侮れない。男は自分も含め、ただあわあわしているだけで何の役にも立たなかった。まだまだ自分などはは子供のつもりでいるんじゃないかと思い知らされた事件であった。
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