見出し画像

【イベントレポート】「現役作家が教える!小説を書いてみよう!ワークショップ」

8/2(金)薬丸岳先生、8/6(火)川瀬七緒先生を講師に迎え、小中学生を対象に「現役作家が教える!小説を書いてみよう!ワークショップ」を開催しました。本記事では8/6(火)に開催した回の模様をお伝えします。

会場は豊島区「区民ひろば 朋有」あじさいホール。

イベント当日も他の部屋にいる子どもたちの声が聞こえてくるほどにぎやかで、豊島区にもこのような地域に根差した施設があっていいなと思いました。

入り口にはワークショップのポスターが

なぜ豊島区での開催なのか。それは現在、江戸川乱歩賞70周年を記念して実施されている子ども向けのミステリ企画、「江戸川乱歩子どもチャレンジ」企画と連動しているためです。豊島区と講談社が共催するこの企画では、子どもたちが創作したオリジナルストーリー(小説)作品を9月30日(月)まで募集しています。

江戸川乱歩は晩年の30年間を豊島区で暮らしました。その邸宅は土蔵とともに、今も立教大学内に残されています(※見学可能ですが2024年9月まで改修中)。さらに豊島区は乱歩の邸宅があるだけでなく、区内を舞台にしたミステリー作品も多くある、ミステリーとのゆかりが深い地域。今年の乱歩賞の贈呈式も11月に池袋「あうるすぽっと」で実施される予定です。

子どもたちに話しかける川瀬先生

今回の参加者は8人。そのうち小学生が6人、中学生が2人でした。大のミステリー好きや乱歩好きの参加者もいて、なかには今回のワークショップに「#江戸川乱歩」で検索してたどりついた参加者もいました。

川瀬先生の講義はペンネームを考えて名札に書くところから。川瀬先生やサポートする文芸第二出版部の編集部員もひらがなで名札を作りました。

名札をデコったりして、「たのしくやろうぜ!」という雰囲気が子どもたちにも伝わったのでしょう。子どもたちの緊張もほぐれてきました。

そして川瀬先生から物語の起承転結や、キャラクターを作る意義についての講義が。ちょっと難しいかと思いきや、真剣に話に食らいつく子どもたち。

シンデレラを例にした起承転結の説明がはじまると、「シンデレラはそういう構造なんだ……」と言わんばかりに、ホワイトボードに子どもたちの視線が集まっていました。

いよいよ創作です。用意していたイラストの中から一枚を選び、それをもとに想像を膨らませて物語を創作します。なかには「気に入ったイラストがない!」ということで、0からチャレンジする強者も。

資料は持ち込み可。子どもたちはお気に入りの「青い鳥文庫」や『変な家』(飛鳥新社)などを開いていました。文体を参考にしていたようです。

選んだイラストから想像を膨らませています

公民館なので周りから楽しそうに遊ぶ子どもたちの声が聞こえてきます。それにも惑わされず一心不乱に創作に取り組む姿が印象的でした。ひとりぐらい「外で遊びたい!」と会場から飛び出す子がいるのではと心配していましたが杞憂に終わりました。

創作中は川瀬先生や編集者がタイミングをみて声をかけたり、キャラ設定の相談に乗ったりしてモチベーションを上げていきます。

しだいに子どもたちは川瀬先生や編集者に信頼を寄せるように。子どもたちも途中で相談したくなると川瀬先生や編集者に視線を送っていました。

「優しい筆致だけど、書いてあることは辛辣。こういう文章を書けるのは才能だから、あなたはこの作品を最後まで完成させて応募してね!」などと、最後は先生がすべての作品に目を通しあたたかな寸評を。

その寸評に子どもたちがやる気になっていたのは間違いありません。きっと作品を完成させて応募してくれることでしょう。ちなみに今回の企画に応募すると、江戸川乱歩賞の贈呈式への参加応募資格も得られますので、これを読んでいるみなさんも是非ご応募ください!(※応募者多数の場合は抽選)

私が彼らと同じ年だったらワークショップ中にひとつの物語を作るのでせいいっぱいだった気がします。それなのにワークショップでは2つも3つも作る子もいて、子どもってすごいなと感心しました。

デジタルネイティブの子どもたちが、原稿用紙に向かい、手を動かし頭を働かせて目を輝かせている。あらためてプロの作家に書き方を教えてもらえるっていいワークショップだなと。今、この時代に小学生の自分が豊島区にいたら「プロの作家が小説の書き方を教えてくれるよ。無料で」って、教えてあげたいです。信じてくれるかわからないですけども。

今回のワークショップが、子どもたちにも思い出深いものになっていれば何よりです。薬丸先生、川瀬先生、参加いただいたみなさん、ありがとうございました!

今回は、ミステリの最高峰・江戸川乱歩賞70周年を記念して実施されている、子ども向けのミステリ企画「江戸川乱歩子どもチャレンジ」企画と連動したワークショップです。

「江戸川乱歩子どもチャレンジ」は小学校1年生から中学校3年生までを対象に、オリジナルの物語を書いて送ると豪華賞品が当たる乱歩賞初めての子ども向けの企画です。

最後まで読んでいただきありがとうございます! X(Twitter)では、ほぼ毎日情報を発信しています。ぜひフォローしてください!