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【ジャーナル】[Part3]こうち100人カイギ vol.17 古川 ちなさん(高知大学医学科1年生)/山口 彩さん(高知大学地域協働学部2回生/ワンステップ編集部編集長)


2019年1月よりKochi Startup BASE ®︎にて始まった「こうち100人カイギ」。
高知の様々な分野で活動するゲストを、毎回5人お呼びして、生き方やその思いについて語っていただいております。全部で100人になったら、終了なこの企画。

今回の17回は、2021年2月16日(火)にKochi Startup BASE®︎での現地開催とzoomを使ったオンライン開催にて行いました。
この記事では、17回目の100人カイギにて登壇いただいた5名、1人1人の話にフォーカスを当てています。


参加したくても参加できなかった方、この方のお話が聞きたかった、など様々な方に読んでいただければ幸いです。


<こうち100人カイギ vol.17の登壇者>
5名それぞれの話を
もっと深く知りたい方は、こちらの記事もチェック!
※お名前をクリックすると、その記事に飛べます。


植 さおりさん(Part1掲載)

内田 龍太郎さん (Part 2掲載)
都築 正寛さん (Part 2掲載)

古川 ちなさん (Part 3掲載)
山口 彩さん (Part3掲載)


4人目の登壇者は、高知大学医学科1年生の古川 ちなさん。

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2000年生まれ。岐阜県出身。
企業、行政、そして世界へ。病院の外で学ぶ医学生。「ミライにワンステップ」「ネッツトヨタ南国インターンシップ」「Start up weekend高知」などに参加したことをきっかけに、ビジネスの力で医療業界を変革したいと思い始める。現在は医学生のためのスタートアップイベントを作りたいと計画中(登壇時)。2020年4月高知大学医学部医学部入学。高知家地方創生アイデアコンテスト2020 地方創生大賞受賞。

メンターからの鋭い指摘

2020年10月、5人目の登壇者である山口彩さんとともに地方創生アイデアコンテストに参加した古川さん。その中で、感じたことが大きく2つあったと言います。
まず一つ目に、ターゲットを絞る難しさと大切さ。感じたきっかけは、作ったアイデアを発表した際にメンターの方からいただいたフィードバックで指摘されたことでした。
コンテストの中で、一番初めに出したアイデアは『山間地域の人材不足を解消するための料理教室』。自信を持って発表したものの、返ってきたフィードバックはかなり厳しいものでした。「料理教室を開くのはいいが、そこに来てくれる人はいるのか」「料理教室を実際に利用したいと思ってくれる人、ターゲットは誰なのかをもっと考えなさい」といった厳しい言葉の数々。山間地域で料理のできる人が少なかったため、料理ができる人を増やそうと思いアイデアを練ったものの、実際に「地域のために料理教室に通います」と思って行動してくれる人は決して多くはないということに気が付きます。

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ターゲットの練り直し

自分の中では自信のあったアイデアだったからこそ、メンターからの鋭い指摘に対し、悔しさや恥ずかしさを強く感じました。しかし同時に、指摘された部分をもっと深く考えることで、更に良いアイデアになるのではないかと思いワクワクしました。
フィードバックを受け、ターゲットを練り直し、「山間地域に住む、孤独を感じている、かつ地域のコミュニティに参加したいが様々な事情で参加できずにいる高齢者」と設定。何度も内容の見直しを図り、最後にはコンテスト最高位の賞『地方創生大賞』を受賞することができました。
本当にそのアイデアが必要なのか、実際にそのアイデアを必要としている人がいるのかをしっかりと考えることによって更にいいアイデアを生み出すことができることの楽しさを知り、「ビジネスって素敵だな」と感じたと当時を振り返ります。

自分自身の強み

アイデアコンテストを通して感じたことの二つ目は、協力してくれた方への感謝。プレゼンテーションや質疑応答の練習、アイデア自体へのフィードバック等、たくさんの方に何度も協力してもらい、助けてもらったからこその受賞でした。古川さん、山口さんの二人だけでは絶対に叶わなかった大賞を、協力してくれた方々のおかげで受賞することができ、人とのつながりがどれだけ自分自分自身の武器、強みになるのかを、改めて強く実感しました。

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『医療×ビジネス』

古川さんは現在医学部で学び、全国医学生ゼミナール等校外活動にも積極的に取り組んでいます。その中で、社会的な問題に興味がある学生が医学生の中にも一定数いるにもかかわらず、その問題に対しビジネスとしてアプローチしていくという選択肢を持っている人が少ないことに気づきました。また、医学部への入学後、自分自身と向き合う時間が全くないことに対し、問題意識を持つようになりました。
自分にできること、自分にしかできないことは何だろうと考えた時、古川さんにとって自分自身と向き合うきっかけになったのがスタートアップ。そのことから、現在は“医療×ビジネス”をコンセプトに、医学生が自分自身と向き合うきっかけづくりのための医学生向けのスタートアップイベントを開催したいと思っています。
ところが、「“医療×ビジネス“をやりたい」と周囲に話す中で、多くの人からもらう意見は「どうせ無理だよ」という言葉。自分一人でもやりきるくらいの覚悟がいることなだけに、そういった意見をもらうことは仕方がないことだと思っていました。ところが、登壇の一週間程前、学部外の方から「私も一緒にやりたいです」とメッセージが届きました。仲間ができた心強さは、涙が出るほどうれしかったそうです。
インターンシップ先の方々とドミノをした際、シンプルなルールなのにすごく楽しかったエピソードを例に出し、「“医療×ビジネス”に固執しなくても、この人となら何でもできるという感覚も大切にしていきたい」と決意を語り、締めくくってくれました。


5人目の登壇者は、高知大学地域協働学部2回生/ワンステップ編集部編集長の山口 彩さん。

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1999年生まれ。香川県観音寺市出身。
フィールドは土佐町いしはら。初めていしはらを訪れたとき、いしはらの自然と人と食に魅了され、絶対にここで学びたい!と強く思った。大好きないしはらをモデルにしたアイデアで、2020年度高知家地方創生アイデアコンテストに出場し、最高位である大賞を受賞。また、学生と高知の中小企業を繋ぐための広報活動を行うワンステップ編集部に所属し、SNS運用を担当している。誰かが笑顔になる瞬間を間近で見たい、自分の手で創り出したい、そんな思いを持って日々勉強中。

高知に根差した活動

明るく、力強い自己紹介から始まった山口さんのお話。初めに、現在様々な取り組みをしている中で、特に力を入れている活動について話してくれました。
まず一つ目に、高知大学の近くにある『学生空間ワンステップ』というカフェの中で学生が運営している『ワンステップ編集部』。活動のメインは、学生空間ワンステップの広報。高知のタウン誌『ほっとこうち』とのコラボで、月に一度、企業の方にインタビューをして一ページ分の記事を作成したり、フリーペーパーの作成やメンバー4人で管理しているinstagramアカウント『ワンステップMAGAZINE』(@onest_magazine)の運営をしたりと、活動内容は多岐にわたります。

様々な方法で学生を応援

二つ目は、高知県の卒業生の体験談をinstagramで発信する『case-1』(@case_1_kochi)。「高知の学生さんを1番応援できるアカウントを目指して!!」をコンセプトに運営しており、学生だけでなく、社会人の方も多くのことを学べる内容となっています。
三つ目は、“繋ぐ”をテーマに、高知で活躍している学生さんをinstagramで紹介する『Linker』(@linker_kochi)。これは「何かやりたいけど、どうしたらいいかわからない」と思っている学生に知ってもらい、繋がってもらえたらいいなという思いから生まれました。“Link(繋げる)”に“er”を付けた言葉をアカウント名にし、メンバーはそれぞれ“繋げる人”として活動しています。
そして最後に、『ミライにワンステップ』。高知にゆかりのある学生が集まり、企業と学生が関われる場『しゃべりば』の開催等、主にオンラインでのイベントを開催。メンバーは毎朝、思ったことをただただ書き出す『モーニングページ』もしています。

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きっかけはコロナ

これまでに挙げた活動に加え、アイデアコンテストへの参加等、今でこそたくさんのことに挑戦している山口さんですが、実は登壇日の一年程前までは、サークル活動以外何もしていませんでした。現在のように様々な活動に取り組むようになったきっかけは、コロナ過中で参加したあるイベント。校外イベントに参加するようなキャラではなかったものの、勇気を振り絞って参加を決意しました。すると当日、ワクワクするような活動や、自分自身のやりたいことに対してまっすぐに突き進んでいる他の参加者の姿にとても驚かされました。当時大学二回生だった山口さん。イベントには同じ大学の一回生も参加しており、自分より意識の高い後輩にも影響され、「このままじゃだめだ、私も変わらなきゃいけない」と思うようになりました。その経験が、現在様々な活動に取り組んでいる積極性や行動力に繋がっています。

大切なのは出会い

「出会いはチャンス」だと話す山口さん。今回のこうち100人カイギへの登壇も、スタッフである檜山さんや前田君との出会いがなかったらあり得ない話だったと言います。出会いから生まれる繋がりがあって、その出会いからまた次の出会いに繋がる。自分自身の人脈になるその繋がりは、自分にとってすごく大きなチャンスで、人との出会いがあったからこそ今の自分があり、出会いがあるからこそチャンスがあると考えています。だからこそ、何事においても出会いをとても大切にしています。
プロジェクターで自身のSNSのアカウント名を映し出し、「こうち100人カイギで皆さんに出会えたことも何かの縁だと思うし、私にとってだけでなく、みなさんにとっても何かのチャンスにつながる出会いになったらいいなと思います。ここだけで終わらせたくないので、ぜひInstagram、Facebook等で繋がりましょう」と、100人カイギらしい終わり方で締めくくってくれました。

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【総括】

自身も現役の医学生でありながら、同じ学部の仲間たちのためにできることを考え、自分を信じてイベント開催に向け努力する古川さん。また、同じく現役の大学生でありながら、高知県内の大学生の学びの場やきっかけをつくるため様々なことに挑戦している山口さん。お二人の積極性や行動力に驚くと同時に、私自身、年齢が近いこともありお話を聞いていてワクワクしました。さらに活躍の場が広がっていくであろうお二人に、今後も注目していきたいです。


(レポート:結城 菫)

100人カイギとは 
一般社団法人INTO THE FABRIC 高嶋 大介氏が「同じ会社に勤めていても、1度も話したことがない人がいる」と気づいたことをきっかけに、会社、組織、地域の"身近な人”同士のゆるいつながりを作るコミュニティ活動を始めました。 2016年六本木で「港区100人カイギ」スタートさせたのを皮切りに、渋谷区、新宿区、相模原市、つくば市、雲南市など全国各地へ広がっています。
100人カイギの一番の特徴ともいえるのが、「ゲストの合計が100人になったら会を解散する」ということ。100人の話を起点に、肩書や職種ではなく、「想い」でつながる、ゆるやかなコミュニティを作ります。


問い合わせ
Kochi Startup BASE®️
住所:〒780-0822 高知県高知市はりまや町3-3-3 GAIAビル2階
運営:エイチタス株式会社 高知支社
Mail: ksb@htus.jp
Webサイト:http://startup-base.jp/



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