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【レポート】こうち観光実践しゃべりば#9 ~よさこいがビジネスに⁉ 国内最大の交流祭り“よさこい”の価値を引き出そう~


第9回目のテーマ「よさこい」

『こうち観光実践しゃべりば』は、観光に対する自身の活動や想いを語り合い、自分たちで気づき、認め合い、応援することで、高知の観光に緩やかなつながりを生み出す場です
講師の話を聞くのとは異なり、参加者同士で話し、見つめなおすことで、明日から使える、より実践的な学びを提供します。

今回のテーマは、高知を代表する祭りである「よさこい」。今や“よさこい”の名を冠する祭りは全国、そして世界に広がっており、観客動員のみならず踊り子・観客・スタッフの三位一体となって交流し盛り上げる祭りという意味で、「国内最大の交流祭り」と呼べるほどの文化になっています。
今回はそんな“よさこい”を観光という切り口で捉え、どう地域振興につなげていくのか、また自分たちには何ができるのかについて議論しました。

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今一度、よさこいを勉強しよう

まずは高知県民がなんとなく関わってきたよさこいをきちんと学び直そうということで、よさこい関連イベント立ち上げ・研究のスペシャリストである川竹大輔先生(高知大学次世代地域創造センター 特任准教授)をゲスト講師としてお呼びし、よさこいの発展の歴史や他地域の事例などについて教えていただきました。
朝鮮特需後の経済活性化と市民の健康を願って、1954年に阿波踊りを真似して誕生したよさこい祭りは、市民参加型でアレンジ性の高い“進化する祭り”として発展してきました。その後、川竹先生も立ち上げに関わったYOSAKOIソーラン祭りをはじめ、“よさこい”を名に冠する祭りは全国に広がっており、地域の特色を出した祭りとなって盛んになっています。
このように、よさこいフィーバーがどんどん広がっていく中で、発祥地である高知県にもっとできることはないのか?インプットを得たところで、特に観光の観点における課題や可能性について検討しました。

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よさこいを取り巻く課題と可能性を考えよう

インプットの後、参加者同士で思い思いに、考えたことや思っていることを議論しました。
高知県のよさこいの課題については、8月9日~12日の本祭期間中にどれだけ客単価を高くするかといった点が挙げられ、民泊や高知市内以外の宿泊場所に宿泊客を分散させたり、インバウンド向けに衣装や鳴子を貸し出して一緒に踊れる体験を組んだりすることで、地域にお金が落ちる仕組みを作るとより良いのではないかという意見が出ました。
また、本祭期間中以外の秋~春にも来てもらうことも、よさこい界では大きなミッションとなっています。そこで、3月に開催されるイベント“土佐のおきゃく”と県外大学生よさこいチームを絡めた企画や、鳴子を作っている工房などよさこいゆかりの地を巡るツアーを作ってみるのもいいかもしれないという話も出ていました。
よさこいには「人と人をつなぐ力がある」ということを皆さんが感じておられ、よさこいをきっかけに高知を知り、好きになってもらったり、世代や立場を超えた交流をしたりすることが可能であると、希望を持って様々なアイデアや考えを出していただき、とても盛り上がりました。

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自分にできることは?

最後に、よさこい・観光・地域振興に関して、自分にできることを考えました。
教育の立場、チーム作りの立場、観光業界に携わる立場から、「チームの支援」や「ツアー企画」など、参加者それぞれにしっかりとした目標を立てておられ、とても頼もしく感じました。よさこいに対する各々の想いの強さが伝わってきたので、近いうちに目標を達成して次へ次へと進んでいけそうな予感がしました。
よさこいはかなり多くの人が関わるイベントであるため、仲間同士の協力が不可欠です。困った時に相談し、高め合える仲間作りを、このしゃべりばを通して今後もしていただけたらと思います。

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総括

今回はよさこいに詳しいゲスト講師のインプットがあったことや、集まった参加者自身がよさこいの運営や広報などに深く関わっているメンバーだったことで、質の高い語り合いとなりました。参加者はそれぞれの経験を踏まえ活発に意見を交わしており、違う立場でありながら同じ熱量で“よさこい”や地域振興について話ができる場があったことが、大変楽しく刺激になったようでした。
「観光という切り口でよさこいを語ることが無かったので新鮮だった」「普段なかなかこんな話できる機会がないから、とても良かった」といった感想も挙がっており、しゃべりばの効果を感じました。
9回のしゃべりばを通して、どの回も観光に強い想いのある方々が集い、様々な意見を交わし合っている姿が、とても熱くて印象に残っています。この熱を人から人へと伝えていき、協力して高知県の観光振興に取り組める仲間の輪が広がっていくよう、次回以降のしゃべりばをさらに面白い場にしていきたいと思います。


(レポート:陶山 智美)


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