見出し画像

【レポート】こうち100人カイギvol.16


地域で働く100人をきっかけに、まちの在り方や価値を再発見し、ゆるく人を繋げる「100人カイギ」がKochi Startup BASE®︎を拠点として2019年1月よりスタートしています。新型肺炎の拡大により一時的に休止していましたが、オンラインイベントとして再会を遂げ、今回はオンライン、オフライン並行して行うハイブリット型のイベントとして開催しました。

『100人カイギ』のルールは1つ。
「ゲストが100名に達したら解散する」。高知で活躍するゲストを毎回5人お呼びして、生き方やその思いについて語っていただきます。

今回は、2021年1月26日に開催されたこうち100人カイギvol.16の様子をレポートします。

高知県内外、多様な分野で活動する5名の方々にご登壇頂き、それぞれが自分自身の生き方や働き方について話題提供を行い、参加者とともにネットワーキングを行いました。


オープニング、アイスブレイク


図1

はじめに、100人カイギ、KSBの概要について紹介を行ったあと、アイスブレイクを行いました。今回はオフライン、オンラインの同時開催。
オフライン参加の方は会場で、オンライン開催の方はブレイクアウトルームを用いて、他の参加者との自己紹介や、このイベントに期待することをシェアしました。オンライン上でも現地と同様にいくつかのお部屋に分かれて実施されました。

画像2


各者各様の想い

登壇者1
小寺 悠介さん(陽だまり整体サロン 院長)

画像3

愛知県出身。32歳
30歳の時に高知県に移住して『陽だまり整体サロン』を開業。主に『不妊整体』や『アトピー 整体』カ『難病整体』をして、患者様の未来を変える整体をしている。「大好きな高知県の魅力を県外の方々に伝えたい気持ちが強いです!」患者様の未来だけでなく、高知県の未来を変えたいと日々奮闘中。

夢を叶える方法

「皆さんはなぜ仕事をしていますか?」という話から始まった小寺さんのお話。開業、第一子誕生と、今は順風満帆な生活を送っていますが、結婚直後は、奥さんの病気や離婚の危機など様々な困難があり、奥さんに苦しい思いをさせてしまったと言います。そんななか、整体法に出会ったことをきっかけに、奥さんや奥さんと同じ苦しみを抱える人を幸せにしたい、という気持ちが芽ばえました。その想いが今の小寺さんが仕事をする大切な理由になっています。
高知への移住も、奥さんの「高知で生活できたら幸せだろうな」という一言で決意。高知に整体サロンを開くという抽象的な夢から、より具体的な目標として、3年後に開業することを決断し、開業している友人や先輩にたくさん話しを聞き、2年前に念願の整体サロンの開業を実現しました。
今後は、整体サロンのみならず、高知の魅力を伝える取り組みがしたい、と考えている小寺さん。インターネット上で高知の特産品を販売する『高知県物産マルシェ』を作ろうと、今現在計画を練っています。「一緒に盛り上げたい方はぜひメッセージをください!」と話し、早速新たな出会いが生まれる予感を感じさせてくれました。


登壇者2
小林 洋実さん(StartupWeekend高知オーガナイザー/ノーコードエンジニア/株式会社SHIFT PLUS)

画像4

高知県出身。
関東・関西でWeb/クラウドのエンジニアとして働いたのち、大好きな地元にUターン。2020年より、株式会社SHIFT PLUSにて高知県のIT関係人口創出や就職支援の事業を担当。県外にいる時から「高知で一人一人がやりたいことに対してアクションできる場、応援する人と繋がれる場」を作りたいと思い、StartupWeekend高知を立ち上げ。エンジニア、コミュニティマネージャーの力を生かして、高知の人ができることを増やしたいと活動中。

ビジョンを実現するために

香南市出身の小林さんは、2019年頃まで、県外でWEB/クラウドエンジニアとして経験。県外で経験を積みながら、高知とも関わりを広げ、1年ほど前にUターン。現在は株式会社SHIFT PLUSで、関係人口づくりの事業をメインに、幅広い分野でアクションをしています。
そんな小林さんが掲げる人生のビジョンは「好きな場所で、好きな人と好きなことをして生きていく人を増やしたい」ということ。このビジョンを高知で実現するため、今後やっていきたいことを2つに絞ったと話してくれました。
まず1つ目が『コミュニティマネージャー』。特にメインで進めているのが『Startup Weekend Kochi』という2日半でアイデアからビジネスを作り上げるイベントです。この場を通じて生まれたプロジェクトや、つながりがきっかけとなり、高知から面白いことが始まる力になれているのではないかと言葉が続きました。
そして2つ目が「ノーコードエンジニア」。ノーコードとは、プログラミングなしで、ホームページやアプリを作れるサービスのことです。小林さんは、エンジニアだった経験を活かし、ITに関して難しく感じている人に対し、ITを通じて「やりたいこと」を実現するお手伝いをしていきたいと話しました。


登壇者3
中島 匠一さん(株式会社ブランド高知 代表取締役社長/芸術家/クリエイター)

画像5

2017年大阪芸術大学卒業。
卒業後、作品 "高知の財布"を発表。 2018年に芸能人に紹介されるなどして、メディアで話題になる。 2020年高知県地場産業大賞奨励賞受賞。大学でインスタレーションアートを専攻。 "高知の財布"は、高知の二文字を世界中の人々の脳裏に刻みこむことをコンセプトとした作品の一環。 社会を巻き込むアートな仕事をしていくことをモットーに、多くの企業や団体とコラボも手がける。

命を懸けたブランド高知

芸術大学で学び、もともとはアート作品を作成していた中島さん。芸能人のSNS投稿で話題を呼び、一躍有名になった、『ブランド高知』の代表取締役社長でもあります。『ブランド高知』は、『高知家』の家族を全国に広げること、高知愛を持ち歩く、そして高知に恩返しすることを目的とし、商品の作成・販売を行っています。
一見、はじめから順風満帆に進んでいるかと思われがちの中島さんですが、ヒットの背景には、とてつもない苦労があったと言います。国内のあらゆる工場に頭を下げても製造を断られ、中国大陸まで渡って工場を探したり、資金集めをしたお金が詐欺にあい、親族に借金をしたり、自身の生命保険を解約するなど、様々な苦悩の中、命がけで『ブランド高知』に向き合ってきました。
現在は、様々な企業や行政の観光課とコラボレーションも行っています。また、高知県の「鳥獣被害対策」の取り組みにも関わり、廃棄されている鹿革を使った名刺入れを作成。あえて銃弾の跡を残したデザインは地場産業大賞の奨励賞を受賞しました。自身の商品を通じ、コミュニケーションが生まれることを期待していると話し、「アートな仕事は人を笑顔にする」と締めくくりました。
 


登壇者4
森本 ちかさん(株式会社コッコ•サン 代表取締役/NPO子どもと本をつなぐ会 理事長)

図1

1999年1月より自身の子育てで出会った絵本の素晴らしさを広めるために、「えほんの店コッコ・サン」を高知市に開業。2000年6月より学校図書館を楽しくするために、子どもたちが図書室の本を選ぶ「選書会」を開始。現在高知県の100校の小中学校で活動中。選書会やお話会で出会ったのべ20万人の子どもたちから教えてもらった、絵本でコミュニケーションをとる読み方を伝えている。2010年より、稲生小学校で「心と心をつなぐ本読み」実践開始。2020年活動をまとめた著書がくもん出版より出版される。

絵本は幸せの時間をつくる

1999年1月に高知市の愛宕町に誕生した絵本屋さん『コッコ・サン』。子育て中に出会った絵本の素晴らしさを伝えたい、という想いに加えて、会社が嫌になっていたことも起業した理由だったといいます。周囲からは反対の声も挙がりましたが、「会社を辞める」という発言を撤回するわけにもいかず、そのまま起業へと踏み切ったと言います。結果として、その決断は森本さんの人生をとても充実させるものとなりました。
活動の中で学校図書館との出会いは、継続の大きな力になりました。読みたい本を子どもたちが選び、人気投票をしたのちに図書館の本として入れてもらう『選書会』もその一つ。この活動は20年ものあいだ続き、現在では100校近くの小中学校に活動が広がっています。
絵本は、「読み手も聞き手も幸せにする」と話す森本さん。絵本を読むことで生まれるゆったりとした時間は、学校に馴染みにくいこどもたちも積極的にしてくれます。
2010年より、稲生小学校で「心と心をつなぐ本読み」を実践していますが、絵本を読んでくれた時間は子どもたちの心に残り続け、そして地域の方を慕うようになったり、地域への愛着にも繋がったりしています。絵本を通じて笑顔が広がり、どんどん新しいことにもチャレンジしていきたいと話してくれました。


登壇者5
山元 由夏利さん(まるげんkitchen/おうちパンマスター/シフォニスト)

画像7

高知市出身。1985年生まれ。息子が3歳の頃、発達で指摘を受けた事を機に『時間を調整できる働き方がしたい』と思う。13年間勤めた会社を昨年秋退職し、現在お菓子の販売とパンとお菓子の教室を開催している。ひょんなことからハマったシフォンケーキ作りに異常なほどの偏愛感情を抱いてしまい、作ることも、出来上がりを【目・耳・鼻・口・肌】五感で愛でる事にも日々夢中。私史上最高のものが作れるようになりたくて、365日シフォンケーキを焼くチャレンジ中!(でも1番好きなお菓子はまさかのクッキー‼︎)

美味しい挑戦

山元さんは13年間務めた会社を退職し、昨年秋より『まるげん』という屋号でお菓子作り、販売を行っています。
2020年4月6日からは、シフォンケーキチャレンジと称した自身への挑戦を続けています。これは毎日、シフォンケーキを作ることですが、登壇日の時点で296日シフォンケーキを作り続けていると言いました。
もともとハマり症だという山元さん。以前はマドレーヌにハマり、1ヶ月に150個以上食べていたこともあったと笑います。健康上の不安を感じ、ダイエットを始めるものの、ダイエット中でも食べられるお菓子をつくりたいと感じるようになり、そのとき出会ったのが糖質もカロリーも低いシフォンケーキ。シフォンケーキは五感で楽しめると話し、当日は持参した本物のシフォンケーキを使いながら、「萌え」ポイントを紹介してくれました。今後は販路、活動場所の拡大や、色々な食材へのチャレンジを行っていきたいと考えています。ここまでシフォンケーキについて熱く語ってくれた山元さんですが、実はクッキーが一番好きという一言で会場を沸かしました。


ネットワーキング

登壇者と参加者の垣根を超え、ゆるくつながるネットワーキングの時間。
前回までと会場が変わったため、少し空間が広くなったこともあり、よりゆったりとしたネットワーキングの時間が過ぎたように思います。
また登壇者には、オンラインの方とも交流をしていただけるように、順番にオンライン会場とつないだパソコンの前で話をしてもらいました。

図1

画像9


総括

今回の100人カイギは、KSB移転後、初めての開催となりました。オフライン、オンライン共同のハイブリッド開催となり、今回は特にオンラインでご登壇頂く方がいらたこともあって、よりオンラインとオフラインの垣根を超えたコミュニケーションが行われた回になったのではないかと思います。今後も改善を進めて、コロナ禍においても、より参加者と登壇者がつながれる場にできたら良いなと感じました。

SA702918のコピー


(レポート:檜山 諒 )


100人カイギとは
100人カイギは、一般社団法人INTO THE FABRIC 高嶋 大介氏が「同じ会社に勤めていても、1度も話したことがない人がいる」と気づいたことをきっかけに、会社、組織、地域の“身近な人”同士のゆるいつながりを作るコミュニティ活動です。2016年六本木で「港区100人カイギ」スタートさせたのを皮切りに、渋谷区、新宿区、相模原市、つくば市、雲南市など全国各地へ広がっています。


問い合わせ
Kochi Startup BASE®️
住所:〒780-0822 高知県高知市はりまや町3-3-3 GAIAビル2階
運営:エイチタス株式会社 高知支社
Mail: ksb@htus.jp
Webサイト:http://startup-base.jp/

皆様からいただいたサポートは、今後の活動・運営に使用させていただきます。