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【ジャーナル】[Part1]こうち100人カイギ vol.18 岡 円香さん(腸活ぬか床小町 主宰/NPO発酵文化推進機構認定 発酵食品ソムリエ)/前田 久美さん(ママの働き方応援隊高知校トレーナー)


2019年1月よりKochi Startup BASE ®︎にて始まった「こうち100人カイギ」。
高知の様々な分野で活動するゲストを、毎回5人お呼びして、生き方やその思いについて語っていただいております。全部で100人になったら、終了なこの企画。

今回の18回は、2021年3月23日(火)にKochi Startup BASE®︎での現地開催とzoomを使ったオンライン開催にて行いました。
この記事では、18回目の100人カイギにて登壇いただいた4名、1人1人の話にフォーカスを当てています。


参加したくても参加できなかった方、この方のお話が聞きたかった、など様々な方に読んでいただければ幸いです。

<こうち100人カイギ vol.18の登壇者>

4名それぞれの話を
もっと深く知りたい方は、こちらの記事もチェック!
※お名前をクリックすると、その記事に飛べます。

岡 円香さん(Part1掲載)
前田 久美さん (Part 1掲載)

吉田 健一さん (Part 2掲載)
渡辺 ひとみさん (Part2掲載)


1人目の登壇者は、腸活ぬか床小町 主宰/NPO発酵文化推進機構認定 発酵食品ソムリエの岡 円香さん。

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高知県出身。
言語聴覚士、ボディーケアセラピスト、スピリチュアルカウンセラーなどを経て、食の世界へ。現在は、無農薬等の野菜・米の卸業社で働く傍ら「腸活ぬか床小町」を運営。発酵食品のWS開催、日曜市、ぬか漬け製造、YouTube配信などを行なっている。オーガニック野菜の生産者の依頼から加工食品を手掛ける中で、ぬか床に出逢う。発酵の人や環境に対する可能性に魅了され、「発酵で、日本人に誇りと笑顔を」をテーマに活動を展開している。

高知の食材で作るぬか漬けを広めたい

高知出身で高知育ちの岡さんは現在、『腸活ぬか床小町』という名で、ぬか床の普及に励んでいます。関東の方では自宅で漬けている方も多い『ぬか漬け』ですが、高知では知名度も低く、漬けている人はほとんどいません。それなのになぜ、ぬか床を始めたかというと、一緒に住んでいたおばあちゃんがきっかけでした。岡さんのおばあちゃんは新潟出身で、小さい時からぬか床が家庭にある環境で育ち、作る習慣がありました。そのため、物心ついた時からぬか漬けの存在を知っていた岡さん。高知は夏が暑く、ぬか床を作る環境としては難しい部分もありますが、それ以上に茄子やみょうが、生姜といった高知の食材で作るぬか漬けはとても美味しくなるそうです。県外の方が高知の食材を褒めてくれることも多く、高知の食材で作るぬか漬けも美味しい、と伝えるために岡さんは活動を続けています。

有機野菜と出会って

岡さんは、『腸活ぬか床小町』として様々な活動を行っています。日曜市に出店し、味噌汁や酒粕汁、ぬか漬けを販売したり、ぬか漬けの漬け方や腸活についてワークショップを行ったり、発酵食品ソムリエの知識を用いてYouTubeも行っています。また、過去の職歴も非常に多彩で、言語聴覚士、エステティシャン、ボディケアセラピスト、ペットショップの店員などなど。中でも香川に在住していた時に経験したオーガニックスーパーの店員業務が岡さんにとって大きなターニングポイントに。元々、小さい頃は「野菜は味がしない」と野菜嫌いでしたが、オーガニックスーパーで有機野菜に出会い、野菜のおいしさに気づきました。それからというもの、人が変わったかのように野菜を自ら選び、食べるようになったことで、改めて高知の野菜の美味しさがよくわかったと言います。

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心と身体を繋げるための

その後高知に帰省し、周りをみてみると、有機野菜を作る農家の方がたくさんいることを知りました。オーガニックスーパーでの経験や、人の身体や健康についての知識があった岡さんは、自らの足を使って農家さんの元に行き、対話を重ねる中で、野菜を長期保存できるようにキムチやピクルスを作ってほしい、と言われるように。それから加工食品、発酵食品について学びを深め、今の活動に繋がりました。
様々な職や経験を経て、たどり着いた発酵食品の世界。どの仕事を行ってきても「心と体が繋がればきっと幸せに生きられるはず!」と漠然ではあるものの、イメージは持っていたと岡さんは言います。キムチもピクルスも、ぬか床も全て発酵食品。自分が求め続けてきたものはここにある、と雷に打たれたような衝撃があったと言葉が続きました。

発酵の力で多くの人を笑顔に

岡さんは、発酵食品の魅力は『腸活』にあると言いました。腸が整うと、脳にセロトニンという幸せを感じる神経物質が増えます。セロトニンが増えることで、発酵食品を食べて「美味しい」という感情的な幸福感だけでなく、脳にもダイレクトに幸せを感じられる働きかけをしてくれます。お腹が整うと幸せを感じられる、『腸活』は心と身体の調和を図ってくれる、岡さんは発酵食品のこの部分に強く惹かれています。
また、発酵食品は日本では古くから親しまれ、伝統があるもの。味噌や酒粕など発酵の味、そのままの味を楽しんでもらうため、なるべくシンプルに添加物などないように作るときには最大限の注意を払っています。混じり気のない純粋な味を多くの人に届けたい、「発酵で、日本人に誇りと笑顔をもたらしたい」そう笑顔で場を締めくくってくれました。

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3人目の登壇者は、ママの働き方応援隊高知校トレーナーの前田 久美さん。

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大豊町出身、高知市在住。
社会福祉士として3年間働いたあと結婚。出産。現在2歳~中1の4人の子育て真っ最中。次男が学習障がい&不登校児ということもあり、学校に行きづらい子どもたちの居場所(フリースクール)を創りたいと奔走中。ママの働き方応援隊の一ツ橋学級代表として、プロジェクトの1つである赤ちゃん先生クラスでは教育機関や高齢者施設に子どもと訪問し、学びや癒し・感動を共有する教育プログラムを行っている。高知大好き。人が大好き。繋がりを大切に。


子育てしながらでも

ママの働き方応援隊(以下、ママハタ略)の高知校トレーナーとして活動している前田さん。同団体は神戸に本部をもち、高知県では3年前に設立。前田さんは2年前からその取り組みに参画しています。ママハタ自体は、2007年に神戸にてNPO法人として設立されたのがはじまりで、現在の理事長が、子連れ出社をしたのがきっかけです。お孫さんが待機児童になってしまい、子連れ出社をしたものの、書類を触ったり、邪魔をしたりと手がかかり、仕事に集中できませんでした。そのことから「本当に子どもと一緒に働ける場所を作ったらいいのではないのかと」と思いました。その出来事から、子育てがデメリットになってしまう今の日本の社会はおかしい、メリットになる働き方がないなら作ろうと決意し、団体を設立しました。
女性が出産後も「働く」を通じて社会とつながって行ける「場」を作り続けるという目的に賛同する人も多く、今では全国各地に支部が存在します。

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赤ちゃんから学ぶ

ママハタの活動には、様々なプログラムがありますが、中でも前田さんがメインで関わっているのは、教育機関や高齢者施設、行政などに、赤ちゃんとお母さんが一緒に訪問し、命の大切さや人として大切なことを感じてもらう教育プログラム『赤ちゃんクラス』です。このプログラムでは、赤ちゃんが『先生』となって、その小さな命から学びを得てもらうことが目的となっています。『赤ちゃんクラス』にも種類があり、一つは小学校・中学校向けの『いのちの大切さ』というプログラム。内容は、ただただありのままの赤ちゃんをみて、触って感じてもらうものです。中には、赤ちゃんのよだれが汚い、触れないという子どももいますが、そんな子でも泣いている赤ちゃんを見て、気遣ったり、何かしてあげたいという行動が見られたりします。赤ちゃんが喜んでいる姿、泣いている姿から何か感じること自体がとても大事なことだと、前田さんは言いました。


子育てを見据えた設計を

もう一つのプログラムが、高校生・大学生向けの『親になる準備』というもの。仕事に重点をおいたキャリアを考えがちなこの時期に、赤ちゃん先生とその母親と関わることで、「親になることは責任を伴う」「家族を持ちながら働くこと」など、学生たちが早い段階から結婚、出産、育児を含めたライフプランを考えるきっかけになるように取り組みを行なっています。
出産後、仕事復帰する方も多くいますが、仕事でのキャリアを考えて出産が遅くなったり、逆に出産後、育児をもう少し続けたいと思ったりなど、子育てを含めたライフプランは大人になってから考える方が多いのが現状。しかし、学生の時から、出産は女性しかできなくても、子育てはパートナーを含め、周りの人たちや社会全体で一緒に育児はできるということを知ってもらうことは、その子の将来にとって大きな鍵になります。また、出産には適齢期があるため、キャリアで先延ばしにすることで、不妊という可能性も出てきます。大人になったら自然とわかることかもしれませんが、学生時代に知識として知っておくことというのが大切です。

自身の経験を経てこれから

前田さん自身には、今4人の子どもがいます。今では慣れたものの、最初の育児の際は子どもの伝えたいこともわからず、周りに話す人もいなく、不安でいっぱいいっぱいだったと当時を振り返りました。しかし、ママハタの活動のような子育て中しかできない体験があることを知り、子育てがメリットになると考えられるようになりました。我が子と一緒に社会貢献や社会参加をすることで、お母さんには自信がつき、赤ちゃんもたくさんの人と関わることができ、お互いが健やかに成長していくことができるのです。
また、自身の子どもが不登校であることを明かしてくれた前田さん。学校じゃなくてどこかに行ける場所はないかと探してみてはみたものの、そんな場所はなかなかありませんでした。しかし、ないなら作ればいいと思い、現在は学校に向かない子どもたちの居場所作りのために、自分発信の活動もしています。ママハタの活動や自身の活動を通してたくさんの人との縁を作り、高知のお母さんを元気にしていきたい、そう決意を口にしてくれました。

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【総括】

数々の経験を積み、今腸活を目的にぬか床の普及に励む岡さん。元々は野菜嫌いだった彼女が、野菜の美味しさに気づき、どんどん変化していく話はとても興味深く、そんな彼女が作るぬか漬けを一度食べてみたい、そう思った人も多かったのではないでしょうか。

ママハタ高知校のトレーナー活動を始め、自分自身の経験から新たなプロジェクトを起こそうとしている前田さん。日々、様々なお母さんや子どもたちに触れ、直接たくさんの悩みや課題に直面している彼女のこれからの活動に注目、応援したいなと感じました。

(レポート:畠中 詩織)

100人カイギとは 
一般社団法人INTO THE FABRIC 高嶋 大介氏が「同じ会社に勤めていても、1度も話したことがない人がいる」と気づいたことをきっかけに、会社、組織、地域の"身近な人”同士のゆるいつながりを作るコミュニティ活動を始めました。 2016年六本木で「港区100人カイギ」スタートさせたのを皮切りに、渋谷区、新宿区、相模原市、つくば市、雲南市など全国各地へ広がっています。
100人カイギの一番の特徴ともいえるのが、「ゲストの合計が100人になったら会を解散する」ということ。100人の話を起点に、肩書や職種ではなく、「想い」でつながる、ゆるやかなコミュニティを作ります。

問い合わせ
Kochi Startup BASE®️
住所:〒780-0822 高知県高知市はりまや町3-3-3 GAIAビル2階
運営:エイチタス株式会社 高知支社
Mail: ksb@htus.jp
Webサイト:http://startup-base.jp/


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