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【ジャーナル】[Part 2]こうち100人カイギ vol.3 森田久真(学生エンジニア)/古味由希(mamanstyle店長)

2019年1月よりKochi Startup BASEにて始まった「こうち100人カイギ」。今回は、2019年3月30日(土)に開催された、vol.3の様子をお送りします。

今回の登壇者は、カウンセラー、文旦農家、ITエンジニア・・・と全く別分野の領域で活躍する方々。しかし、どなたも自身から見えている現状に違和感を抱き、自ら変化させようという強い気持ちを持っておりました。1人、また1人と登壇が進むなか、熱が伝染するように登壇者の話にも熱が入り、その想いが会場全体に伝染していくような気持ちになりました。参加したくても参加できなかった方、この方のお話が聞きたかった、など様々な方に読んでいただければ幸いです。

<こうち100人カイギ vol.3の登壇者>
※お名前をクリックすると、その記事に飛べます。

川村 祐奈 さん(Part 1掲載)

森田 久真 さん (Part 2掲載)

古味 由希 さん (Part 2掲載)

矢野 順也 さん (Part 3掲載)
横山 公大 さん (Part 3掲載)


2人目の登壇者は、学生エンジニアの森田久真(もりたきゅうま)さん。

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北海道出身。「空き家・空き山を最高にワクワクする場所へ」をコンセプトに、空き家・空き山のマッチングサービス「Vacant」を企画・開発。現在はリリース前のテスト運用を実施している。2015年、高知大学人文学部国際社会コミュニケーション学科に入学。2年次修了後に休学し、カナダトロントの企業にてWeb担当として働く。帰国後は株式会社SHIFTPLUSのエンジニアを経験したのち、学生を中心にウェブサービスの開発を企画している。


興味あることに挑戦する
森田さんは、現在高知大学4年生。北海道で生まれ、両親の営む農村留学私塾でたくさんの人と出会い、のびのびと育ち、大学進学を機に高知に訪れます。大学生でありながら、ブログで月15万円稼げるようになったり、ITエンジニアとして提携を組んだり、カナダにワーキングホリデーで滞在したりと様々な経験をしています。話を聞く中で、森田さんの「好き」や興味のあることへの探究心の高さが伺えました。

ブログを通じて
森田さんは「きゅうまがじん」というブログを、大学1年生の頃から書き続けています。内容としては、自分が学んできた中で人の役に立つと思ったことをはじめ、自分の好きなものや好きなことなども執筆し、投稿。時には、尊敬している方を訪ね、インタビューを行い記事にすることも。人にインタビューすることで、多種多様な生き方を知ることができたそう。また、記事が別の人の目に触れることで、尊敬する人のことを拡散することができ、人を応援するツールとしても使えることを学んだと話します。ブログを続けることで、自分を知ってもらうツールの一つとなり、記事を書き続けることで閲覧数も増え、結果収益にもつながり、稼ぐ手段として十分使えると身をもってしれたと話してくれました。

カナダへの留学
大学2年生でバックパック片手に初めての海外へ。旅というよりは「現地の人がどうやって生活しているのか知りたかった。」ということをきっかけに、東南アジアに向かったそう。海外の生活を体験し、次はもう少し長く滞在をしたいという気持ちが芽生え、次は1年間のワーキングホリデーへ出かけます。自然が好き、そして自らが志望している「ITエンジニア」としての技術を学ぶべく、ITが盛んなカナダ、トロントへ。はじめの4ヶ月、飲食店で働くことで、資金を貯めつつ、語学も学んだ森田さんは、この語学力を生かし、WEB制作の会社に勤めることに。もともと自然が好きでこの地を選んだこともあり、仕事の傍らロッキー山脈を毎週のようにハイキングしていたと笑います。

人の役に立つサービスを
カナダから帰国し、本格的にITの道に進もうと決意し、高知県にあるIT関連の会社「SHIFT PLUS」で長期インターンシップをすることに。その間もインターンシップとは別に、ITプログラミングを勉強できるスクールへの参加も行なっていたそう。いろんな技術に触れたい、と、今年もすでに、東京で2つの会社にインターンシップをすることが決まっています。その原動力には、世界中の人の生活に役立たれているものも全てIT技術で作られており、それ作る側になりたい、という強い気持ちがありました。

今後の展望
森田さんは今後行いたい展望のひとつとして、使われていない私有地の山を有林資産として捉え、マッチングする方同士をつなげるという「空き山シェアリングエコノミー」というプロジェクトを現在進めている最中。放置された空き山や改修出来ていない空き家など、ここ高知県にも数多く存在しています。使用したい人が自由に使え、また、使用してもらいたい人の悩みも解消できるそんなプロジェクトにしたい、と話してくれました。実際にWEBサービスを立ち上げ、少しずつ反応もあるなか、まだまだ超えなければならない準備や問題があるとのこと。しかし前向きに、今まで出会った方やこれから出会っていく方、いろんな人に協力してもらいながら今後も進めていきたいと語ってくれました。


3人目の登壇者は、mamanstyle店長の古味 由希(こみ ゆき)さん。

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越知町に実店舗と、楽天市場にネットショップを出店。主にレディースアパレルを取り扱う。商店街の顧客の減少に危機感を抱き、2008年に楽天市場に「mamanstyle」という名で出店し、10年が経つ。3年ほど前より、「人通りの少ない商店街に賑わいを!」という思いで「おちマルシェ」を年に2回ほど開催し、市内外の方に楽しんでいただいている。また、2年ほど前から「市内にも店舗があればいいのにー」というお客様の声に応えるべく、移動販売ならぬ「服の出張販売」にチャレンジ。今では高知市内や四万十市など、各地に出没している。


地域課題に直面
古味さんは越知町の商店街でご主人とともに、三代目となる「古味商店」を切り盛りしています。元々「古味商店」は田舎の雑貨屋、昔ながらのお店屋さん。古味さんが嫁いだ当初はお客さんも多くいましたが、全国的な課題である少子高齢化や地方商店街の衰退化の問題に、古味さんがお店を営む越知町の商店街も直面することに。
「さあ、どうしたものか。」と悩んだ古味さんは、楽天市場に資料請求を行います。ネット業界が盛んになってきたことをきっかけに、ネットショップ開設を思いつくのです。

なぜネットショップ?
実際の店舗を改装するには、大きな資金が必要になる。しかし、ネットショップとして行えば、間口を作るだけで初期費用もかからずチャレンジできます。また、越知町の実店舗だけだと顧客対象が限られるものが、ネットを媒体にすることで全国の人が対象となり、顧客の層が広がることも魅力に感じた古味さんは、今から11年前の2008年から、「mamanstyle」という婦人服のお店を楽天市場でオープンしました。これが、ネットブームに乗り想像していた以上に大忙しに。それから数年間、忙しい日々が続き、体調を壊すこともあったと笑いながら、当時を振り返ってくれました。

店舗もネット、いいものはどちらも
対面時間の時間が取られずに行えること、時間関係なく多くの人に購入してもらえることなど、ネット販売の良いところを知ったものの、改めて対面販売の魅力に気づいた古味さん。今度は原点に帰り、対面に力を入れてみたいと思うように。そこで5年前、補助金を申請し、店舗を改装。店舗営業と並行してネットショップも続ける中で、ネットショップを知って越知町の実店舗に来てくれる方も増え、遠くは県外から訪ねてきてくれることもあるそう。対面、ネット、双方の良いところを知り、上手く連携できていると話してくれました。

自分の店だけでなく、商店街に人を
お店は安定したものの、徐々に人が減り、廃れていく商店街。なんとかして人を呼びたい!と思った古味さんは、色々と考えた末に一つの案を思いつきます。実店舗前にあるこじんまりとしたスペースを使ってマルシェ(市場)イベントをすることに。はじめは越知町中心に、知り合いのハンドメイドのお店や飲食店の方に声かけを行い、小さなイベントとして開催。時代に合わせて情報発信はSNSを中心に。当日は閑散とした商店街に続々と人が集まってくれたと話します。中には普段訪れたこともない方も多く、イベントついでに他のお店に立ち寄るきっかけになり、結果として越知町をたくさんの方に知ってもらうことに繋がりました。3年前から始めたこのイベント、現在は年に2回春と秋に行なっています。最近では様々な方から「出てみたい」「行ってみたい」という声もいただいているとか。

やってみたいことには柔軟にチャレンジ
高知市内から買い物に来てくれる方も多い中、よくお客さんの口から漏れる「もう少し近くにお店があれば。」という言葉。その言葉に心を動かされ、古味さんは2年前から服の出張販売を始めました。出張販売を定期的に続けると定着して来てくれる方も。「越知だとなかなか行けないけど、来てくれるとありがたい。」「また来てね。」という声も聞かれるように。現在は、高知市内や四万十市に行っているので、次は東部の方にも行きたいと思っていると話します。また、フードトラックの様に服が移動するファッショントラックがあれば県外の方にも行けるので、今後はそう行った試みも考えていきたいとのこと。従来のお店で売るという服屋の在り方を、時代や顧客の言葉でできることからやってみようと今後もチャレンジしていくと語ってくれました。

【総括】
森田さんは自分自身のキャリアアップを楽しみながらプロジェクトとして実現していっている姿がとても印象的でした。
また、古味さんは「やってみたい」と思いついたことに果敢に挑戦する姿が印象的で、2人とも前向きに自分の想いや好きなことに向かって取り組んでいました。好きなことを仕事に繋げる、楽しみながら仕事をする、2人のこれからにも注目です。


(レポート:畠中 詩織)


100人カイギとは・・・
一般社団法人INTO THE FABRIC 高嶋 大介氏が「同じ会社に勤めていても、1度も話したことがない人がいる」と気づいたことをきっかけに、会社、組織、地域の"身近な人”同士のゆるいつながりを作るコミュニティ活動を始めました。 2016年六本木で「港区100人カイギ」スタートさせたのを皮切りに、渋谷区、新宿区、相模原市、つくば市、雲南市など全国各地へ広がっています。100人カイギの一番の特徴ともいえるのが、「ゲストの合計が100人になったら会を解散する」ということ。100人の話を起点に、肩書や職種ではなく、「想い」でつながる、ゆるやかなコミュニティを作ります。

お問い合わせ
Kochi Startup BASE®️
住所:〒781-0084 高知県高知市南御座90-1 高知 蔦屋書店3F
運営:エイチタス株式会社 高知支社
Mail: ksb@htus.jp
Webサイト:http://startup-base.jp/


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