見出し画像

【レポート】こうち100人カイギvol.17


地域で働く100人をきっかけに、まちの在り方や価値を再発見し、ゆるく人を繋げる「100人カイギ」がKochi Startup BASE®︎(以下KSB)を拠点として2019年1月よりスタートしています。新型肺炎の拡大により一時的に休止していましたが、オンラインイベントとして再会を遂げ、今回はオンライン、オフライン並行して行うハイブリット型のイベントとして開催しました。

『100人カイギ』のルールは1つ。
「ゲストが100名に達したら解散する」。高知で活躍するゲストを毎回5人お呼びして、生き方やその思いについて語っていただきます。

今回は、2021年2月16日に開催されたこうち100人カイギvol.17の様子をレポートします。

高知県内外、多様な分野で活動する5名の方々にご登壇頂き、それぞれが自分自身の生き方や働き方について話題提供を行い、参加者とともにネットワーキングを行いました。


オープニング、アイスブレイク

画像1

はじめに、100人カイギ、KSBの概要について紹介を行ったあと、アイスブレイクを行いました。今回も前回同様コロナ渦ということで、オフライン、zoomを用いたオンラインの同時開催。
オフライン参加の方は会場で、オンライン開催の方はブレイクアウトルームを用いて、他の参加者との自己紹介や、このイベントに期待することをシェアしました。オンライン上でも現地と同様に、ブレイクアウトルームを使って、いくつかのお部屋に分かれ実施されました。

画像2


各者各様の想い

登壇者1
植 さおりさん(高知県立高知ろう学校教諭/Mrs.of the year2020四国大会グランプリ)

SA703870のコピー

高知県出身。
愛媛大学教育学部聾学校教員養成課程で学ぶ。現在、高知県立高知ろう学校で担任兼研究部長として奮闘。生き方を変えたいと思い、今年初めて開催された「カッコいい女性」をコンセプトとしたミセスコンテスト「Mrs. of the Year2020 四国大会」に出場。グランプリ&スポンサーおりづる電気賞W受賞。Mrs. of the Year2020日本大会ファイナリスト。未来に必要とされる存在を目指して活動中。

楽しい人生に変えられる

高知県立高知ろう学校で教員を務める植さんは、障がいのある、なしに関わらず子どもたちが挑戦できるようになってほしいという思いから、子どもたちと一緒に様々なことに挑戦しています。
元々真面目な性格で、楽しんではいけないと考えて生きてきた植さん。「自分を変えて明るくなりたい」、「ろう学校のことを社会に発信することで、子どもたちに挑戦する希望を与えたい」という思いから容姿ではなく、その人の内面で評価される、『Mrs. of the year2020コンテスト』に出場することを決断しました。
結果は四国大会で優勝。続く全国大会では惜しくも結果を残すことはできませんでしたが、大会までの準備をすすめる過程で大きく成長できたといいます。
 まず、ファイナリストとしての自覚が芽生え、見た目や話し方により一層気を配るようになりました。SNSの魅せ方などは、仕事でも役に立てることができています。また、これまでの自分の真面目な働きと、応援してくれた職場の人のおかげで、仕事とコンテストの両立ができていることに気づき、周りにも自分にも感謝できるようになったといいます。
コンテストにでる前は、「自分には価値がない」と思っていた植さんですが、今では、仕事にも自分にも誇りを持つことができるようになりました。



登壇者2
内田 龍太郎さん(遠藤青汁高知センター 本社統括部長 関西支社所長)

画像4

高知県出身、高知県在住。
学生時は、ボランティア活動に目覚め、『自分が楽しければみんなも楽しい』と信じる、自己中心的な考えを持つ。その後、保育士、飲食業を経て、5年半前から現在の遠藤青汁に就職する。2年目で生産課課長を拝命後、4年目に統括部長を拝命。仕事で大事にしていることは、『結果を出す』こと。結果が全てとは思っていないが結果の出し方がわかれば何事にも意味を見出すことができ、何より楽しめるようになると信じている。


自分の想像できることは必ず実現できる

現在、内田さんは『遠藤青汁』の本社にて統括部長として働いています。『遠藤青汁』は45年前に創業し、生産から販売までを自社で行う、青汁の先駆けともいえる会社です。もともと、「薬などに頼らず健康になれるものを作りたい」という創業者の想いから誕生した『遠藤青汁』の青汁は、無農薬、無化学肥料、そして生の鮮度にこだわり、100%の青汁を届け続けています。
 そんな歴史ある会社の中で、わずか入社6年で統括部長にまでなった内田さんは、「自分の想像できることは必ず実現できる」という志をもって、仕事と向き合ってきたといいます。そのために、当たり前のことを当たり前にやることが大切、と話し、具体的に実践していることを紹介してくれました。
目的と目標を複数定め、更に、その目標に優先度と重要度をランク付けし、方法を検討。優先度の高いものからスケジューリングし、実行、そして結果を伝え、反省を行うサイクルを繰り返していきます。当たり前のことかもしれませんが、誰になにを言われようと諦めず継続していくこと、そして成果として形になるように有言実行を心がけてきたからこそ、今の自分があると話してくれました。



登壇者3
都筑 正寛さん(MASACASA TACOS / MASACASA MUSIC 代表/日高村地域おこし協力隊)

画像5

1971年生まれ。横浜市出身。
ロサンゼルスで20年、音楽製作、ツアークルー、クラブマネージャーに携わり、2018年帰国、高知移住。レコード屋、イベント、タコスで、繋がりをつくり、2019年より、 日高村の地域おこし協力隊に。日高酒蔵ホールでのカフェ経営、イベント企画を行ない、ロサンゼルスのアーティストも招喚。また、ロサンゼルスのソウルフードでもある、タコスを、高知の素材を使い、 酒蔵、キッチンカー、日曜市などで 紹介、販売を行なう。高知の伝統食、既存の文化を基に、ミックスカルチャー、音楽と食を繋ぐ形での起業、定住をめざしている。

海外で培った音楽と食からできること

都築さんは、アメリカ、ロサンゼルスで20年ほど音楽制作などを行い、長年生活していましたが、東日本大震災を期に日本に帰国。これまで培ってきた経験を活かせるものが何かないかと考えたときに思い浮かんだのは、「日本に美味しいタコスがない」という友人の言葉でした。美味しいタコスをつくるため、全国を旅していた時、たまたま訪れた高知で、可能性を感じた都築さん。日曜市の雰囲気や、高知で音楽と携わる人と話すなかで、自分の経験を活かしやりたいことがここならできると感じ、移住を決意します。
移住してからまず行ったのは、レコード屋とタコスに関連する商品を販売するお店『マサカサミュージック』をチャレンジショップ内に開店したことでした。海外で知り合ったアーティストのライブを竹林寺で実施するなど、これまでのつながりも深めながら、高知でのつながりも広げていきました。
そんな都築さんが、高知でタコスを作る理由の一つが、山間部で伝統的に生産されている『地きび』。幻と呼ばれるほど年々生産者が減っている地きびを、タコスという異文化の料理の生地に使うことで、新たな需要を増やし、高知在来の食材を次世代につないでいきたいと締めくくりました。


登壇者4
古川 ちなさん(高知大学医学科1年生)

画像6

2000年生まれ。岐阜県出身。
企業、行政、そして世界へ。病院の外で学ぶ医学生。「ミライにワンステップ」「ネッツトヨタ南国インターンシップ」「Start up weekend高知」などに参加したことをきっかけに、ビジネスの力で医療業界を変革したいと思い始める。現在は医学生のためのスタートアップイベントを作りたいと計画中。2020年4月高知大学医学部医学部入学。高知家地方創生アイデアコンテスト2020 地方創生大賞受賞。

医療×ビジネス

岐阜県から高知大学の医学部へと進学した古川さん。興味関心は医学の分野に留まらず、『高知家地方創生アイデアコンテスト2020』にも山口さんとともに応募し、見事地方創生大賞を受賞しました。この経験から、本当に必要とされているのか、というターゲットを絞る難しさや、多くの人に支えられていること、人とのつながりの価値の大きさを学んだといいます。
 そんな古川さんが今やりたいことは、医学部生向けのスタートアップイベントを行うこと。自分自身、医学部に入り、自分と向き合う機会が少ないことを課題に感じていました。一方で、ビジネスと向き合っていると「自分にはなにができるのか」、「自分にしかできないことはなんだろう」と自分や自分の将来と向き合う時間が増え、自分と同じ経験を他の医学部生にも届けたくなりました。
 新しいことにどんどん挑戦する古川さんですが、周りから否定されたり、相手にされなかったりしたことも多かったといいます。それでも立ち止まらず活動しているうちに、一緒に歩みをすすめる仲間ができました。想いに共感し、連絡をくれたことが本当に嬉しいと、力強く訴えかけてくれました。


登壇者5
山口 彩さん(高知大学地域協働学部2回生/ワンステップ編集部編集長)

画像7

1999年生まれ。香川県観音寺市出身。フィールドは土佐町いしはら。初めていしはらを訪れたとき、いしはらの自然と人と食に魅了され、絶対にここで学びたい!と強く思った。大好きないしはらをモデルにしたアイデアで、2020年度高知家地方創生アイデアコンテストに出場し、最高位である大賞を受賞。また、学生と高知の中小企業を繋ぐための広報活動を行うワンステップ編集部に所属し、SNS運用を担当している。誰かが笑顔になる瞬間を間近で見たい、自分の手で創り出したい、そんな思いを持って日々勉強中。

出会うことはチャンスをつかむこと

 「『あややん』って呼んでください!」と気さくな笑顔から始まった山口さんのお話。現在大学生ですが、学外の活動にも積極的で『ワンステップ編集部』の編集長として、インスタグラム上で高知の企業を紹介しています。他にも高知の学生を一番応援するアカウント『CASE-1』の運用、繋ぐをテーマにした『Linker』、『ミライにワンステップ』でのオンライン合説や、古川さんとともに大賞を受賞した『高知家地方創生アイデアコンテスト2020』など、非常に多く活動をされています。今でこそとてもアクティブなイメージがありますが、1年前はサークル以外には特になにもしていない、普通の大学生だったといいます。
大きな転機となったのは、コロナ禍で勇気を振り絞って参加したオンラインイベント。そこで魅力的な学生たちと出会い「このままではいけない、変わりたい」と強く感じました。出会った人を通じて、現在のような様々な活動に関わるようになったことで、一つの出会いが新しい出会いにつながり、そこでの出会いがまた次へのチャンスにつながっていくと実感。実際にそれを経験しているからこそ、これからも出会いを大切にしていきたいと言葉が続きます。最後には、今日この場での出会いも自分にとっては財産です、と笑顔で伝え、次のネットワーキングへとつなぎました。


ネットワーキング

登壇者と参加者の垣根を超え、ゆるくつながるネットワーキングの時間。
名刺交換をするだけでなく、登壇者に質問をする姿や、反対に登壇者から参加者に話を伺う様子も見られ、お互いに新しい気づきや出会いが生まれる時間となりました。オンラインの方も交流をしていただけるように、登壇者に順番にオンライン会場とつないだパソコンの前にお越し頂き、会話を楽しみました。

画像8

画像9


総括

年齢やおかれている立場も異なる5人の登壇者。しかし、今回お話頂いた皆さんは、自分の肩書きや、状況に満足することなく、成長することに貪欲に活動しているように見受けられました。ゲストトーク中に自然と拍手が沸き起こるなど、参加者の皆さんも、登壇者の皆さんの想いにとても感銘を受けている様子が伺えたように思います。オンラインの参加者も含め、あたたかく、アットホームな場になったのではないかと思います。

画像10

(レポート:檜山 諒 )

100人カイギとは
100人カイギは、一般社団法人INTO THE FABRIC 高嶋 大介氏が「同じ会社に勤めていても、1度も話したことがない人がいる」と気づいたことをきっかけに、会社、組織、地域の“身近な人”同士のゆるいつながりを作るコミュニティ活動です。2016年六本木で「港区100人カイギ」スタートさせたのを皮切りに、渋谷区、新宿区、相模原市、つくば市、雲南市など全国各地へ広がっています。


問い合わせ
Kochi Startup BASE®️
住所:〒780-0822 高知県高知市はりまや町3-3-3 GAIAビル2階
運営:エイチタス株式会社 高知支社
Mail: ksb@htus.jp
Webサイト:http://startup-base.jp/

皆様からいただいたサポートは、今後の活動・運営に使用させていただきます。