猪熊さんジャーナル

【ジャーナル】こうち女性起業家応援プロジェクト連続セミナー #8 やりたいことで起業したい女性のための『私らしさのつくりかた』


「こうち女性起業家応援プロジェクト」は、起業や育児休業後の職場復帰や再就職、移住後のキャリアチェンジ、そして、キャリアアップを目指す女性を幅広く支援するという想いから、各分野で活躍する起業家をゲストに迎えたセミナーや、生活目線から考える事業アイデアの創造に向けた学びの機会を提供し、高知の女性が自分事として取り組むことのできる新たなチャレンジを後押しすることを目指し、開催しております。

第8回目の講師は、猪熊 真理子さん(OMOYA Inc. 代表取締役社長 / 女子未来大学ファウンダー)
『やりたいことで起業したい女性のための『私らしさのつくりかた』』と題して、
起業に至るまでの経緯や猪熊さんが大切にしていること、などお話していただきました。また、今回のセミナーでは、猪熊さん自身の想いを語っていただくだけでなく、参加者とともに対話をする形式で行われました。

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猪熊 真理子さん(OMOYA Inc. 代表取締役社長 / 女子未来大学ファウンダー)

東京女子大学文理学部心理学科卒業。学生時代に女性の自信形成に興味を持ち、心理学を学ぶ。認定心理士の資格を取得。2007年(株)リクルートに入社。「ゼクシィ」や「Hot Pepper Beauty」などの事業で事業戦略、ブランドプロモーション戦略、マーケティングなどに携わる。
会社員の傍ら、「女性が豊かに自由に生きていくこと」をコンセプトに、講演やイベント、セミナーなどで女性支援の活動を行い、高校生から70代の女性まで延べ4千人を超える女性たちと出逢う。
2014年2月にリクルートを退職し、3月に株式会社OMOYAを設立。
株式会社OMOYAでは、主に女性消費を得意とした、経営・ブランドコンサルティングや企画マーケティング、組織のダイバーシティーマネージメント改革、企業内の女性活躍推進などを行う。
経済産業省「平成28年度地域創業促進支援研修」講師、「平成28年度中国地域中小企業・人材コーディネート事業」ダイバーシティ経営セミナー・ファシリテーターなどを歴任。 社会人女性の学びの場「女子未来大学」ファウンダー。
多様な価値観の多様な幸せを女性たちが歩めるような未来を目指して女性のキャリアや心理的な支援活動などを行っている。著書に『「私らしさ」のつくりかた(猪熊真理子著・サンクチュアリ出版)』


見えない想いを通訳する

最初に、ご自身の現在の仕事についての簡単な紹介と、学生時代に起業を目指した経緯を話してくれました。女性支援の活動をしていた猪熊さんですが、きちんと事業化し、ビジネスとして継続的に続くもの、且つ、自分が死んだ後も回る仕組みを作りたい、という想いを持っていたため、就職活動のときから起業することを宣言していたほどでした。

リクルートに入社し、将来的に起業を見据えていたにも関わらず、7年勤務をして退職する際に不安を覚えます。
「リクルートという会社での立ち位置がなくなったとき、自分が何も出来ない人だったらどうしよう」。

そんなとき「自分が社会の中でどんな風に役に立てるのか」を一生懸命考えました。
当時、猪熊さんがしていた仕事は、ビジネスサイドという、事業メッセージを消費者に伝えていくプロモーション戦略や営業戦略でした。
また、インサイトと呼ばれる、目に見えない、消費者の心の中にある「あったらいいな」というニーズを捉え、お客様の幸せにつながるように事業にしていくマーケティングや事業企画。
これらの“目に見えない想いの通訳”が自分の仕事、役割だと思うようになり、そんな会社を作ろうと『株式会社OMOYA』を立ち上げました。


学びの格差から生まれた事業

起業をするときには、事業内容が必要です。何をやっている会社なのか、どんな事業が出来る会社なのかが分かるように、一般的な言葉に落とし込みます。
猪熊さんの事業内容は、経営コンサルティング、ブランドコンサルティング、企画マーケティング、プロモーション事業、文化人マネージメントなど。
元々、本当にやりたいことは女性の活躍支援や推進事業だったので、今は企業の女性社員向けの研修を行ったり、女性の起業創業支援で全国を回ったり、社会人の女性向けの学びの場『女子未来大学』という事業にも取り組んでいます。

女子未来大学』は、入学金もカリキュラムもなく、毎月興味のあるテーマの授業に自由に来てもらう形式です。参加者は、10代から70代までの女性、これまでに累計1,600名以上が受講しています。
この事業を始めた経緯は、キャリアだけでなく、家庭や夫婦関係、子育て、介護、色んな学びたいことがあっても、忙しく時間がないことやお金の問題など、その人の置かれた環境によって機会の有無が生まれ、学びの格差が生まれてしまうことでした。
そこで、社会人になっても広く自由に学べる場を作ろう、とスタートさせました。
イベント開催後は内容を書き起こし、レポートを無料公開しています。その背景には、学べる場が沢山ある東京に比べ、学びの機会が少ない地方の人たちにも学びの情報を提供したい、という想いがありました。


自分らしさのヒント

参加者のチェックインを聞き、次に出た話題は「自分らしさ」について。「自分らしさ」は仕事や人間関係、恋愛などこれまで経験したことも含め、複雑で多様な要素があるため、一言で言語化できるものではない、と断言します。
最終的には「自分らしく生きられている」ということに本人自身が、満足感があるか、ないか、という違いでしかないのですが、猪熊さんは「私らしさ」と向き合う女性たちと出会ってきた中でいくつかの法則を見つけました。

ひとつは「素養=素質」です。
自分の持つ素質を100%と仮定したとき、その素質をどれくらいの割合で開花しているか、ということです。
自分らしく生きるよりも、抑圧されて、誰かの求める自分を生きようという環境に置かれると、素質を発揮できません。オープンマインドで、自然体で生きていると素質の8割、9割くらいは発揮しているような感覚が自分の中にも実感としてあるのではないか、と言います。
もうひとつは、持っている素質を良い方向に使うか、悪い方向に使うかというベクトルです。

まず「自分らしさ」に向き合うには、自分の素質に気付く必要があります。素質は、自分が当たり前だと思っていることだったりします。
誰かと比べて優劣感を感じたり、卑下するのではなく、信頼できる家族や友達が、自分を表現してくれる言葉や、褒めてくれることが素質の手がかりになります。
人生の長い時間をかけて、持っている素質をどれだけ発揮できて、良い方向に発揮できるか、ということ、自分の偏りを見つけていくのも、自分らしく生きるヒントだと教えてくれました。

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やりたいことの見極め

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