見出し画像

【レポート】「私らしさ」のつくりかた -これからの女性の幸福論- ~こうち女性起業家応援プロジェクト連続セミナー #13


「こうち女性起業家応援プロジェクト」は、起業や育児休業後の職場復帰や再就職、移住後のキャリアチェンジ、そして、キャリアアップを目指す女性を幅広く支援するという想いから、各分野で活躍する起業家をゲストに迎えたセミナーや、生活目線から考える事業アイデアの創造に向けた学びの機会を提供し、高知の女性が自分事として取り組むことのできる新たなチャレンジを後押しすることを目指し、開催しております。

第13回目は猪熊真理子さん(OMOYA Inc. 代表取締役社長/ 女子未来大学ファウンダー)。
『「私らしさ」のつくりかた -これからの女性の幸福論-』と題して、幼少期の原体験から、事業を始めるまでの経緯、そして、現在のチャレンジについてお話いただきました。

画像1

猪熊 真理子 氏(OMOYA Inc. 代表取締役社長/ 女子未来大学ファウンダー)

東京女子大学文理学部心理学科卒業。学生時代に女性の自信形成に興味を持ち、心理学を学ぶ。認定心理士の資格を取得。
2007年(株)リクルートに入社。「ゼクシィ」や「Hot Pepper Beauty」などの事業で事業戦略、ブランドプロモーション戦略、マーケティングなどに携わる。会社員の傍ら、「女性が豊かに自由に生きていくこと」をコンセプトに、講演やイベント、セミナーなどで女性支援の活動を行い、高校生から70代の女性まで延べ4千人を超える女性たちと出逢う。
2014年2月にリクルートを退職し、3月に株式会社OMOYAを設立。株式会社OMOYAでは、主に女性消費を得意とした、経営・ブランドコンサルティングや企画マーケティング、組織のダイバーシティーマネージメント改革、企業内の女性活躍推進などを行う。経済産業省「平成28年度地域創業促進支援研修」講師、「平成28年度中国地域中小企業・人材コーディネート事業」ダイバーシティ経営セミナー・ファシリテーターなどを歴任。社会人女性の学びの場「女子未来大学」ファウンダー。
多様な価値観の多様な幸せを女性たちが歩めるような未来を目指して女性のキャリアや心理的な支援活動などを行っている。
著書に『「私らしさ」のつくりかた(猪熊真理子著・サンクチュアリ出版)』


「なぜ私は生きるの?」自問する子供時代
物心ついた頃から、心や生に興味があったという猪熊さん。それは、年子の妹が死産だったという原体験から来ていると言います。妹が生きられなかったにも関わらず、自分だけが生きていい意味が分からず、自分に自信が持てなかったという猪熊さんは、小学生ながら「自分って何の価値もないんじゃないか」「なぜ私は生きるの?」といったことをずっと考えていたそうです。
そんな不安をごまかすように、勉強や習い事に全力投球の優等生として振る舞い、常に自分にプレッシャーをかけていた猪熊さん。ついに心を壊し、高校2年生の時に自律神経失調症と診断されます。しかし、その時猪熊さんが感じた感情は、「安心」だったと言います。ずっと目には見えなかった、あるかどうかも分からない「心」という存在を、心を壊したことで初めて認識することができたからです。
この経験からますます心に興味を持った猪熊さんは、心理学を学ぶために大学へと進学しました。


自分に、女性たちに、もっと自信を!
大学ですぐに心理学の世界のとりこになった猪熊さん。もっと心の正体を知りたい、私らしさとは何か知りたい。そんな探求心をもとに、ボランティアや読者モデルなど、やりたいことは何でもやりました。しかし、そうして動いていても、どこかで人と比べて劣等感を感じていたり、周りの目を気にしていたりする自分がいることが嫌でたまらなかったとか。
そんな時、ふと周りを見渡すと、自分と同じように自信を無くした女性がたくさんいることに気付いた猪熊さん。

-自分に自信が持てず、悩みを抱える女性たちの力になりたい!

そう考え、自分の想いをブログで発信していくうちに、就活生やキャリア形成に悩む女性を対象とした講演会やイベントに呼ばれるように。人前で話すうちに考えが整理され、だんだん自分に自信が持てるようになってきました。
そして、イベントを通してたくさんの女性に出会う中で、「女性が自信を持って、自分らしく豊かに自由に生きられるようサポートすること」こそ自分のやりたいことだと確信した猪熊さん。それを継続性のある仕組みにするために起業を志し、ビジネスモデルを学ぶための修業先として、リクルートに入社。『ゼクシィ』『Hot Pepper Beauty』など女性向けの事業に携わり経験を積んだ後、2014年3月に株式会社OMOYAを設立しました。

画像2

画像3

女性たちの輝く瞬間を求めて
会社名のOMOYAには、想い屋・思いやり・母屋(帰ってくる場所、中心、母性)などたくさんの意味が込められています。OMOYAの願いは、目に見えない“想い”を通訳し現実にすること。そして、女性たちが持つ“母性”としての 「生み出す」「育む」「受け入れる」力や、女性ならではの視点や感性を、社会全体の価値に昇華させ、日本の“中心”で最大化させること。
それらを実現するための事業として、企画・プロデュースやコンサルティング、女性活躍推進のための研修などを行っています。さらに、女性たちのポテンシャルを社会へと生かしていくための学びの場である「女子未来大学」も猪熊さんが手がける事業の一つです。今まで約1,500名もの女性たちの豊かで自由な人生づくりを支援してきました。

-女性の目がキラキラする瞬間が、すごく嬉しいんです。

自身の原動力について、そう語った猪熊さん。苦悩の先に見つけた自分の使命を果たすため、これからも悩める女性たちに寄り添い続けます。

画像4

画像5

ゲストとの対話ワーク
次に参加者が一人ずつ、自己紹介とこの場に来た理由、抱えている悩みを共有し、猪熊さんが解決のヒントとなる考え方を解説する対話ワークを行いました。

画像6

画像7

画像8

例えば、「漠然とした不安を持っている」という悩みについて、「何に対して不安なのか」をキーワード化し、現状から「変わるもの」と「変わらないもの」を整理することで、自分が何に一番不安を感じているかが明確になるというアドバイスをいただきました。
また、自分らしさとは、自分が“腹の底から”信じている理想や美学のことであり、それは世界中で自分しか持っていないオリジナルだというお話もして頂きました。その言語化は簡単にできるものではないけれど、自分なりに整理しておくことが大切だと語ってくださいました。

このほか多くのアドバイスや思考法を語っていただき、参加者は真剣に聞き入っていました。この対話ワークによって、思考が整理されたり、悩んでいたことへの対処法が見えてきたりした参加者も多かったように感じました。

総括
自分に自信がなかったからこそ、今は同じ悩みを持つ女性たちの力になれる。そんな猪熊さんの言葉や振る舞いに、悩みを抱える参加者の方々も勇気づけられたのではないかと思います。
今回は対話ワークに多くの時間を使い、参加者一人一人の抱えるモヤモヤにしっかりと耳を傾ける中で、現状を打開したいという想いをひそかに持った女性たちが高知にもたくさんいることに気付き、改めてこの場の重要性を感じました。

(レポート:陶山智美)


お問合せ
主催:Kochi Startup BASE®
事務局:エイチタス株式会社 高知支社
住所:〒781-0084 高知県高知市南御座90-1高知 蔦屋書店3F
Mail:ksb@htus.jp
Webサイト:http://startup-base.jp/

皆様からいただいたサポートは、今後の活動・運営に使用させていただきます。