見出し画像

【レポート】こうち観光実践しゃべりば#12 ~祭り・イベントを活用した持続的な観光について語り合おう~

第12回目のテーマ「祭り・イベント」

『こうち観光実践しゃべりば』は、観光に対する自身の活動や想いを語り合い、自分たちで気づき、認め合い、応援することで、高知の観光に緩やかなつながりを生み出す場です。
講師の話を聞くのとは異なり、参加者同士で話し、見つめなおすことで、明日から使える、より実践的な学びを提供します。

今回のテーマは、祭り・イベント。ここ数年のうちにますます日本を訪れる外国人観光客が増加していくと考えられている中で、「日本らしさ・地域らしさ」が感じられるお祭りや地域色のあるイベントは、重要な観光資源の一つとして注目されています。

高知のビッグイベントといえばよさこい祭りですが、その他にも土佐の三大祭りをはじめとする秋祭りが各地で開催されており、その際披露される神楽や神輿などの伝統芸能も数多く残っています。

また、土佐の「おきゃく」やどろめ祭りなど高知ならではのイベントや、日曜市に代表される毎週開催の路上市などの定期イベントなど、大小含めると、高知県で開催されている祭り・イベントは非常にたくさんあり、観光資源としての期待感は十分に持てます。

今回のしゃべりばでは、そんな高知の祭り・イベントにスポットを当て、地域の伝統を保ちながらも持続的な観光資源としてお客さんを呼びこみ、経済を回してもらうためにどんなことができるかを、自分事として語り合い、ともに考えていきました。

画像1

地域の祭りは、満足度の高い観光のカギ⁉

チェックインの後、まずは日本における観光の現状と、祭り・イベントの観光資源としての可能性、そして高知県で取り組む意義について理解しました。

前回のしゃべりばでも確認したように、近年はインバウンド(訪日外国人旅行者)の増加が続いており、日本の観光を支える欠かせない存在となっている一方、旅行中の消費額は減少傾向にあることも分かってきています。

それは、何度も日本を訪れるリピート客が増え、東京や京都で爆買いするようないわゆる“王道”の観光をする人が減ってきたためです。
このような中で外国人が足を延ばし始めているのが、高知のような地方です。

「モノ消費」から「コト消費」へとトレンドが移る中で、地方ならではの体験・交流を求めてやってくる観光客の期待に応える方法の一つとして、そこにしかない・そこでしかできない体験(キラーコンテンツ)を提供するというやり方が考えられます。

そうすると、“祭り”というものは、その地域にしかない歴史や伝統文化、人との交流を分かりやすく伝えるツールとして機能させることができるのです。

参加者は説明の中で、
「神道やお遍路などの西洋と異なる宗教観が外国人には面白く感じられるのではないか」
「高知にも多様な民族芸能があるが、リスト化されていないのがもったいない」
など、それぞれが感じたことを共有しており、開始から盛り上がっていました。

画像2

高知県には、どんな祭り・イベントがあるだろう

インプットの後、各参加者が持っている情報をもとに、高知県内で開催されている祭り・イベントをリストアップしました。

神楽や神輿など伝統の神事が執り行われるような古くからある祭りや、日本酒やどろめなど高知らしいものがメインテーマのイベントなど、一覧にしてみると多様な祭り・イベントが開催されていることが分かり、「高知に住んでいるのに全然知らなかった」と参加者たちは驚いていました。

また、挙げていく中で
「ネットで調べても中々出てこない。市町村のホームページまで調べないと情報に行きつかない」
「地域の人だけでひっそりと開催してしまっているが、初めて高知を訪れた人にも分かりやすいように、データベース化・コンテンツ化したほうがいい」
「積極的に外部に開いていったほうが、後継者のいない中でのにぎわい創出につながるのではないか」
といった鋭い気づきも多く飛び出していました。

画像3

画像4

自分にできることを見つけよう

最後に、参加者それぞれが自分にできることを考え、共有しました。
次への具体的な一歩を考えることができ、しゃべりばでの議論が自分事としてしっかり吸収されていることが伺えました。

以下のような「やりたいこと」が挙がりました。

‐文化が見世物になることに抵抗がないわけではないが、存続させる手段の一つと捉えることができたらと思った。
高校生など地域の子どもたちを巻き込んで取り組むのもいいかもしれない。

‐よさこい振興に関わっているので、よさこいをインバウンド向けに提供できるような観光商品を考えたい。
また、浄瑠璃、三味線など日本文化に触れる機会作りも、子どもたちを絡めながらやっていけたら楽しいと思う。

‐祭り・イベント情報のリスト化を実現させたい。
そのために、行政に予算申請したり現地の協力者とのネットワークを作ったりすることに取り組んでいきたい。

‐外部の人は祭り・イベントに価値を感じているのに、主体者が感じていないことがもったいない。
運営する人と発信できる人、価値を感じている人が集まり、考えを共有する場を設けたい。

たくさんの気づきや発見を活かし、目標実現への取り組みを参加者みんなで進めていければ、と強く感じました。

画像5

画像6

※総括
今回は高知県にある観光資源のリスト化という新しい試みをしてみましたが、非常に盛り上がり興味深い発見も多くあったので良かったと感じています。
文化は地域の特色をよく表すので、とても面白い、何とか生かしたいと考えている参加者が多く、そのためにできそうなことをみんなでしっかり考える時間にすることができました。
しゃべりば番外編として、観光情報のデータベース化やコンテンツ作成にもチャレンジしてみてもいいかもしれないと、しゃべりばとしても新たな可能性を感じました。

(レポート:陶山)

問い合わせ
Kochi Startup BASE®
住所:〒780-0084 高知県高知市南御座6-10 高知蔦屋書店3F
運営:エイチタス株式会社 高知支社
Mail: ksb@htus.jp
Webサイト:http://startup-base.jp/

皆様からいただいたサポートは、今後の活動・運営に使用させていただきます。