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こうち観光実践しゃべりば#21 ~コロナを乗り越える!高知の観光×食を考えよう~


第21回目のテーマ「Withコロナにおける高知の食×観光」

『こうち観光実践しゃべりば』は、観光に対する自身の活動や想いを語り合い、自分たちで気づき、認め合い、応援することで、高知の観光に緩やかなつながりを生み出す場です。
講師の話を聞くのとは異なり、参加者同士で話し、見つめなおすことで、明日から使える、より実践的な学びを提供します。

今回のしゃべりばでは、『食』を通じた観光振興にスポットを当て、コロナ感染リスクの軽減を図りながらどう高知の食産業と観光を盛り上げていくか、自分事として語り合いました。


高知の食と今のトレンドとのマッチング

チェックインの後、高知の食にまつわる資源を簡単におさらいしたうえで、コロナ禍の中で今トレンドになっている食分野のキーワードと照らし合わせ、高知の食にどんな強みがあるかを考えました。
健康を意識するようになった消費者が、食生活を見直すことで“ゆるベジ”(セミベジタリアン)という分野が出てきていたり、ハラールなど多様な食文化に合わせた対応が求められていたりする中で、高知産の豊富な野菜や山菜を使った料理は相性が良いのではないかという意見が出ました。
また、自宅で旅行先の食材を味わいながら参加するオンラインツアーが紹介され、参加者は「高知でもオンラインでどこまでできるか追及してみたい」と次の展開に期待を寄せていました。

※ハラールは、イスラム法で許された項目をいう。端的にはイスラム法上で、行って良い事や食べることが許されている食材や料理を指す。日本語に訳すと、「合法的にある法律に基づいてやる事」という意味となる。なお、日本では「ハラル」と書くことも多い。                 以上、Wikipediaより引用

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コロナで変わった食環境-“非接触”と“交流”の両立を考える

続いて、岡林コーディネーターから「コロナ禍中の観光を考える上で、“非接触”が重要である一方で、観光の大きな楽しみは“交流”“ふれあい”である」というインプットを頂きました。この相反する2つの要素をどう両立させていくか?ということを考えながら、コロナで食環境が変わったと思うことを全員で考えました。
田舎寿司をみんなで作る体験を企画していたという方は、やはりコロナ以降体験してもらうことができなくなってしまい、食文化の魅力や地域の人との交流の機会が減ってしまったことを悔しく感じられているようでした。皿鉢料理も高知の食文化を象徴するものですが、今は大皿をみんなでつつくということができないので、「本当に楽しめているのかな?」と思ってしまうという方も。それについては、本物の皿鉢を見本で見せながら楽しんでもらうと良いのではないか、という意見が出ました。

一方で、感染対策に完全に配慮した形で伸びている分野は、“一人焼き肉”や“一人お好み焼き”“一人バーベキュー”といった、これまで一人では行きにくかったけれど本当はのびのびと楽しみたかった食事や、あるいは半製品として自宅に届き、家族で仕上げ作業を楽しむ食べ物といったものが挙げられました。体験を通して非日常感や贅沢気分を味わうことが、お客さんのニーズとしてあると考えられます。
いずれにせよ、ただ食べるだけではないのが観光食であるということを再確認し、『密』や接触は避けつつも、非日常や人とのつながりを感じられるプログラムを組むことが一つの目標として浮かび上がってきました。

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高知でできることを考えよう

学びを踏まえ、今後伸びる可能性のありそうな高知の観光食や食体験を考えてみることにしました。
まずは、普段食べることのない高知の伝統野菜や川魚を、もっと色々な調理法で楽しんでもらいたいという意見が出ました。そこで、定番の食べ方ではなく海外の食材や調理法とマリアージュさせるのはどうかというアイデアが挙がり、盛り上がりました。来てくれるお客さんの出身地にゆかりのある料理を作ったりすることができれば、喜んでもらえるのではないでしょうか。
また、お遍路文化があるのに、神社仏閣に関連した伝統料理を食べられるところが意外と少ないという意見も出ました。それに対して参加者からは、地域によっては『お接待』という、地元の方がお遍路さんに食事をふるまう風習を毎月開催しているところもあるという情報が。お坊さんの講話を聴き、地域住民との交流を楽しみながら伝統の食事を食べるという文化を、観光客も体験できるよう工夫していく必要があるということが分かりました。
別の方からは、加工する前の採れたままの食材を、そのまま見せるのもライブ感があって盛り上がりそう、という意見が出ました。掘りたてのショウガや丸ごとのりゅうきゅうなどは見た目にとても迫力があったり、四方竹をポキン!と折る音が食事のおいしさに花を添えたりするように、五感に訴えかける食というのは感動に繋がりやすいよね、という言葉には会場中共感した様子が伺えました。
体験×食と言えば、高知ではかつおの藁焼き体験が定番ですが、土佐あかうしやジビエを藁焼きするのも良さそうなど、色々なアイデアが出てきました。
そうした素材の魅力をしっかり見せるのも大切である一方で、その魅力に頼りすぎて『そのまま』を出しがちなところは、高知の食の課題として挙げられました。一ひねりして、観光地で手軽に食べ歩けるおやつにする、すごろくのようなゲーム要素を取り入れて地元のアルコール類を楽しんでもらうなど、観光を意識した食べ物をもっと開発しても良いよね、という意見も出ました。

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ジブンゴト宣言

最後に今回の学びや気づきを踏まえ、参加者一人一人が、明日から自分が取り組んでみたいことを発表しました。
-E-バイク(電動アシスト付きスポーツバイク)を使った観光に取り組み始めたので、これまではおすすめの飲食店を紹介するだけだったが、今後は観光客と一緒に高知の美味いもの案内をしていきたい
-オンラインツアーに挑戦してみたいので、まずはやり方を勉強したい
-ただ食べるという以上に、ワクワク感が大事だと分かった。高知は生活の中にある食をそのまま見せても十分に面白いと思うので、「りぐらん(凝らない)感じ」の観光食を考えたい
-観光客とのつながりを深められるような民間の観光案内所を作りたい

情報交換やアイデアを出し合った際、それぞれの心にひっかかった気づきがあったようで、それを次の行動への起爆剤にしていただけていたようでした。集まったしゃべりばの仲間と相談し合いしながら、実現に向けて動いていっていただければと思います。

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※総括

参加者それぞれの取り組みや経験、感じ方をもとに、様々な角度から高知の食を見つめ直すことができました。コロナの影響で自然体験や健康に対する志向が高まっている一方で、「贅沢したい」「人と交流したい」といった欲求も確かにあることを確認し合い、そのニーズに合う高知県観光とは何か?ということを参加者それぞれがしっかり考えていました。他者の意見から新たな気づきやアイデアをたくさん得たという参加者が多く、しゃべりばで議論することの面白さを感じて頂けたように思います。


(レポート:陶山 智美)


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