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【レポート】こうち観光実践しゃべりば#4 〜どう盛り上げる?高知の食×観光〜

「こうち観光実践しゃべりば」は、「高知県が好きだ」「高知の観光を盛り上げたい」「観光業にかかわってないけど、観光について語りたい」といった人々が集い、観光に対する自身の活動や想いを語り合う場です。
意見交換を通して新たな着想を得たり、互いを認め合い応援したりすることで、高知の観光に緩やかなつながりを生み出すことをねらいとしています。
講師の話を聞くのとは異なり、参加者同士で話しながら、自分の想いを見つめなおすことで、明日から使える、より実践的な学びを提供しています。


第4回目となる今回は、『どう盛り上げる?高知の食×観光』と題して、特産品やご当地料理、食文化など、観光資源として重要な立ち位置を占める高知県の「食」と、観光を絡めてどんなことができるか、皆さんとともに考えました。

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高知県の食についての全国の現状
まずは、観光地としての高知県の食の現状について確認しました。じゃらん宿泊旅行調査では国内旅行で高知を選んだ理由「食・特産品に興味」1位。都道府県魅力度ランキング「地元ならではのおいしい食べ物が多かった」2位(1位6回、2位2回)と観光者からすると食に対しては満足度の高い結果となっていました。その後、参加者の皆さんには「高知の食といえば」という話題に。
それぞれが思いつくものを挙げて、高知の食をイメージしてもらい、その後「芋天」と「田舎寿司」を例に挙げ、観光客にとって「この差はどこから生まれるのでしょう?」と疑問を投げかけ、考察していきました。
「芋天は手軽さがあり食べ歩きができるが、田舎寿司は一パック食べてしまうと他のものが食べられず手軽さがない」「田舎寿司は地元の人向けに作られており、日曜市でも午前中のうちに売り切れてしまう」など同じ日曜市で買える食としても購買層や購買形態によって違いが出ることがわかりました。

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外の成功事例を通して考える
2つ目のワークでは、海外や国内の成功事例を通して、高知ではその事例をどのように活かせるかを話していきました。成功事例のひとつである石川県金沢市においては、食の魅力度ランキングで常に上位。またブランド化された特産品が多いということでした。高知と比較した際、高知に足りない部分としては「食事をする際の魅せ方(器の使い方、特産物の調理の仕方など)があるのではないか」という意見から、高知らしい食の魅せ方についての話になり、参加者同士で、高知の中にある事例の情報交換も行われました。
またミシュランガイドについては日本でも都内や北陸ではミシュランの本が出版されるような飲食店がありますが、中四国にはありません。
高知は食材が豊かで魅力ある反面、職人の技術向上があとまわしになり、必要性に迫られにくい現状が考えられます。そのため、飲食店のサービス向上や工夫を凝らした食の技術への向上への熱意につながりにくいのでは、という見方もあるということでした。
 
自分の体験から考える 
-自分なら、旅先でどんな「食」にお金を払いたいだろう?-
-自分が旅行者なら高知に来て食を通してどんな体験をしたいだろう?-

3つ目のワークでは自分なら、旅先でどんな「食」にお金を払いたいだろう?ということを話し合いました。
食のおいしさはもちろんですが、視覚的に楽しめる工夫や、接客などサービスの質を感じたとき。また食にまつわるガイドや収穫・作成過程が楽しめる体験型の観光は実際に満足感が得られたとき、とのことでした。
そして「自分が旅行者なら高知に来て食を通してどんな体験をしたいだろう?」という問いに関しては、やはり前の質問と同じように考えることが多くあがりました。高知の魅力である自然を生かしたアクティビティーを一緒に行ったり、高知らしい人情味あふれる人柄を活かした接客のなかで高知の食を楽しんでもらったりなど。
成功例として「土佐のおきゃく」というイベントがどうして受け入れられたか、なども検証し、今後に生かしていく必要性もあるのではないかなど様々な意見が聞かれました。
加えて、ガイドの技術についてもただ高知の魅力を伝えるだけではなく、観光客それぞれがそのとき何を必要としているか、どのようなサービスを求めているかをくみ取り、案内する技術(非認知能力のような人とうまくかかわる力、感情のコントロール力など)が必要になってきているのではないかといった声も聞かれていました。

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自分にできる関わり方を考える
最後に、参加者一人一人が、これからの活動に食と観光をどう結び付けていくのかを感想を交え考えました。
高知はおいしい食材がたくさんある反面、職人が育たず、地元の人たちの食へのアピール力も持続しづらい。その中で高知の魅力ある食材を活かそうと努力し伝えようとしている料理家や地元の人たちもたくさんいる。そういう人たちと観光に携わる様々な職種の自分たちがどのように連携を取り、魅力ある食を伝えていくのか。
しゃべり場のようなコミュニティを通じて情報交換を行い、連携をとることで、高知らしい食の伝え方があるのではないか、とそれぞれが自分事として今後の仕事や生活の中でどう関わっていくかを話し合いました。

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総括
高知県は「食」が大きな魅力の一つであると言われています。しかし実際に観光と結び付いているのだろうかという仮説のもと、今回のしゃべりばでは客観的なデータを改めて検討していきました。
現在の高知のご当地グルメや観光業界のデータを見ていくと、高知県の「食」が必ずしも高評価ではないことがわかってきました。どの検証においても参加者からは、「食材は一級品だが、それに胡坐をかいて加工や見せ方に手を抜いている感がある」といった気づきが挙げられていました。
他県や海外の「食」による観光振興の例を参考に、高知県はどのような方向性で「食」の良さを売り出していけばよいかについて話し合い、最後に自分事として旅行者の立場に立ったり、高知の良さを知っている自分たちだからこそできることを思い返したり、今回も一人一人に多くの気付きがあったようでした。

月に一度の定期開催ということで参加者同士の関係性もかなり深まってきたようで、この集まりをきっかけに新しい挑戦が生まれる可能性もあると、今後の期待が高まった今回のしゃべりばでした。

(レポート:公文順子)


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