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【レポート】こうち100人カイギvol.12 ~常識にとらわれない~


地域で働く100人をきっかけに、まちの在り方や価値を再発見し、ゆるく人を繋げる「100人カイギ」がKochi Startup BASEを拠点として2019年1月よりスタートしています。
ルールは1つ。「ゲストが100名に達したら解散する」。
高知で活躍するゲストを毎回5人お呼びして、生き方やその思いについて語っていただきます。


今回は、2020年2月12日に開催されたこうち100人カイギvol.12の様子をレポートします。

高知県内外、多様な分野で活動する4名の方々をお呼びし、それぞれが自分自身の生き方や働き方について話題提供を行い、参加者とともにネットワーキングを行いました。


オープニング、アイスブレイク

はじめに、100人カイギ、KSBの概要について紹介を行ったあと、毎回恒例のアイスブレイクを行いました。今回は「最近よく聴く音楽」というお題で、3人一組で自己紹介。はじめて話す人同士でも、時間めいっぱいまで話をしている方もいらっしゃり、場は盛り上がりました。
アイスブレイク後は、早めの休憩。ビバ沢渡茶さんのお茶を飲みながら、談笑する参加者の姿も見られ、とても和やかな雰囲気でした。


各者各様の想い


登壇者1
難波 佳希さん (とさ自由学校 体験学習コーディネーター/難波ファシリテーション事務所 代表)

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1993年6月生まれ。岡山県美作市出身。学生時代、国際NGOユースに所属し、社会変革のためのワークショップをキャンパス内外で実施。「対話」に興味が湧き、高校生、大学生、社会人の対話の場を創出。大学4年時に、難波ファシリテーション事務所を設立し、多種多様な研修・ワークショップのファシリテーターを務める。同事務所の運営の傍ら、学校法人日吉学園にて自然体験学習中心の私立小学校「森の小学校 とさ自由学校」の立ち上げに参画し、カリキュラム開発、採用、広報、行政への認可申請、地域連携、校舎設計等の小学校設立全業務に携わる。2019年4月より開校し、日々子どもたちと遊び、学んでいる。KOCHISTRATUPPARKサブコーディネーター、Kochi Startup BASEアンバサダーも務める。好きなことは、サッカー、お酒、読書。


どんな自分でありたいか

 難波さんは、学生時代に人と対話することで得られる気づきや喜びを知り、大学4年生の時に『難波ファシリテーション事務所』を立ち上げました。その活動に加えて、現在は『とさ自由学校』の職員としても活躍され順風満帆に見えますが、困難に直面することもあるといいます。そんなときは常に、「Why are you here?(なぜ、いま、わたしはここにいるのか。)」と自分に問いかけています。どうして自分は今ここにいるのか、本当にそれは自分のやりたいことなのか、と考えるためです。
続けて難波さんは「使命」という言葉についても語ってくださいました。使命とは自分の「命」をどのように「使」うかということ。「自分が生きた」といえるために、命という時間を何に対してどのように使いますか。と参加者にも問いかけていました。


登壇者2
道野 勇輝さん (高知大学 農林海洋科学部 海洋資源科学科 海洋生物生産学コース 3回生/学生経営BAR Cu・Cu・Tana 代表)

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1998年生まれ長崎県出身。高知大学で海洋について学びながら、学生・若者が集まり夢や希望を語り合うことが出来る場所を作りたいという思いから、2019年9月2日に帯屋町でBARをオープン。BARに来ていただいた方や地域に活気を生み出そうというコンセプトのもと営業をしている。お店では学生に将来について早い段階で考えるきっかけを作りたいと思い、毎月社会人の方をお呼びしてトークイベントを行っている。その他、お店の認知度を上げるため11月29日にYoutubeチャンネルを開設。出来ることは何でもしようというメンバーとの共通認識のもと様々なことに挑戦しようと思っている。

恐怖心を超え山の頂上を目指す

 学生でありながら、バーを経営する道野さん。そのことについて「すごいね!」と声をかけられることも多いそうですが、それは学生が普通やらない事をやっているからではないかと感じています。学生がバーを営むことは遠くから見ると、とても到達できない高い山の頂上のように思えます。しかし、ひとつひとつを分解すると、それほど高いハードルではない、と言います。
同じ学生と話すと、「高知には何もない」とネガティブに捉える人が多かったり、当たり前の価値観から抜け出すことに恐怖心を感じていたり、リスクや失敗した時のことを考えて行動できないという声も聞こえます。しかし、失敗したらそれを踏まえてまた挑戦すればいいと思う。と前向きな道野さん。「今は夢がない人でも、何か小さなことでも挑戦することで視野が広がるのではないか」と、伝えました。


登壇者3
森田 将之さん (農業個人事業主【ピーマン農家】)

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ものごごろついてから、24歳まで野球に明け暮れる日々を過ごす。学生時代はプロになれると思って続けていたが、年齢を重ねるごとにプロの世界で活躍する事が困難かと思い始め、24歳に左膝の靭帯断裂を理由に現役を引退。その後2.3年は、自分が生活するためだけのお金を稼ぎ、仕事に没頭する事もなく、何かを目指す事もなく、ただただ何となく日々を過ごす。26歳の冬、京都で営業マンをしていた時に父から電話があり、実家の高知に帰ることを決意。それと同時に家業の農家を継ぐことに。その1年後、父は他界。農業経験一年足らずで、経営から生産までを任され、今年3年目の春を迎える。

動くことで成長していく

3年前、森田さんにはたくさんの出来事が起こりました。父親の死、自身の結婚、子どもの誕生、そして父親の行なっていたピーマン農家の継承。立て続けに起こる出来事は、当時の自身に重くのしかかっていました。そんなとき、地元の農業の先輩との出会いや、ある講演会で聞いた「とにかく動け」という言葉が、森田さんの人生に大きな影響を与えます。
「行動を起こすことで、何らかの結果がおこり、それに応じて修正をしていけばいい」その話を聞き、これまで動くことの大切さを分かってはいたものの、自分に言い訳をして一歩踏み出せなかったことに気づきます。それから意識して瞬発的に行動すること心掛け、少しずつ自分が変わっていくのを感じました。子どもが大人をまねて行動し、どんどん成長していくように、大人も行動することでどんどん成長していけると思う、と力強く語ってくれました。


登壇者4
横田 明依さん (現役JK)

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2002年生まれ、高知県出身。今、高知で最も大人を巻き込んでいるJK。高知大学起業部に所属。昨年10月に参加した起業体験イベント「Startup Weekend」で人生が変わる。人と繋がることや、何かを共有し創造する楽しさを経験し、学校では誰も教えてくれない「学び」の楽しさに気づく。「学校」以外の場所で、高知の高校生が社会と関わるためのハードルを下げる仕組みを創ることが目標。


「変わらない」ではなく「変えていく」

「Startup Weekend」や、「TOSA EDUCATOR’S GUILD」など、学校以外のコミュニティにも積極的に関わっている横田さん。そんな横田さんが強く感じているのは、「学校は変わっていくべき」ということ。世の中が日々急速に変化し、多様化しているにも関わらず、凝り固まった価値観を持ったままの学校や教員も少なくないといいます。例として、一般に持ち込み不可とされている漫画から、生きていくうえで多くのことを学んだ自身の経験を語り、持ち物に関する校則も本当に必要かどうかは学習者自身が考えるべきではないか、と提案します。
 そして、「変わってくれない」ことを嘆くのではなく、気づいた自分たちで、「変えていく」ことで、同じ価値観を持った同年代の人と関わり合える関係を高知に作っていきたい、と力強く語ってくれました。


ネットワーキング

登壇者と参加者の垣根を超え、ゆるくつながるネットワーキングの時間。それぞれ芝生の上で円になって、ゲストトークの中で気になったことや、自分自身の関心ごとや悩みなどを自由にお話されていました。

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総括

今回登壇いただいた4人の方は、肩書や立場における「当たり前」にとらわれず、自分自身の想いに耳を傾けながら、行動を起こし続けているように思いました。参加者の皆さんもネットワーキングの時間では積極的に話かける姿が見受けられ、登壇者の思いが参加者の皆さんにも届いている様子でした。私もネットワーキングに参加し、参加者の皆さんも何かしらの想いを持って100人カイギにいらしてくださっていることを改めて実感し、ここから生まれる新たなつながりにとてもワクワクした気持ちになりました。今回は急遽4人のゲストを迎えての100人カイギとなりましたが、より濃密なお話が伺える、素敵な時間になったのではないかと思います。

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(レポート:檜山 諒 )


100人カイギとは
100人カイギは、一般社団法人INTO THE FABRIC 高嶋 大介氏が「同じ会社に勤めていても、1度も話したことがない人がいる」と気づいたことをきっかけに、会社、組織、地域の“身近な人”同士のゆるいつながりを作るコミュニティ活動です。2016年六本木で「港区100人カイギ」スタートさせたのを皮切りに、渋谷区、新宿区、相模原市、つくば市、雲南市など全国各地へ広がっています。

問い合わせ
Kochi Startup BASE®️
住所:〒781-0084 高知県高知市南御座90-1 高知蔦屋書店3F
運営:エイチタス株式会社 高知支社
Mail: ksb@htus.jp
Webサイト:http://startup-base.jp/

皆様からいただいたサポートは、今後の活動・運営に使用させていただきます。