凱旋門賞に挑戦する日本馬4頭

これまでの日本調教馬

日本調教馬が2着したのは1999年エルコンドルパサー、2010年ナカヤマフェスタ、2012、2013年オルフェーヴルの4回。
5着以内でも2013年4着のキズナ。
いずれも重馬場より悪い馬場。

良馬場では2014年6着のハープスターが最上位。
もっとも、この年はスローペースで後方待機のハープスターやゴールドシップには不利な展開。
ゴールドシップがいつもまくって行くタイミングで前のペースが上がったので追走に脚を使って追いつけなかった。
ハープスターは直線で外に膨らみ過ぎてしまったのが痛かった。
上り最速だったのでまっすぐに走れていたら2,3着はあった。

2015年以降は5着にも入れていない。

大きな要因の一つはロンシャンの重馬場だ。

日本馬の好走は重馬場の方が多いのになぜか?

好走した馬の馬体重はエルコンドルパサー472キロ、ナカヤマフェスタ462キロ、オルフェーヴル464キロ、キズナ480~500?

サトノダイヤモンド、キセキ、ブラストワンピース、ディアドラ、ディープボンドは全て500キロ以上。

ロンシャンの地盤は粘土質のため重馬場になると馬体重が重い馬に不利になる。
良馬場のフォワ賞を勝てたディープボンドが重馬場で全くだめだったのはそのためだ。
日本のGⅠ馬3頭が凡走した2019年の不良馬場で勝ったヴァルドガイストは420キロ位の馬だ。
2017年の映像を見れば日本のトラックでは大きなストライドのサトノダイヤモンドが走りづらそうに小走りになっているのがわかる。
日本馬だけでなく去年のアダイヤー(大型馬でおそらく500キロ級)もスローで展開が向いたのにラスト1ハロンの失速が大きかった。

480キロのフィエールマンやクロノジェネシスは何故凡走したのか?

フィエールマンは内枠で好スタートを切ってしまいそのまま先行し気づいたら1400m通過1分27秒79のハイペースに巻き込まれていた。
良馬場のレースレコードの時でさえ1400m通過は1分26秒31。
重馬場のエルコンドルパサーの年が1分30秒で2012年が1分31秒91、2013年は1分31秒53、2021年が1分34秒52。
以下にハイペースだったかがわかる。
フィエールマンだけでなく、逃げたガイヤースだって勝ち馬から33馬身差の10着に沈没している。

去年のクロノジェネシスは外枠で外ポツンしていたのが響いた。
凱旋門賞の前日は内側をカバーして開催しているのでクロノジェネシスが走った辺りは前日もレースで馬場が傷んでいた場所。
あれで体力を消耗した。
ゴールデンホーンの真似をしたのだがあれは良馬場で傷みが少なかった年。
奇をてらわずに最初から馬群に寄せていれば違う結果になっただろう。

重馬場か?

競馬場の天気予報はMyweather2で確認している。
今週は週中に少し雨が降って土曜に約28.5ミリの雨が降るとの予報が出ている。
日曜は雨はなさそうだが曇りがちで最高気温は18度。
Soft~VerySoftになると思われる。

ドウデュース

ハーツクライxヴィンディケーション
武騎手のニエル賞後のコメント
「結果はちょっと残念でしたが、本番に向けての追い切りを兼ねたスクーリングという意味合いもあり、まだ全力を出せる状態ではなかったと思います」「体重計がないので正確にはわかりませんが、ダービーとの比較で40キロ近く太い感じでしたからね。最後は少し脚が上がってしまいましたが、そこは逆算して調整しているので状態は当然上がってくるでしょう」

友道調教師のコメント
『30キロも40キロも太いという感じではなかったけどね。こちらを出発するときの体重はイメージ通りだったし、輸送でそれなりに減ったとも思うから。ただ、のんびりとした馬でもあるし、シャンティイの静かな環境の影響もあったかもしれない。見た目では言えば、お腹回りでひと皮分。これくらいは太かったという感じ。
1週前はリオンの坂路でマイラプソディを追いかける形の調教。しっかりと負荷をかけることができたと聞いている。本来、ウチの厩舎はレース週の追い切りでそこまで攻めないんだけど、これ以降の状態、馬体の変化を見て、どのようにするかを考えるつもり』

実際は10~20キロ増ということでしょうか。

そして重要なのが次のコメント
「馬場を気にしていたとのコメントもありました」という質問に対して、
それは雨馬場でなく、整地されていない馬場のこと。真っ平に整地されている日本と違い、向こうの馬場は良馬場であっても場所によってボコボコ。これを気にしていたとのことだった。フォルスストレートは左手前で、直線は右手前。走りがチグハグになってしまった理由もこれだろうね。そういう意味では馬場を経験したことは大きいと思うし、あれが本番でなくて良かったとも思う』

これなんですよ、日本と欧州の馬場の違いは。
以前ディアドラの橋口調教師もおっしゃっていたが、欧州の馬場になれるというのはこの凸凹を気にしなくなると言う事。
日本はキレイに整っているが、向こうは平坦に見えても細かいアンジュレーションがある。
ピッチ走法が主体になるのもこの凸凹のため。

確かに太かったかもしれないがこの馬場を気にしていたのは嫌な情報。

血統に関しては私はそれほど問題視はしていない。
前半に10mの上りがあるが欧州は通常は前半はゆっくり入るので負担にならない。
ハイペースに巻き込まれなければ。
重要なのは後半の全力で走る勝負所が上り坂か平坦かと言う事
ロンシャンは後半が平坦なのでシアトルスルーで十分。
エルコンドルパサーだって母父サドラーでフォルリ5x5x4だけど母母父にシアトルスルー。
このスピードがあったから日本の馬場でも強かった。
キズナだって母父ストームキャットは同じボールドルーラー系のセクレタリアートが重要な血だし。
それにリファールの4x4がある。
リファールはフランスのリーディングサイヤーで凱旋門賞馬を2頭だしているようにフランス適性高い。
トニービンを持っているのも悪くないと思うんだよね。
ハープスターは母方にトニービンあるし。
ジャスタウェイは距離が少し長かったでしょう。
凱旋門賞でトレヴから5馬身差でJCでエピファネイアから4馬身差。
2400mでも日仏でそんなに変わらずに走っているよね?

血統と実績をもとにした能力では十分に5着に入る力はある。
今年の日本の3歳世代も間違いなくレベルは高い。
問題は二つ。
前走で凸凹馬場を気にして3馬身差以上離されてしまった事。
シャンティイという不慣れな場所で予定通りに馬体を仕上げられるかという事。
それらがクリアされればチャンスはある。

タイトルホルダー

体重、血統、走り方などから今回の日本馬で最もロンシャン2400m重馬場に向いた馬。
横山和生騎手がわざわざロンシャンに乗りにいったのも好材料だが当時よりも馬場は悪化している。
できれば土曜に騎乗機会があればいいのだが。
坂の頂上までは無理をしないでラスト1000mから徐々にペースアップしていくロングスパートがいいと思う。
ニエル賞のシムカミルは残り1200mでスパートしたけどあれはいい参考になるでしょう。
前半の上り坂で無理したらいくらタイトルホルダーでも絶対に最後までもたない。
期待はしているんだけど、なんか心の声が否定するんだよ><
コーナーが多いほど強いので小回りのBCターフにこそ行ってほしい。
圧勝できそう。


ステイフーリッシュ

最後のステイゴールド産駒の挑戦!
なんでもっとステイゴールド産駒を送り込まなかったんでしょうね。
前走のドーヴィル2500mGⅡは3着以下を離した2着で上りもスローだけど33秒台を記録。
ほんと、向こうの馬場とレース質が合っているんですよ。
勝ったボタニクは土曜のダラー賞(1950m)に出走予定。
勝ったらステイフーリッシュもアツいよ!
脚質的にも有利だし、3,4着でおさえておきたいね。

ディープボンド

今年の天皇賞春でももたもたしていたように柔らかい馬場は得意じゃない。
野芝ならまだなんとかスタミナでカバーできるけどロンシャンでは無理。
良馬場なら面白そうなんだけど。

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