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サウジカップ 2023年前置き
サウジアラビアのキング・アブドゥルアズィーズ競走馬術広場
![](https://assets.st-note.com/img/1676854124633-I7AnHAcYA4.png?width=800)
ダート1800m
右の矢印がスタート地点。
等高線は右がスタートです。
3-4コーナーで3m下るスパイラルカーブ。
ゴール前の直線は約410mで最後に緩やかな上り(高低差1m)がある。
左回り、スパイラルカーブ、直線410mと中京に似ているが、その中京が得意なテーオーケインズが力を出せなかった。
アメリカ馬の作る速いペースが日本のダート馬には馴染みがなく、前半のペースについて行くのにいっぱいになってしまう。
英語の実況も800m地点でこう言っている
『T O Keynes under pressure the great Japanese horse looks as though already spent』
(テーオーケインズは苦しいか、偉大な日本の馬はもうスタミナを使い果たしたようだぞ)
去年の800m通過が47.86秒で一昨年も似たような通過タイム。
これは日本では約46.5秒にあたり、テーオーケインズの勝ったチャンピオンズCの800m通過49.3秒より2.8秒も速い。
日本だとフェブラリーSが800m通過46秒台が多いので、日本のダート馬の場合は2000m以上の実績よりも1600mでのスピードについて行けるかどうかの方が重要かもしれない。
サウジのダートは馬に優しいダート
日本のダートはアメリカのダートよりも良馬場では遅い。
サウジのダートはアメリカに似ているがウッドチップが含まれているのが違い。
ケンタッキー大学の教授でアメリカのRacetrack Safety Programのディレクタ―のピーターソン教授によると、サウジのダートはウッドチップが4%、粘土とシルト(砂より小さく粘土より粗い砕屑物)が9%で残りの87%は砂。
その砂はデルマー競馬場の砂とほぼ同じだとか。
サウジの砂の方が石英を少しだけ多く含んでいて、つまり、砂を頻繁に継ぎ足す必要がないと言う事。
サウジの砂は天然の砂でアメリカの多くの競馬場では岩を砕いた砂を使っている。
アメリカのボブバフェット調教師はその砂の違いが大きいと言う。
砕いて作った人工の砂の方が粒子が大きめなんだとか。
天然の砂とウッドチップを混ぜると『ほど良い跳ね返り』を与える。
ダートの方が競走馬の事故死率が高いのは多くのデータが示すところだが、このサウジのダートでは6450頭の出走中たったの3頭しか予後不良になっていないというデータがある。
この『ほど良い跳ね返り』が馬にとって非常に優しい馬場なのだ。
しかし、それはサウジの乾燥した気候だからできることでアメリカでは降水量のすくないワイオミングダウンズ競馬場ならサウジの馬場を使えるかもしれない。
武豊騎手は『ドバイとか米国のダートに近いけど、もう少し深いかな。思っていた以上にタフで負荷がかかる』
ボブバフェット調教師も"It's deep but soft. It's a kind surface, and the horses come back fine,"
レースタイムからもアメリカのダートより時計がかかっている。
アメリカのダートよりも深くて時計がかかるのにアメリカ馬はアメリカと同じように走り出してしまうから結果的にややハイペースになってしまう。
去年の上位5頭の道中の位置取りを見てみよう
![](https://assets.st-note.com/img/1677149689937-vLCf3lDqET.jpg?width=800)
1着は外で前に馬を置いたEmblem Road。
5着の最低人気Aero Tremは後方の内から直線で外に出して追いこんだ。
ポジション的に良かった2,3着馬だが2着のCountry Grammerはその後にドバイワールドカップを勝ち、3着のMidnight Bourbonは5着しているように中東のダート適性があったと見る。
上位3頭とも父か母父がAPインディ系でボールドルーラーを4本以上持っていた。
テーオーケインズもAPインディ系でボールドルーラー4本あるのに大敗。
ちょっとわからない。
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