NHKマイル 気になる馬達 前半

血統はざっくりと

春の東京は米国系。
米国のコボリノコフ的3大血統はネイティヴダンサー系、ナスルーラ―のボールドルーラー系、マッチェムのインテンショナリー系
ディスカバリーという偉大な馬を母父に持つこの3系統はお互いに相性が良く米国らしさを作り上げている。

ヴァイスリージェント系はノーザンダンサー(母父ネイティヴダンサー)をマッチェム色に染めた系統
ヴァイスリージェント自身が母母父マッチェム系、デピュティミニスターはヴァイスリージェントXマッチェム系

そしてヘイロー系のサンデーサイレンス。

以上の重要な血にグレイソヴリン系プリンスリーギフト系が隠し味として効果を出す。

ダノンスコーピオン、シュネルマイスター、ラウダシオン、アドマイヤマーズは全て母方にグレイソヴリン系がある。

カワキタレブリーは父ドレフォンと母の両方にプリンスリーギフト持ち。

この二つがない場合は同じナスルーラ―系のボールドルーラーが複数あったり、ナスルーラ―系に共通する『スピードの持続力』が高速時持続力を要求される春東京で地味に輝きます。

マイル以下は特に枠に左右されやすいので前走での有利不利を見極めるのが重要

特に3歳のこの時期だと戦歴の浅い馬も多く、数少ないレースの着順に左右される人気は信頼度が低いこともある。
10番人気以下の穴馬が好走するのはそういう背景がある。
過去のレースを見直して有利不利を見つけるのが特に重要なレースだ。

前哨戦のレビュー

NZT

今年のNZTはハイペースでNHKでも期待できる
1着のエエヤンと4着のモリアーナに期待。

12.2 - 11.5 - 11.3 - 11.5 - 11.2 - 11.9 - 12.1 - 12.0
1000m通過は57.7秒で良馬場の2014、2020年の57.6秒に0.1秒しか遅くないハイペース。
稍重でこのハイペースはNHKマイルの準備として〇
NZT組の成績はNHKで悪いが2014年はNZT勝ちのショウナンアチーヴがNHKで0.1秒差。
2020年はNZT1、3着がNHKで上がり2、1位で5、7着。
外枠と位置取りで泣いた。
NZTがハイペースの時はNHKでも好走確率が上がる。

1着エエヤンは前半は前に壁を置いていたが残り800mで外3列目の先頭に立ち押し切った。
稍重で内があまり良くなかったので外を走る不利も少なかったが風を受けてラスト800m走ったのも事実。

2着ウンブライルは外枠だが外でずーっと前に馬を置けたので脚を溜められた。
最後にいい脚で追い詰めたのもスタミナの消耗を抑えられたから。
やや有利だった。

3着シャンパンカラーはエエヤンの後に外に出して追い出したがエエヤンを差せず。
これはエエヤンにかなわないか。

4着モリアーナは大外で風を受けながら最長距離を走った不利。
それで最後まで粘ったのは素晴らしい!

ドルチェモアはいくら内が悪いとはいえ負けすぎ。10レースではハイペースの逃げ馬が3着に粘っているのに。

アーリントンC

良馬場で良くなりそうなショーモンが楽しみ。
差し馬は勝ったオオバンブルマイが一番でトーホウがレオンとナヴォーナも悪くない。

12.5 - 10.6 - 11.0 - 11.7 - 11.9 - 11.8 - 11.6 - 12.8
重馬場ながら1000m通過が過去10年で2020年(稍重)の57.6秒に次ぐ57.7秒と速いペースだった。
しかも勝ちタイムも2020年より速く優秀。

レースは大逃げ馬の後の離れた2番手集団の先頭3頭が直線で抜け出した所をゴール前で差し馬が強襲。

1着オオバンブルマイのラスト200mの脚は印象的だが道中はしっかりと脚を溜められた。

2着セッション、3着ショーモンはほぼ同じ。
しかし、ショーモンの走り方は良馬場の高速馬場でこその走り。
重馬場で力をそがれたのはショーモンの方。

差し馬ではトーホウガレオンとナヴォーナも悪くなく、勝ち馬との差は大きくない。

ファルコンS

あえて言えば2着のカルロベローチェが面白い
12.2 - 11.0 - 11.6 - 11.9 - 11.8 - 11.8 - 12.3
重馬場だったしペースも過去レースと比べて遅い。
1着のタマモブラックタイは有利な競馬。
2着カルロベローチェは前半でイラだって直線でも1着馬に前に入られて後手を踏んだ。
それでもゴール前では僅差に迫り、こちらの方が上。

クイーンC

このレースでタイム差なし3着のモリアーナは強い
前哨戦ではないが今年のクイーンCはレベルが高い。
ハーパー、ドゥアイズが桜花賞4,5着。
イングランドアイズがフローラSで上がり最速で展開負け。
グランベルナデットが忘れな草賞勝ち。
ウンブライルがNZT2着。
ミカッテヨンデイイもスイートピーで惜しい4着。

朝日杯FS

この世代の朝日杯FSは阪神JFよりレベル低い。
このレースの上位は人気ほど信用できない。
あえて挙げれば上がり最速のダノンタッチダウン。

ジュニアC

デイリー杯では外3列目の先頭で不利だったクルゼイロドスルが快勝。
その時の2着ニシノライコウが先週の東京でスゴイ末脚を見せて1分32秒3で勝った。

気になる馬は

エエヤン、モリアーナ、ショーモン、オオバンブルマイ、トーホウガレオン、ナヴォーナ、カルロベローチェ、ダノンタッチダウン、クルゼイロドスル、それに桜花賞のシングザットソング

これらの馬の血統の評価は明日!

そもそもなぜアメリカのダート血統が東京の芝で走るのか?

アメリカのダートは日本のダートと違い、芝と変わらない時計が出ます。

そして、アメリカでダート馬に要求されるのは、『速いスタートダッシュ』、『スタートの勢いを持続させるスピードの持続力』。
アメリカで芝レースに行く馬は持続力には欠けるがギアチェンジが得意な馬。溜めて瞬発力を活かせる馬。
他にも蹄の大きさや走法もあるけど大雑把にこんな感じ。

春の東京は他の季節よりも速いスピードを持続させるレースが多くなります。
特にヴィクトリアマイルや安田記念が顕著なのですが、後方待機で直線勝負しても届きません。
アメリカのダートのように前半から飛ばして、そのスピードをいかに持続させるかが重要なので前半にゆっくりしていては速い時計勝負についていけなくなります。
だから欧州血統が苦手でアメリカダート血統が得意なのが春の東京なのです。



今年の成績


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