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9月13にロンシャン競馬場で行われた3つの2400mレースを振り返る

まとめ
パリ大賞典はデインドリーム、パントレセレブルの凱旋門賞に次ぐ3番目の好タイム。
そこで勝ったモーグルは硬い馬場が合うのだろう。
2、3着の馬もなかなか面白い存在。
サーペンタインは展開向かない中良く走った。本番はさらに良くなるだろう。
タルナワは4歳牝馬だけど重い斤量も苦にしないし瞬発力勝負に強いのも有利。
3歳牝馬のラービハーもまだ見限れない。
フォワ賞の2頭は難しい。

パリ大賞典(3歳限定G1、2400m)、ヴェルメイユ賞(牝馬限定G1、2400m)そして、フォア賞(4歳以上G2、2400m)が行われましたが、今年は賞金が悲惨な事になっていてフォア賞の優勝賞金約640万円、パリ大賞典やヴェルメイユ賞といったG1でも優勝賞金約2572万円。

3つのレースすべてに凱旋門賞に出走予定の馬が出ているので凱旋門賞を占う上でも重要な一日でした。
まずはレースタイムを見ていきましょう。

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ロンシャン競馬場の2400mコースのレコードタイムは2011年にデインドリームが凱旋門賞で叩き出した2:24.49。
あの時も晴天続きで硬い馬場になりましたが、今年もこれまでロンシャンでは稍重以上に悪化したことがないので馬場状態はとても良いです。
9月13日の1400mのG3レースでも1:17.42というレコード(1:17.05)には及びませんがここ4年での最速タイムが記録されました。
せっかく今年はいい馬場状態で競馬ができるのに日本馬の挑戦がディアドラ1頭というのも残念ですね。

パリ大賞典

タイムだけでは強さは測れませんが、2:24.76で勝利したモーグルはこれまでサーペンタイン以外は低評価だった今年の英ダービー組の汚名返上と言ったところでしょう。
先日の愛チャンピオンSでも3歳牡馬のアーモリーが7月には5馬身近い差があったマジカルに2馬身差と好走しているので、3歳勢は今まさに成長しているのでしょう。
素晴らしいレースを見せたモーグルですが、Aオブライエン師によると次は2000mのレースに出走予定みたいです。
なんと残念な。

モーグルの2着だったインスウープは前走でドイツダービーを勝っていたキャリア3戦の馬だったのですが、その前のフランスのレースで後に仏ダービーを出遅れて11着になったゴールドトリップに負けていたので軽視してしまった。ドイツダービーの走り自体はむしろ良かったので、間接的な比較で取捨を間違えてしまった。
ハイペースで前が潰れたのもあるがインスウープもなかなか侮れない馬だ。
3着にはそのゴールドトリップが入った。
仏ダービーの結果は出遅れたので参考外ということだろう。
今回は逃げなかったサーペンタインだが、いかにも試走というレースだった。
上位3頭が道中後ろからレースをしていたことを考えれば先行勢の後ろでレースをしていたこの馬は展開が向かない中で強い内容だったと言える。
これから本番に向けて仕上げていくだろうしサーペンタインは要注意や。

ヴェルメイユ賞

1000m通過はパリ大賞典とほぼ同じながらそこから坂の下りでペースダウン。
そして直線に入っての瞬発力勝負というロンシャンらしいレース。
1着のタルナワは道中後方2番手、2着のラービハーは最後方。
直線に入る手前から2頭とも馬群の外を進出し始めた。
この時は2頭の差は1馬身。
それがゴール時には3馬身差になっていたので勝ったタルナワの完勝。
このタルナワはこれまで2回G1に出走して凡走しているのですが、それぞれ直線でスムーズに走れていませんでした。
3歳牝馬が古馬になって活躍できない理由の一つが斤量増ですが、この馬は前走で62キロを背負って快勝しているようにもんだいありません。
直線でギアチェンジを求められるレースはロンシャンで多いのでこの展開で強さを見せたタルワナは本番でも期待できます。
前走は62キロ
逃げたデームマリオットが3着。
不利を受けたのはヴァリア。
上位2頭と同じく後方待機だったが、この馬はイン差しを選び、どん詰まりで減速してる。
故障したアルカンドラが前から下がってきた不運もあるけど団子状態のイン差しはいただけない。
騎手の判断ミス。

フォワ賞

フォワ賞は前半1000mが1分10秒という騎乗速歩かと思わせるような超スローペース。
ストラディバリウスもなかなか速い脚を使えるのですが、良馬場の瞬発力勝負ではアンソニーヴァンダイクに軍配が上がりました。
アンソニーヴァンダイクは去年の凱旋門賞は出走予定だったのですが、重馬場が避けられなかったので金曜に回避しました。
見事に去年の鬱憤を晴らすレースでしたね。
去年の英ダービーはRacing TVの解説にも酷評されるような低レベルでしたが条件がそろえばそれなりに走る馬です。
2頭とも本番は難しいのではないでしょうか。

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