凱旋門賞へ向けて:愛チャンピオンSの評価

過去ロンシャンで行われた10回の凱旋門賞では

前走愛チャンピオンSだったのは4頭。
2021年2着のタルナワ(愛2着)、2020年1着のソットサス(愛2馬身差4着)、2015年1着のゴールデンホーン(愛1着)、2011年3着のスノーフェアリー(愛2着)

頭数が少ないながらも近5回で3頭なので最近の傾向になっているともいえる。

なお、過去10開催で2010年1着のワークフォースを除いては全ての馬が負けても3馬身差以内。
ワークフォースはキングジョージでハービンジャーから16+3/4馬身差の5着。

今年の愛チャンピオンSは3着のヴァデニでも1+3/4馬身差でRPR(レーポスのレイティング)でも120と高評価。

上位3頭は有力馬と言える。

レパーズタウン競馬場の2000m

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スタートは赤い矢印、等高線は左がスタート。

最初の500mで6m下り。

600m付近から徐々に上り坂になってゴールまで15m上る。

4コーナーの出口で少し下ってからまた上る。これは映像でもそうなっていたから等高線は正しい。

まずは、このレパーズタウン競馬場のコース形態がロンシャン競馬場の2400mと大きく異なるのを頭に入れてほしい。

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ロンシャンの2400mは前半に高低差10m上りで後半は下ってから長い平坦。

レパーズタウンの2000mは前半下りで後半が高低差15mの長い上り坂。

勝負処の後半が上りのレパーズタウン競馬場の方が馬にとっては厳しいコース。

今年は重馬場だったとは言えレースのラスト3ハロンが約38秒(ルクセンブルクは36.97秒)だった愛チャンピオンS。

今年は1000~1600mの3ハロンで11秒台とペースは速くなり、ラスト400mの失速ラップ勝負でした。

上位3頭のラスト3ハロンはほとんど同じで大きな差はありません。

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しいて言えば3着のヴァデニが直線で少し窮屈な場面があったくらい。

1着 ルクセンブルク

評価 掲示板は堅そう。勝ち負けの決め手はどうか。
重馬場〇

キャメロットxデインヒルダンサーxバックパサー系
英2000ギニーのマイルは距離としては短かったが能力の高さで3着に入った。
Aオブライエン師が『he has a very high cruising pace』とこの馬を評価しているように楽に先行できるスピードがある。
当初から英2000ギニーは叩きで英ダービーが目標でしたが故障で回避。
2400mへの距離延長は望むところ。
凱旋門賞では先行集団の後ろの好位で競馬するだろう。
愛チャンピオンSでは印をつけなかった。
父キャメロットの代表産駒サードラゴネット、ラシアンキャメロット、サンタバーバラが豪、米の平坦GⅠで活躍していたからだ。
後半上り坂のレパーズタウン競馬場は厳しいと予想した。
私の予想を覆して力強い走りで勝ってしまった!
ラスト1ハロンは13.17秒でメンバー最速。
胸をしっかり張って肩を大きく動かして走るのでロンシャンの重馬場でもやれそうだ。
そして愛チャンピオンSの走りからは他のキャメロット産駒とは少し傾向が違うんじゃないかと思う。
つまりむしろ上り坂の方がいいんじゃないかと。
その点で後半が平坦のロンシャンは少し物足りないかもしれない。
Aオブライエン師曰く、愛チャンピオンSまでは非常にきびしいトレーニングをしてきたが凱旋門賞まではメンテナンス程度の軽い調整になるだろう。

2着 オネスト

評価 平坦でのスピード勝負ならオネストが有利
重馬場 ▲VerySoftよりも悪くなると問題かも。普通の重馬場は問題ない。

フランケルxシーザスターズ
アーバンシー3x3
仏ダービーは5着も上り最速。
多頭数で前半に離されすぎてしまいいい脚で追い込むも届くわけもなかった。
勝負所のラスト600~400m区間で11.42秒と全体の最速タイムもマーク。
数字だけを見れば勝ったヴァデニを逆転してもおかしくないポテンシャルを見せていた。
パリ大賞典では小頭数のため最後方でも6番手で上り最速で差し切り勝ち。
仏ダービー2着のエルボデゴンを負かした。
上り3ハロン34.28秒は2番目だったシムカミルの35.06秒よりも0.8秒も速い。
そして愛チャンピオンSではルクセンブルクから1/2馬身差の2着で不利があったとは言え仏ダービー馬ヴァデニに先着した。
距離に不安のあるヴァデニよりもすでにロンシャンの2400mGⅠを勝っているオネストに魅力を感じる。


3着 ヴァデニ

評価 3着だからって気にする必要なし。距離不安がささやかれているがだいじょぶじゃね?
重馬場 〇

チャーチルxモンスン
血統表の母方にハイトオブファッション(女王の馬)がいる。
サイン馬券ではないが、女王の所有馬を血統表に持つ馬が馬券に絡む!?
仏ダービーを圧勝したがその後の成績を考えると追い込みの有力馬の位置取りが後ろすぎた。
とはいえ、今年の仏ダービー組はレベル高い。
3着のモダンゲームズはサセックスSでバーイードの2着で前走はアメリカでマイルGⅠを5馬身差圧勝。
4着アルハキームはその後まだ1走しかしていないがGⅢ勝ち。
愛チャンピオンSは直線で進路がなくで狭い所を通らざるを得なかった。
1,2着馬との差はほとんどない。
2400mという距離を心配されているが、そんなに心配するほどかなーと思う。
マイラーっぽかったペルシアンキングやインテロも3着に入っている。
ヴァデニの方が中距離向きで後半が平坦なロンシャンなら2400mこなせるだろう。

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