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キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス パイルドライバーおめでとう!!!

まずは馬場状態の説明から

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去年も今年もGood to Firmではあったが今年の方がコース内でGoodの箇所が多く、去年よりもやや時計のかかる馬場であった。
去年はGood to Firm (Firm in places)で今年がGood to Firm (Good in places)
Firmが一番硬い馬場で、去年は所によりFirmの箇所があり、今年はそれよりも遅いGoodの箇所が多かった。
6月のプリンスオブウェールズの時はコース全体がGood to Firmでキングジョージの時よりも硬い馬場だった。
馬場の硬さで言えば、去年のキングジョージ>今年のプリンスオブウェールズ>今年のキングジョージという順番になる。

キングジョージだけでなく他のレースも去年より1~4秒遅くなっているのも裏付けている。

消耗戦になった今年のキングジョージ

去年のキングジョージはブルームがペースメーカーで1000m通過が61.23秒
4コーナー残り600mからスピードアップしてアダイヤーが直線入り口で先頭に並びかけて押し切った。
アダイヤーのラスト4ハロンは12.31-11.56-11.56-12.18と明らかに残り600mでギアチェンジしている。

今年はパイルドライバーが好スタートを切ったのだが内からブルーム、外からウエストオーバーが前に出てきて3頭が先頭を争う珍しい展開。

欧州では、特に2400mGⅠではペースメーカー以外の馬が先行争いをするのはあまり見かけない。
だいたいが譲り合ってスタートが良かった馬がそのまま先頭を走る。
それが今回は先頭争いをしたのだ。

パイルドライバーが両側から挟まれる感じで後ろに下がり3番手からの競馬となった。
結果的にはそれがパイルドライバーにとって良かった。
先頭のウエストオーバーの1000m通過は60.11秒で去年よりも時計のかかる馬場なのに去年よりも1秒以上も速かった。
スタートして2ハロン目が10秒台はいくら下り坂でも速すぎでそのために後半の上り坂で脚が上がって消耗戦になった。
セントレジャーで早仕掛けしてロングスパートでフラフラになりながらも粘りこんで3着の経験があったパイルドライバーのスタミナが活きたレースだった。

2020年にエネイブルが2分28秒92(Good to Firm)で勝った時の1000m通過が60.74秒。
エネイブルのラスト4ハロンが12.36-12.40-12.63-12.98

今年のパイルドライバーのラスト4ハロンが12.32-12.62-12.40-12.89と2020年のエネイブルと似たような感じ。
馬場状態を考えればかなり評価できる内容でRPR125も納得だ。

パイルドライバー!

パイルドライバーは英ダービー前にアスコットの2400mGⅡを勝っていたが、果たして後半が上り坂のコースでトップレベルのGⅠでも通用するか疑問があった。

一つは戦績から、ヨークのヴォルティガーS、ドンカスターのセントレジャー、エプソムの2400mGⅠ、香港ヴァーズ、ドバイシーマとラストが平坦か下りで好成績だった事。

もう一つが、サドラーズウェルズもダンチヒもない2400mアスコットGⅠの主流血統から外れた血。
父ハーバーウォッチの代表産駒もワイクク、バロンサメディと香港やアメリカの平坦で活躍している。

個人的に3歳から注目していてヴォルティガーSでは8頭中5番人気を頭固定で4連単3000倍を当てさせていただいた大切な馬。

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パイルドライバーの一番の問題は騎手にあった。
調教師の娘婿という縁故起用でハッキリ言って仕掛けのタイミングに大きな問題のある騎手。
セントレジャーなんて我慢できずに早めに先頭に立って最後フラフラになるし><
香港ヴァーズでも早め先頭でしかも伸びない内ラチ沿いに寄ってしまうし><

ミシュリフのゴスデン師も文句を言うほど酷い重馬場の英チャンピオンズSと落馬した馬と接触したサウジ以外は大きく崩れていない。
なんといっても真面目に走るし最後まであきらめない根性がある愛すべき馬。
馬体的にも競争能力自体はトップレベルの馬には劣るが、この不屈の精神力がパイルドライバーに二つ目のそしてイギリスでも最高峰の一つに数えられるGⅠをプレゼントした。

当歳では10000ポンド(約160万円)でも売れなかったパイルドライバー。
本当に馬を見る目ってのはあてにならないですよね。

凱旋門賞は良馬場でハイペースになれば不屈のパイルドライバーにもチャンスが出てくる。

今年の2000~2400mの3歳馬のレベルは去年より低い

予想でも書きましたが、今年の3歳馬で一番強いと思うのはヴァデニです。
そのヴァデニですらエクリプスでミシュリフにあわや負けそうになっていたのは衝撃でした。
ミシュリフはインターナショナルやドバイで高いパフォーマンスを見せているように平坦の方が得意。
サンダウン競馬場の後半の急こう配の上り坂では不利ではないかと思われていた。
そんなミシュリフに大きな斤量差がありながらクビ差まで詰め寄られた。

今回ウエストオーバーを5番手評価にしたのは3歳馬のレベルに疑問を持ったからです。

ウエストオーバーは英ダービーで〇(3着)、愛ダービーでは◎(1着)と評価していたので個人的に嫌っていたとかいう馬ではありません。

英ダービーは直線の不利が無ければ勝っていたかもしれない馬です。

英ダービーの前哨戦のサンダウン競馬場では別のレースでエミリーアップジョンの方が重い斤量でいい走りを見せていたので後半が上り坂のアスコットではエミリーアップジョンの方を取りましたが2頭とも消耗戦に耐えられずに消え去ってしまいました。

欧州では重馬場では特に大きな着差がつくことも良くありますが、良馬場で2着のトルカータータッソからも15馬身差というのは致命的。
凱旋門賞のロンシャン競馬場は前半上りで後半に下りと平坦でアスコット競馬場とは全く性質の異なる競馬場ですが、非常に厳しくなったと言わざるを得ません。

馬券的には

1着▲2着◎3着△

トルカータータッソの前走が非常に良くて去年よりもスピードが出てきたように見えたので本命にしました。
この2着は良馬場でも戦える事を示しましたね。
パイルドライバーとの差はスタミナでしょう。
▲パイルドライバーはNoteの馬券では2着までしかおさえていませんでした。
まさかエミリーアップジョンがあそこまでバテるとは。
サンダウンでゴール前の坂を力強く上っていたのですが厳しい展開で脱落してしまいました。
英オークスもスローからの瞬発力勝負でしたし、スロー専門かもしれません。

アスコットキングジョージ401


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