見出し画像

英オークス、ダービーなどを振り返る

Cazoo Derby Festival を振り返ってみる。

6月4日には古馬のコロネーションカップ(GⅠ)と3歳牝馬のオークス(GⅠ)、5日には3歳牡馬のダービー(GⅠ)が行われました。
距離はともに約2420mで斤量もコロネーションカップの牡馬、オークス、ダービーが同じ57キロ。
レーシングポストのレイティングがパイルドライバー122,スノーフォールとAdayarが123。
今後、古馬混合GⅠで3歳馬、特に牝馬の斤量が軽くなることから力関係はスノーフォール>Adayar>パイルドライバーといったところでしょうか。

Turftraxによると6月4日午前10時の計測で良でしたが、その後4.8mmの雨が降って午後2時には稍重の発表。
4日の一日では11.8mmの雨が降った。
3レースのコロネーションカップまでは普通にラチ沿いを走っていましたが、4レースからは直線で馬場の良い外ラチ沿いを走るようになり5レースのオークスも外ラチ沿いを走っています。

コロネーションカップ

勝ちタイム 2分42秒23
パイルドライバーのラップ
59.97(前半の820m)ー13.93ー13.21ー12.54ー12.64ー12.01ー12.02ー12.52ー13.39

画像3

1着〇パイルドライバー
今回は騎手が完璧な騎乗をしました。
スタートして無理に抑えることなくハイランドチーフの2番手で落ち着いていた。
ハイランドチーフのペースが落ちた1分24秒5頃、1400mの手前で上り坂の最後の部分、に先頭に立つ。
無理に行ったのではなく、馬のペースを守ったら先頭に立ったという理想の形。
直線に入っても焦らずに待って待って待った。
ムチを入れたのは2分23秒で残り300mを切ってから。
後から来たアルアージーが2分26秒にわずかにかわして先頭に立つ。
追い出しを我慢したおかげで余力の残っていたパイルドライバーはアルアージーに競り勝ちゴールを先頭で走り抜けた。
追い上げるのに先にムチを入れたアルアージーに対してひたすら我慢したパイルドライバーの騎手の好判断。
強い。

2着△アルアージー
前走のRPR124は相手のレベルの低く疑問視していましたが、実力はありますね。
パイルドライバーは主流血統でもなく、売れ残りだったりで過小評価されがちですが間違いなく強い馬なので、そのパイルドライバー相手に接戦を演じたのは素晴らしい。(上から目線)
馬体的にもパイルドライバーよりも見栄えはするし、今後も目が離せない一頭ですね。

3着▲ジャパン
7馬身離された3着。
ちょっともう…むり。
これが限界でしょう。
エプソムの2420mは極端なコースでリピーターが出やすいコース。
英ダービーで好走したこの馬には向いているはずなのにこの結果では厳しい。

英オークス

勝ちタイム 2分42.67
スノーフォールのレースラップ
58.44(前半820m)ー14.14ー14.58ー14.20ー13.10ー12.73ー11.95ー11.52ー12.01

画像2

1420m通過ではパイルドライバーの1分39秒65より遅い1分41秒36。
ラスト1000mはスノーフォールが速かった。
パイルドライバーが内ラチ沿いを走ったのに対してスノーフォールは外ラチ沿いを走った。
馬場の悪い内か、少し距離ロスして馬場の比較的いい外かの違いもある。

これまでオークスとコロネーションカップが同じ日に行われた年の比較。(左コロネーションカップ、右オークス)
2021 2:42.33  2:42.67
2019 2:33.94  2:36.09
2018 2:38.49  2:40.39
2017 2:33.34  2:34.13

この比較でもスノーフォールの優秀さがわかる。

2017年の差が小さい年がエネイブルのオークス。
その年のコロネーションカップはハイランドリール。

パイルドライバーのネームバリューが『まだ』大きくないから今回の小さいタイム差も評価されないかもしれないが、パイルドライバーはかなり強い馬です。

上り3ハロンだけで2番手以降に3秒近くも差をつけるなんて、いくら馬場が向いていたとしても異次元のレベル。

1着◎スノーフォール
もしかしてディープインパクトの最高傑作になるかもしれない。

4着〇Save A Forest
ラスト3ハロン38.38秒はスノーフォールの35.48秒に次ぐ2番目。
後方待機でスノーフォールの後にいた。
直線に入って外ラチ沿いに向かった時にスノーフォールがスムーズに前に出れたのに対して、Save A Forestは少し手間取った。
2位以下では3着のDivinelyとこの馬が良く見えた。

5着▲Santa Barbara
オブライエン先生もムーア騎手もこの馬の方をスノーフォールよりも高く評価していた。
馬の能力は走ってみなければわからないものですね。
兄、姉と同様に平坦のGⅠなら勝負になるかもしれません。

英ダービー

Turftraxによると6.4の稍重
オークスの日は雨だったがレース後に晴れてダービーの日も晴れで気温は23度。

前日のオークスの日よりも時計が速かった日。

勝ち時計 2分36秒85
Adayarのレースラップ
57.42(前半820m)-14.16ー13.68ー13.03-12.28ー11.56-11.38ー11.38ー11.96

画像1

前日のオークスよりも6秒も速いのですが1着のRPRは同じ123という評価。
ちなみにコロネーションカップの牡馬、オークス、ダービーと斤量は同じ57キロ。

◎Mohaafethは柔らかい馬場を嫌って回避。
アスコットで出走予定

1着Adayar
フランケル産駒が初の英ダービー勝ちですよ。
逃げ馬の後ろの内ラチ沿いで折り合っていた。
直線に入っても逃げ馬と内ラチの間の非常に狭いスペースをついて抜け出した。
いかに勇敢に狭いところを抜けてきたかというのがレーシングポストで記事になったくらいだ。
それにしても鮮やかな勝利。
先行して、上り3ハロンも最速という完勝。
オークスではオブライエンの2番手が勝ったがダービーはゴドルフィンの3番手が勝利。
本当に馬のプロ中のプロでもどれがエプソムで強いかわからないんだな。
しかも2レースとも評価の低い方が圧勝。
1番枠での勝利も価値がある。
データにもあったんだけど1~4枠の馬って最近は全然勝っていないんですよ。

2着Mojo Star
内ラチ沿いで中団後方から。
4角のコーナリングで前にでてAdayarに並びかけた。
Adayarがうまくラチ沿いをすり抜けたのに対し、少し前壁の時間があった。
その間にHurricane Laneも外から前へと抜け出した。
しかし、前にスペースができてからはあっさりとHurricane Laneをかわし2番手にあがるもAdayarには差を広げられた。
これまで2戦して2着2回だったがいずれも僅差。
これで3戦連続2着。
サドラーをもっていないのにエプソムでこの走りができるのなら他の競馬場でも強そうだな。
見くびってました。

3着△Hurricane Lane
最後にキレ負けしたのは予想通り。
距離のびて良さそうだし、セントレジャー向き。

7着▲Bolshoi Ballet
1,3着馬と似たような位置で先行して直線の半ばで失速。
距離?ではないとオブライエン先生。
原因はわからないとのことでした。

9着〇John Leeper
最後方で待機。
4角で早めに仕掛けられたがすぐに失速。
フランキー曰く、距離が長すぎ、次は2000mに戻るとのこと。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?