凱旋門賞2022 考察その1 ハイペース
ハイペースだった
過去4年の重馬場での先頭のラップタイムを比べてみると明らかだ。
今年は発表がVerySoft3.9(朝計測)だが、ご存じのようにレース前から降り始めた雨で馬場状態は不良の4点台は間違いないだろう。
比較対象にエントシャイデンのフォレ賞が使える。
去年の800m通過が47.91で今年が47.87とレースペースはほとんど同じ。
しかし勝ち時計は去年が1分22秒97で今年が1分24秒40。
エントシャイデンは去年が1分23秒36で3着
今年が約1分24秒10(タイム発表なし)で3着
去年よりも時計がかかる馬場になっていたとも考えられる。
凱旋門賞のあとのオペラ賞も去年が2分11秒15で今年が2分12秒64と今年の方が遅い。
ハイペースだったかどうかの判断は後半の失速具合にも表れている。
ペースは速くなかった2021、2020年は勝負所のラスト600mでペースが速くなっている。
つまり、先頭の馬にもまだスピードアップする余力が残っていたという事だ。
しかし、今年と2019年を見てみるとほとんど同じで坂の下りに差し掛かった1000~1200m区間で少しペースアップしたがその後は失速ラップで勝負所のラスト600mでは全く力は残っておらず大きく失速した。
これは明らかにハイペースによる失速ラップだ。
前半のハイペースで体力を消耗してしまい後半にスピードアップする力なんて残っていなかった。
勝ったアルピニスタでさえ、失速ラップを刻んでおり、いかに消耗戦となったかが良くわかる。
アルピニスタの厩務員アナベルさんのピョンピョンからの歓喜
ここ4年の先頭のペース
先頭を走ったタイトルホルダーの1400m通過は1分29秒10(Very Soft3.9+雨)
2021年の先頭アダイヤーの1400m通過は1分33秒94(Heavy4.2)
2020年の先頭ペルシアンキングの1400m通過は1分35秒72(Heavy4.6)
2019年の先頭ガイヤースの1400m通過は1分27秒63(Heavy4.1)
今年のラップタイム
ロンシャン2400mコースの勾配はスタート後の400mが平坦、400~1000mが高低差10mの上り坂。
スタートから約1000m地点が一番標高が高い。
1000~1500mで高低差10mの下り坂。
1500~2400mがほぼ平坦(高低差1-2mのアンジュレーションはある)
結果としてハイペースになってしまいましたが横山和生騎手はよくやったと思います。
スタートして先頭に立つために押しはしましたが、先頭に立ってからは首の根元に手をおいて落ち着かせました。
タイトルホルダーもむきにならずに上り坂ではペースを下げました。
ルクセンブルクのためのペースメーカーの役目を担っていたブルームがペースを落とさせないようにピッタリ張り付いてきたのが痛かったですね。
2019年のガイヤースの時もオブライエン師のマジカルがペースを落とさせないようにしたのと同じですね。
ガイヤースのビュイック騎手でさえペースを落とせなかったのですからロンシャンの重馬場2400mが初めての横山和生騎手には馬を信じて乗っていくしかありませんでした。
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