セントライト記念 気になる馬達

去年は内側渋滞で外差し決着

覚えていらっしゃいますでしょうか?
内ラチ沿いで前の馬が壁となってその後ろの馬達が何もできなかった去年のセントライト記念を?

レース後にこう書きました。
『⑤ノースブリッジ、⑦タイトルホルダー、④タイムトゥヘヴンの3頭は直線で全く追えていない。
⑭⑪⑬の3頭の厚い壁の前に何もできなかった。
これだから内は怖い』

ノースブリッジはその後エプソムカップ含む3勝、タイトルホルダーはG13勝含む4勝、タイムトゥヘヴンはダービー卿勝ちとGⅡ3着2回と大活躍!
しかも面白いのがこの3頭でセントライト記念後に1番人気になったのはタイトルホルダーの日経賞だけ。
それだけこのセントライト記念の二桁着順がレース映像を振り返らない人々の心理に影響を及ぼしたのだと思います。

こう振り返ってみると去年のメンバーは層が厚いな。
ソーヴァリアントを含めて4頭がセントライト後に重賞勝ってオーソクレースは菊花賞2着。
ルペルカーリアとグラティアスもGⅢ勝つチャンスあるし。

そして今年も去年に負けず劣らず層が厚そうなんですよね。
菊花賞だけでなく、今後を占う上でも面白いレースになりそうです。
要チェックや!

外回り2200mだけど…

中山の2000m以上の外回りは2200mだけ。
3歳秋で中山2200mを経験した事のある馬はそれほど多くない。
ガロアクリークやリオンリオンは中山2200mを走っているが4,3着と負けているし、気にしないでいいと思う。
重要なのは前半に坂があるかどうかなので中山2000mでの実績があれば十分。
冬と春は洋芝の影響で非根幹適性が重要になってくるが秋中山の2200mはそんなに非根幹適性は大事ではない。
先週の紫苑Sでもマイルが得意な馬が活躍できるように2000mまでの距離実績で十分。

気になる馬場状態

良馬場なら去年と似たような馬場で特に内前が有利というわけではなく、決め手も活かされる馬場。
日曜、月曜に雨の予報が出ているので注意。
開幕2週目でまだ馬場が悪くなっていないので雨の影響は開催後半よりは少ない。
去年の開催3日目、9月18日も重馬場だったがバイアスは出ていない。
ただ、12レースでエルコンドルパサー持ちが1,3着で2着も父エイシンフラッシュ。
7レースもメイショウサムソン産駒とナカヤマフェスタ産駒の1,2着と重馬場を苦にしない馬達が走っているのは頭の隅に入れておくべき。

評価

先週の紫苑Sと違いかなり濃いメンバーになりました。
取り上げた馬も多いですがアスクビクターモアは軸になるでしょう。
他は展開によりけりな馬が多いので、展開予想が重要なカギになりそうです。


勝ち負け
アスクビクターモア まけないぞ!
ローシャムパーク  ルメール騎手が上手くやってくれるでしょう
ラーグルフ     ロングスパートになれば

3着候補
ボーンディスウェイ アスクの後ろがすんなりとれる枠なら
オニャンコポン   展開次第
ガイアフォース   持続力勝負期待
マテンロウスカイ  善戦タイプで3着の可能性あり

不良馬場でロンギングエーオ

馬達

アスクビクターモア

田村調教師のコメント
「ここまで予定どおり。休ませて気持ちが穏やかになっているね。癇性(かんしょう)が強くて乗り難しい面のある馬だが、乗り手(高木助手)がしっかりと手の内に入れて、馬と上手にコンタクトを取ってくれているのが心強い」
「精神的に大人になってエネルギーの使い方が良くなった。以前よりも自信を持っているのか堂々としているし、中山芝2200メートルに関しても不安はない」

春は少し過小評価されていたよね。
私の好きな馬だから特にそう感じたのだろうけど。
弥生賞◎(3人気1着)皐月賞〇(6人気5着)ダービー〇(7人気3着)
いつも人気以上に走ってくれる頑張り屋さんです。
大きなフォームでいかにも走るのが大好き!ってかんじで元気の良さが伝わります。
負けん気が強いので久しぶりでもレースになれば走ります。
大跳びだけど肩回りを大きく動かして走っているので重馬場も問題ないでしょう。
母父レインボウクエストで母母母父にロベルトがあるし血統的にも重馬場大丈夫。
今回は1番人気もしょうがない。
過去10年でディープインパクト産駒でセントライト記念3着以内に入ったのは7頭。
中山の2000mを走ったことのある馬はプロディガルサン(芙蓉S勝ち)、サトノフラッグ(弥生賞と1勝クラス勝ち)、アルアイン(皐月賞勝ち)、ディーマジェスティ(皐月賞勝ち)、セーヴィント(1勝クラス勝ち)と中山2000mでの実績あり。
ただ一頭サトノルークスだけは皐月賞14着と例外。

サトノルークスは母父サドラーズウェルズの影響が強く表れた欧州型の馬体で日本だと非根幹で、しかも瞬発力勝負にならない展開でないと活躍できない馬。
アスクビクターモアはダービーでの好走があるように高速馬場の時計勝負でも実績のある馬で馬を理解している田辺騎手が継続するのも強み。
今回は先行馬もマクル馬もいるので厳しい展開になるかもしれないが頑張ってほしい。

オニャンコポン
エイシンフラッシュxヴィクトワールピサ
京成杯の走り方と血統から重馬場も大丈夫でしょう。
ホープフルSの失敗から追い出しのタイミングを遅らせるようになった。
京成杯では3コーナー手前でポジションを落としてまで我慢していたし、皐月、ダービーでも溜めていた。
距離は微妙に心配だが秋だからだいじょうぶか?
展開にも左右されるので軸にはできない。
2,3着まで。

ガイアフォース
キタサンxクロフネxダンスインザダークxノーザンテーストxグレイソヴリン系
キタサン産駒が小倉【7-2-3-32】、阪神【4-7-4-30】、中京【8-4-3-26】に比べて中山が【1-1-1-26】と苦手なのは3コーナーに下り坂がないせいだと思う。
キタサンの中のサクラバクシンオーというかプリンスリーギフト的な特徴を受け継いでいるのだと思う。
小倉競馬場でレコードを記録しているのも偶然ではなく『下り坂大好き』な特徴が強く出ているからだろう。
下り坂のないコーナーでは勢いをつけられないので直線の短い中山では力を出し切れない。
東京も3コーナーに下り坂はないが直線が長いおかげで十分に加速できる。
中山で高いパフォーマンスを見せたのはイクイノックスくらい。
小倉のレコードタイムは『夏の小倉適性』が高い証。

中山ではどうだろうか?
1800mのレコードはサクラプレジデント(母父マルゼンスキーでグレイソヴリン系あり)、2000mはラブリーデイ(母父ダンスインザダークでグレイソヴリン系あり)、2200mはコスモバルク(父はヌレイエフ系xグレイソヴリン系で母父にプリンスリーギフト系)
なんか、ガイアフォースの血統表にある血が多いですねー。
そして秋中山は野芝なので夏の小倉と同じ軽い馬場。
キタサン産駒が成功するかどうかは父譲りのダイナミックなフォームで走れるかどうかだと思っているのでガイアフォースはイケると思う。
国東特別のような持続力勝負に持ち込めればチャンス。
あずさ賞のような瞬発力勝負になるとキレ負けする。
キタサン産駒はこの夏を越して成長しそうでもあるので要チェック.

ローシャムパーク
ハービンジャーxキンカメ
ハービンxキンカメといえばブラストワンピースとモズカッチャン。
ローシャムパークもなかなか良さそうです。
デビュー2戦目はスタート出負けしてコーナー出も後手を踏んで中団からの競馬。
勝ったジュンブロッサムとは位置取りの差。
ジュンブロッサムは共同通信杯、アーリントンカップとそこそこ4着。
重賞上位の力はある。
未勝利を勝ち上がった時は馬が行きたがって騎手が体重を後ろにかけておさえていた。
上半身の強い堂々とした走りは欧州的。
中山2000mでは少しペースが遅いぐらいだったが800m付近から前に進出。
1000~1200m区間で11.2秒と暴走気味で普通の馬なら潰れている。
それが最後までしっかりと走り切ったのは心肺能力の高さ。
気性面に不安はあるが、強い馬。
勝ってもおかしくない。


ラーグルフ
モーリスxファルブラヴ
トムフールクロスあり〇
サドラーズウェルズ/フェアリーキングの4x3
サンデーとロベルトもクロスあるし、
更に母内にシアトルスルーのクロス
血と血が喧嘩しそうな要素もあるけどうまく出てくれている。
去年に引き続き8月新潟で上り33秒台で勝ち。
それなら秋中山も2年連続で走るでしょう。
去年の芙蓉Sはなかなか強い勝ち方でホープフルSでは◎にしました。
弥生賞はスムーズな競馬ができず、皐月賞は後方待機から大外をスムーズに走れたドウデュースと違い狭い馬群の中をすすんで8着。
ちょっと消化不良なレースが続いてしまった。
新潟2000mでは中京でガイアフォースに勝ったセントカメリアに競り勝った。
セントカメリアはローズSでも人気になりそうな馬。
新潟の長い直線での走りをみれば、長くいい脚を使わせられるかどうかがポイント。
去年の芙蓉Sのように中山なら外をまわしてでも加速し続ける方がこの馬の力を引き出せる。
戸崎騎手の3-4コーナーでの判断が重要。
先週のライラックでは後手を踏んだので今回は上手くやるか?

ボーンディスウェイ
ハーツクライxプラティニ
葉牡丹賞、ホープフル、弥生賞は良かった。
皐月賞は14着とはいえ1.0秒しか離れていない。
逃げたアスクビクターモアが上がり35.3秒でボーンディスウェイは35.6秒。
直線入り口でダノンベルーガに前に入られたり、内側の傷んだところを走らされたりとやや不利ではあった。
ラジオNikkei賞の石橋騎手のコメント
「馬の状態は良かったです。スタートが決まって、3番手の内に入りたかったのですが、他に来られて入れませんでした。今日の馬場で外を回らされたのがきつかったです」
石橋さんらしい消極的な騎乗。
3番手の内に入りたかったと言いながらも全然押して行っていない。
隣の7番が前に行く後ろに付いて行けば良かったのにただ流れに任せていただけ。
力を出せなかっただけですんなり先行できればまだわからない。
今回はアスクビクターモアがいるので弥生賞みたいに2列目から抜け出す競馬できそうなのでチャンス。
窮屈にならない枠が取れれば。


マテンロウスカイ
モーリスxスペシャルウィーク
トムフールクロスあり〇
あずさ賞で上り最速もガイアフォースの0.1秒差。
上位3頭は4コーナーでの位置取りのままだったから大きな差はない。
次の中京マイルでは上り最速33.1秒で届かず2着。
次の小倉1800mでは先行したが逃げた馬を捕まえられず2着。
次の小倉1800mではとうとう逃げて勝ち切った。
善戦ちゃんタイプ。
先週のカヨウネンカがなかなか未勝利を勝てなくても重賞で0.2秒差に来たようにこの馬もGⅡで3着に入る可能性はある。
能力は高いが、今回横山パパ騎手がどういうレースを選択するかがポイント。
今回は3着でもいいから逃げないと思うんだけどね。

ショウナンマグマ
ザファクターxステイゴールドxメジロマックイーンxマグニテュード
ザファクターの父ウォーフロントってフォルリ風味のダンチヒなんですよ。
ヌレイエフやサドラーズウェルズ、フェアリーキングはスペシャル牝系ノーザンダンサーともいわれますが、スペシャルの母父がフォルリ。
ステマ(ステイゴールドxメジロマックイーン)配合のオルフェーヴルはスペシャル牝系ノーザンダンサーを持つ牝馬との相性がよかったりします。
ラッキーライラックやオーソリティなど。
ザファクターxステマは相性いいんじゃないかと。
ラジオNikkeiの2着も勝ち馬の新潟記念3着を考えれば大きく評価していいんじゃないか。
精神面の脆さがあって力を出せないレースも多いが楽に逃げた時には高い能力を見せている。
ポイントは落ち着いてレースできるようになっているかどうか。
今回は気の強いアスクビクターモアもいて競りかけられたら脆さが出てしまうんじゃないかと不安だ。
こればっかりは追切の動きを見ただけじゃ判断できない、『走ってみなければわからない』ので厄介。
上位に入るポテンシャルはもっている。

キングスパレス
キンカメxドゥバウィ
母は欧州で2歳時には勝てず、アメリカで休み明けの3歳11月に初勝利から4連勝で1800mのGⅠも勝った。
サンタアニタで2000mGⅠも勝ち、BC牝馬は6着。
母の半弟にミシュリフの父メイクビリーヴがいる。
キングスパレスは新馬以外は上り上位をキープしていて東京では33秒台を2回。
前半はゆっくりしたい馬なので勝ち切れなかったが距離延びていいタイプ。
いい馬だが前が潰れる展開が必要で今回は届かずになりそう。

セイウンハーデス
シルバーステートxマンハッタンカフェ
プリンシパルSでキングスパレスに先着をしているのだが、3歳春の完成度で勝った感じ。
さらに3歳春の東京は距離適性以上の距離でも結果をだせる。
そんなプリンシパルSだった。
走りに凄みを感じない。


ベジャール
モーリスxアフリート
トムフールクロスあり〇
今年の毎日杯組にはあまり好印象がない。
564キロの巨漢馬。
ラジオNikkei賞の戸崎騎手のコメント
「大型馬で、緩いところもあるので、福島のコース形態は合わないのかもしれない」
新潟外回りが良さそうなタイプ。

ロンギングエーオ
スクリーンヒーローxホワイトマズル
この馬のように3歳春に中山2200mを勝つ馬って長距離志向が強い馬が多い。
3歳秋の重賞ではスピードが足りない。
しかし母父ホワイトマズルで重馬場は得意そう。
不良馬場で全体のスピードが遅くなればチャンス。


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