ジャスタウェイ産駒を考えてみた

ダノンザキッドがホープフルSを勝ちました。
走り方もジャスタウェイの現役時代に似て膝を高く上げ力強く地面を掻き込む。

ハーツクライが3歳までは腰が甘く、4歳になってからしっかり走れるようにジャスタウェイも4歳になってから重心のしっかりした走りができるようになった。

それがダノンザキッドは2歳の時点で体幹がある程度しっかりしていて前脚と後ろ脚の連動がうまくいっている。

ヴェロックスも3歳春にはしっかり走れていました。
中日新聞杯ではいい走りを見せていましたが3歳春と比べると前脚に躍動感がありません。
ちょっと太目だったのかもしれません。
次に期待です。

まとめ


・サンデーの3x4は勝ち上がり率が高いが2020年12月時点ではオープンクラスには届いていない。
・ワイルドアゲインの血の影響が強そう。
・活躍馬の母はノーザンダンサー系の血を2つ持つ牝馬、特にニジンスキー系がある。
・仕上がりは結構早いが、3歳での成長があまりなく他の馬が成長するごとに存在感が薄れていく。早熟?
・最高速は速くないし切れる脚もない。
・瞬発力勝負よりも消耗戦。
・2歳から3歳春まではスローでもなんとか対応できるがそれ以降はスローの上り勝負についていけない。
・騎手には積極的な競馬をしてほしい。

サンデーサイレンスの影響が小さいのではないか?
活躍馬トップ10(総賞金)にサンデーサイレンスのクロスを持つ馬が一頭もいない。
2016と2017年のサンデー3x4を持つ馬11頭の内4頭が勝ち上がっており、勝ち上がり率は明らかに高くサンデー3x4は有効だ。
(余談だが、ジャスタウェイ産駒のサンデー3x3は16頭中2頭しか勝ち上がっていないので3x3と3x4では大違い)
ジャスタウェイ産駒においてサンデー3x4は競走能力の向上には役立つが、オープンクラスを突破できるレベルまで引き上げるほどの影響力はない。

対照的な例がエピファネイア産駒で、デアリングタクトを含む総賞金のトップ5(2020年12月時点)がサンデーの3x4で、いかにサンデー3x4が競走能力に強い影響を与えているかがわかる。
まだ2歳しか実績のないモーリスもサンデー3x4が強い影響を与えそうな傾向にある。

ジャスタウェイの活躍馬の母にはノーザンダンサーの血
ヴェロックス:母母父ダンチヒ系、母母母父ニジンスキー系
アウィルアウェイ:母父キンカメ内にヌレイエフ、ラストタイクーン、ニジンスキー
マスターフェンサー:母父デピュティミニスター、母母母父ダンチヒ系
ロードマイウェイ:母父母父ヌレイエフ、母母母父ニジンスキー系
ダノンザキッド:母父ダンシリ、母父母父ニジンスキー系、母母母父アルザオ
アドマイヤジャスタ:母父エリシオ、母母母父ニジンスキー
エーポス:母母父フェアリーキング、母母母母父ニジンスキー系

地味に4、5代母父にニジンスキー系が多い。
4,5代にニジンスキー系と2,3代に他のノーザンダンサー系の組み合わせでしょうか。

ノーザンダンサーの血を持つ牝馬との相性がいいのはジャスタウェイの中でワイルドアゲインの血が大きな影響力を持っているからではないか。
ワイルドアゲインの父アイスカペイドが父ニアークティック母父ネイティヴダンサーで3/4ノーザンダンサー。
しかしアイスカペイドにはノーザンダンサーの中の重要な血が欠けている。
マームードだ。
そしてワイルドアゲインはアイスカペイドに欠けているマームードを持っている。
ブリーダーズクラシックを3頭で競り合いながら最初の800m45.3秒のハイペースで逃げて直線でもスルーオゴールドなど3頭のデッドヒートで最後まで抜かせなかったワイルドアゲイン。
アメリカ競馬らしく前半から力任せに先行して押し切るのがワイルドアゲイン。
とびぬけたスピードはないのですが長く全力で走れる。
ジャスタウェイは差しですが貯めてキレるというタイプではなくスイッチが入って本気走りする感じ。
安田記念で長い直線を追いっぱなしで最後に抜き去ったあのレースはまさにそんな感じ。

アドマイヤジャスタもいい例
函館記念で勝って札幌記念で10着。
この2レースにヒントがある。
函館記念 12.4 - 11.2 - 11.7 - 11.7 - 11.8 - 11.8 - 12.0 - 12.1 - 12.4 - 12.6
札幌記念 12.7 - 11.1 - 12.0 - 12.3 - 12.2 - 12.2 - 11.7 - 11.7 - 11.6 - 11.9
前半に11秒台を連発して徐々にペースが落ちて行った函館記念。
まさにアメリカ的消耗戦。
札幌記念は後半4ハロンが11秒台の瞬発力勝負。
33秒台を一度も記録したことのないアドマイヤジャスタには瞬発力勝負は無理。
騎手の役割は非常に重要で先行か、捲るかして早めに先頭集団につけないと瞬発力で負けてしまう。

果たして5歳の成績は?
アウィルアウェイが4歳秋に活躍したが、この馬も2歳GⅡ2着があるように仕上がりは早かった。
3歳の11月にGⅢを勝って4歳に飛躍するかと思われたロードマイウェイも平凡な4歳を送った。
ジャスタウェイが4歳夏から覚醒したので産駒も晩成指向があるのではと期待されたが、果たして5歳での覚醒を見せる馬は現れるだろうか?
現時点での評価は早熟だ。

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