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ボブとの出会いと別れ

ボブが死んで、半年になります。

フレンチブルドックの男の子でした。

ビックリするような突然の別れになりました。

気がつけば約10年ずっと一緒でした。

30代半ばに掛かるころだったか

若い頃の恋愛不振で、ずっと一人暮らしでした。

独身のペットは危険といわれていましたが

半ば結婚にもあきらめモードで、運動不足解消と

寂しさの解消が目的でした。

仕事柄、車で走っていると、手書きのPOPに目が留まり

少し大きくなって売れ残っているこいつに出会いました。

今になって思えば、フレンチが6万円で買えることなんてありえません。

すぐに手付金を入れ、後日迎えに来ました。

前住んでいたペットOKの狭いアパートでの生活です。

あの頃から、いろんなベットやクッション買っても

ソファの角で丸くなってました。

寝るときは必ず僕の体を枕にします。

ある時期から、寂しさもピークになったのか

短毛の細かい毛も気にならなくなり、一緒に寝るようになりました。

布団の中での定位置は、僕のお股と決まってました。

ほんと元気で、元気すぎるぐらい元気でした。

何も言わずにいつもそばにいてくれました。

テレビ見ていようが、ゲームしていようが

何も言わずにずっとそばにいてくれました。

僕が見ると必ず、どんなとこらからでも視線を感じて見返してくれました。

呼ぶといつも喜んで走ってきます。

両親は、若い頃に他界しているので、介護経験はありませんが

確実に俺がボブの面倒を見なくてはいけないなと

なんとなく考えるようになり始めていました。

でも、その思いを払拭するぐらい元気だったので

あまり不安になることもありませんでした。

それがいつものように、朝僕の股の下から

元気よく出てきて、いつものようにゲージに入り

いつものように、いってきます。を言って仕事に行き

いつものように「ただいま~ボブ~」

すると、いつもは、ゲージが壊れるくらい暴れまわる

おかえりの歓迎が聞こえません。

「寝てるのか?」でもそんなはずはありません。

でもクッションの上で横になっているように

静かに硬くなってました。

慌ててというか、少し冷たくなってるのでわかります。

でも、お腹の辺りが、まだかすかに温かい気がしたので

普段なら暴れまわっておとなしく抱っこされないボブが

おとなしく僕に抱えられ、すぐさま近くの病院に行きました。

こんなにおとなしく車の乗ったのも、うちに来て始めての気がします。

残念ながら病院も閉まっており、帰ってきた時のままの格好で

固まったままです。

その日は珍しく嫌がるはずの腕枕で、ぬくもりがありません。

このぬくもりでどれだけ救われてきたことでしょう。

40を超えて、いろんな体の不調もあり、老いを感じ

寂しさと孤独が、骨まで冷えそうな時に

しみじみボブのぬくもりで泣いた夜も、ありました。

ほんと、ここ何年かは抱きしめる回数が増えて

仕事でも家でも、1日ほとんど誰ともしゃべらない日が何度もあり

俺病んでるな~と認識していました。

それほどベタベタしてなかった30代。

40を超えて、依存度が増してきたときの突然の別れ。

正直、きつすぎます。

それからますます会社でも、心を閉ざすようになり

今でも撮り過ぎた写真や動画を見ながら

キアヌリーブスのジョンウィックの映画のように

真っ暗の中スマホ見る機会が増えました。

ボブが硬くなった日に、友達夫婦が心配して

駆けつけてくれ、翌日の葬式まで付き合ってくれました。

もう半年たちますが、まだ骨壷と祭壇は置いてあります。

これを書いている今でも涙が止まりません。

死んだ当初は、そりゃ後悔と申し訳ない気持ちで

押しつぶされそうでした。

もっと散歩連れて行ってやればよかった。

もっと優しくしてやればよかった。

怒りに任せて手を上げたことや、閉じ込めたこと

数え上げるときりがありません。

少しずつですが、ごめんなさいから

ありがとうに変わってきたように思います。

40歳超えて結婚した友達からは

「ボブはもう僕の役目が終わったから

もう自分の幸せを見つける一歩を踏み出せと

黙って、迷惑かけないうちに去ったのかもよ!!」

と言われ、救われた反面、こんなにわがままな僕の横で

黙ってそばに居てくれる人なんていないと思う。

会社の年上の同僚が、家族が大事にしていた犬が死んで

家庭がひどく暗くなって、すぐまた飼いだして

立ち直れたので、早めに次を飼えと薦めてくる。

でもいなくなって気づいたことはたくさんある。

ビックリするほど静かな部屋。

ビックリするほど広くなった部屋。

自分の事だけなら、ほんとにする事がすぐなくなる。

なのでブログの頻度が増えたのは言うまでもない。




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