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日本の水族館の在り方

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日本の水族館は30年に1度の建て替え期を迎えている。過去30年は大水槽の時代であり、これからは環境負荷の小さい小型水槽で生態展示を進めるのが欧米の流れである。日本の水族館は何が必…
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#まちづくり

近い海

小学校の低学年くらいまでは毎週末は祖母が住む長田区に通っていた。母親がそこでピアノ教室をやっていたのでついていってたのだった。日曜日は高取山に登るか須磨水族館に出かけていたと思う。とりわけ須磨水族館の空間が思い出深い。入り口を入ると小さなプールがありウミガメがうじゃうじゃ泳いでいた。王子動物園で最初に見るフラミンゴ同様、このうじゃうじゃ感がこれから出会えるであろうカオスの世界を予感させた。吹き抜けに吊るされた巨大なシャチの骨格標本を見上げつつ順路にそって進む。明るいホールから