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私のカルシウム健康法

 幼少の頃からカルシウム摂取を母親から教え込まれたのは、私の健康にとって現在も良い影響力を保持しています。いま私は九十歳ですが、この年齢になっても歯は自分の歯であるし、いままで歯を折ったこともありません。

 カルシウムが直接影響するのは、人体の各組織が形成されつつある時期の子どもたちだそうです。骨が形づくられる乳幼児期や思春期にどれだけ多くのカルシウムを摂取したかで、将来の骨の強靭さはもとより、寿命まで影響するいうのは、とても頷ける話です。

 若々しい肉体がぞんぶんに陽光にあたりながら活発に運動した結果、太く立派になるのです。外でしっかり遊ぶことも骨の成長には欠かせない大切なことです。

 それに対し、屋内で十分な日光が不足していた人は、やはり骨が弱くなると一般的に言えるのではないでしょうか? バランスのとれた栄養ある食生活もそうです。本当に親に愛情があるなら、間食は少なくし、三食しっかり十分なカルシウム摂取できる食生活を用意することが重要です。塾帰りの小学生が夜中、コンビニのおにぎりをもそもそ食べている光景を目にしたことがありますが、もってのほかです。子どもの未来を破壊しているとしか思えません。
 そしてさらに言うなら、カルシウムを泥縄的に補給したところで、すぐに骨に影響するというわけではないのです。大人になってからでは困るのです。

 その例として、わたしがいかにカルシウムを摂ってきたかを以下に振り返ってみたいと思います。これまで何度も言っていますが、私は齢九十のお爺さんです。おかげさまで矍鑠(かくしゃく)としています。いまだに杖をつかわず生活し、歯が丈夫なのでお煎餅もバリバリ食べます。自慢ではないですが長命を保っていると自分でも思っています。そのような長寿の秘訣を下の文章からくみ取って頂けるなら望外にしあわせです。どうぞ参考にしてみてください。

 私の家は貧乏だったので小魚をはじめ、煮干しや昆布、メザシなどの魚や海産物を常食する毎日でした。コロッケも食べたし、野菜では玉ねぎ、ジャガイモ類などを中心に食べていたと思います。納豆は毎朝、食卓にありました。とくに高級なものを食べていたわけではありませんが、出されたものを感謝しながら美味しくいただいたことが、子どもの成長期に欠かせない栄養となってくれました。

 運動もよくやったことも成長に欠くべからざる『栄養』になってくれたはずです。幼いときはドッジボール、野球と校庭や野原を駆けめぐったものですが、早稲田実業に進学してからは探鳥、いわゆる「バードウォッチング」が趣味になりました。野鳥を求め、私をこのような趣味に誘ってくれた無二の親友とともに多摩の森や、埼玉の武蔵野など、さんさんと降りそそぐ太陽を浴びながら歩いたものです。適度な日光浴は体内でビタミンDを創り、カルシウムの吸収を助けるのです。太陽を浴びることは骨の健康に大変、良いことです。

 予科練に入ってからは、やはり海での訓練が多くなりました。カッター漕ぎや競泳など、お日さまの下で裸になることが多かった少年時代、知らぬ間に丈夫になっていったのかもしれません。つくづくお日さまの恵みを有難く思います。
 さらにカルシウムのことを調べるにつれ、これまでの私になかった新たな知見を得られましたので皆さまにご披露したいと思います。

 それは骨に蓄えられたカルシウムは、たんに骨格を丈夫にしているだけではないのです。むしろ細胞を活発にし、生命活動を根っこからコントロールしている、とても大切な物質なのです。いわば骨とは生きる上で絶対、欠かすことのできない司令塔として機能しているという驚きの事実の発見でした。

 たとえば細胞の中にもカルシウムがあり、これが薄い濃度を保っているおかげで情報伝達がうまくゆくのです。これが上手に働かないと信号が伝わりにくくなり、細胞も弱くなり、生命活動も衰えてゆきます。

 以下にカルシウム不足が招く現象について具体的に書いてゆきます。

①カルシウムをふだんから食生活等で補っていれば、細胞内のカルシウム濃度は適度に保たれます。ですが、濃度のバランスを崩すと、骨に蓄積されているカルシウムが溶けだし、血液中にあふれだすのです。そうなるとカルシウムが慢性的に不足しているにもかかわらず、なぜか過剰になるという不思議な現象が起きます。

②さらに血管にカルシウムにあふれだしたために硬くなり、高血圧や動脈硬化を引き起こします。また膵臓にたまるとインスリンの分泌がうまく働かなくなり、高血糖の体質となって糖尿病を引き起こします。

③また神経や筋肉にも影響し、頭痛や肩こりの原因にもありますし、癌や感染症など、抵抗力がなくなることでこれらの病気を招く遠因にもなります。

そして私が一番驚き、感心したのは、先にも書きましたが、骨はカルシウムの貯蔵所であるということです。カルシウムが血中で不足すると生命活動に影響しますから骨からどんどん取り出してくるのです。ですが、それが過剰となってさまざまな病因を作りだしてしまうのです。

 カルシウムとは骨を丈夫にするためだけのものと思っていたのですが、それだけではなかったのですね。
 もちろん、生命維持のためにカルシウムを取りだせば取りだすほど骨からカルシウムが喪われてゆきます。そうなると、もうおわかりですね。

④骨粗鬆症を招き、骨が弱くなり、骨折が多くなる。たかがカルシウムと思っていたのですが、とても重要な働きをする物質だったのです。

 私の最近の食事ですが、カルシウムを多く含む食材をどう摂っているように思います。
 ししゃもは常食です。値段も安く、調理も必要ありません。オーブントースターで焼くだけで、食卓に並べることができます。子持ちで脂もよくのっており、薄く塩味が効いていてとてもおいしくいただけます。鮭の切り身やみりん干しも同様にオーブンで焼くだけです。
 フジッコからは、ひじき、黒豆のお惣菜がパックされ、ほんとうにお手頃なお値段で買うことができ、これも食卓を飾る一品となります。とても便利です。
 牛乳はあまり飲めないのですが、フレンチトーストをつくるとき、ふんだんに使います。
 あとオヤツとして干したイワシでつくった「骨せんべい」が近くのスーパーで売っていますの、これを毎日バリバリ食べるように心がけています。醤油味と味醂をベースにした甘辛味のおやつです。

 以上、カルシウムのかんたんな摂取の仕方をのべましたが、それぞれのご家庭でリーズナブルで、また手間をかけずにカルシウムをバランスよく食事から摂ることができるかと思います。皆様もどかご自分にフィットした方法をみつけだし、工夫してみてください。

ーー了

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