TVアニメ学校の怪談ふり返り⑦-2

はい、では第17怪に出て来た小ネタについていくつかと。

1.霊眠方法について

厳密な説明はなかったですが、おそらく神社の境内もしくは鳥居の前で霊が生きていた時の写真を置く。写真を皆で囲んで「雪とともに往き、雪とともに逝く。」と唱えるのでしょう。ユキとイクとは同じ「行」という感じなので、わざわざ分けて言うということは上記のような使い分けがあるのかな?

そして生きてる美雪さんに使おうとしてたってことは、生者を霊眠させられるかなり強力な呪文てこと?雪ちゃんはどこで覚えたのでしょうね?

雪国だし口べらしとか生贄の文化でもあって、それに使ってたのかなと妄想してみたりしています。

2.鈴の音について

さつきが電話した時に聞こえた鈴の音について。日本で鈴の音というと魔除けという意味と、神様を引き寄せるという意味がります(あくまで鈴の音の効果であって、鈴そのものに効果がある訳ではありません)。

魔除けだとするなら、生前に母親が置き去りにするせめてもの罪滅ぼしにでも持たせていたのでしょうか?でも、よく考えると雪ちゃん自身が悪霊ですし・・・

かと言って神様を招いた様子もなく。何か回りくどい解釈が必要なようです。

一つ思ったのは、日本(というか東洋)の神秘性というのは完全に良い・悪いを断言できないのですね。神様にも普段見守ってくれている姿(和御霊)と災害等で神威を見せつける姿(荒御霊)とに分かれます。陰陽思想でも陰あるいは陽が極まったものを老陰あるいは老陽といって、調和を取るために陰陽が入れ替わると考えます。現代のホラーやファンタジーでも聖なる力を悪用するといった発想があると思うのですが、そう云う感じなのでは?

つまり雪ちゃんとしては狙っている美雪さんと霊眠に必要なさつき達を自分の霊力が及ぶ範囲に置いておいておかねばならない。さつき達を自分の霊力が及ぶ範囲に引き寄せるために使っていたのではないかというものです。

※ちなみに、こういう制作者側から触れられていないところが作品に重厚感を持たせる大事な要素ではあるのです。

3.旅館のある地域について

旅館の最寄駅が「里山駅」となっていたと思うのですが、里山というのは民俗学的に特殊な場所です。人の領域である里と神の領域である山との中間にあたります。また山というのは命が生れる場所であり、命が還る場所でもあります。よって、里山というのは精神世界的には死の一歩手前です。そんな地域に前述のような霊眠方法が存在する。何か意味がありそうです。

4.なぜ血染め湖に落ちる人が多かったのか?

前の記事で述べたように雪ちゃんが亡くなった40年前までは湖に落ちる人が多かったのか?危険なら柵で囲むなりしてしまえば済む話しです。雪ちゃんが落ちた40年前というのは1960年前後と考えられます。ちなみに東京オリンピック開催が1964年です。つまり、高度経済成長が始まったばかりで地方はまだ発展していなかった時代。

おそらく湖の水を生活用水としていたのではないかと思われます。昔なら井戸水ではないのか?と思うかもしれませんが、井戸のことをカワという方言がある地域はあるのです。どういうことかと言いますと、もともと井戸というのは川や湖の岸に足場を組んで水を汲みあげしやすくした場所を言うのです。地上から水脈へ向けて掘った竪穴を井戸と呼ぶようになるのは江戸時代以降とされています。

この辺の話しは常光徹著『魔除けの民俗学』に出てくるので、可能性としては結構高いと考えます。


以上、個人的に気になったのはこの辺りですね。17怪は民俗学的に着目ポイントが多いので何度見ても新発見があります。




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学校教育と学問との繋がりを考える。あと時々(結構)サブカルチャーも。プロフ画像はツイッターのフォロワーであるアガヴェ様(@Marginata_Aurea)に描いていただきました。
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