経済学と経営学

お久しぶりです。忙しい訳ではないのですが、仕事で体力を使い果たしてしまい中々投稿できずにいました。

今日のお題は「経済学と経営学」の違いについて。私が社会経済学よりの経済学を今勉強しているのと、この間ツイッターのTLで経済学と経営学との違いが分からない人がいるという話があったので書いてみました。「経済は理論で経営は実践」とか「経済は国全体で経営は企業」とか思っている人も多いと思うのですが、実は違うのですね。なお、当方は経済学部も経営学部も卒業している訳ではないので本当に大雑把に説明します。

まずは経済学から。経済学はイギリスのアダム・スミス(1723~1790年)を一応の祖とします。一応というのはそれまでにも経済や社会に関する考察はあったのですが、個人や国家との関係で論理を体系化し学問と呼べるまでに形作ったのはスミスが最初という訳です。スミス以前の経済に関する考え方になると重商主義という政策主体の捉え方主流だったので、個人という視点を導入したのが重要な点なのです。そして、近代に大きな影響力を持ったマルクス経済学も20世紀以降に発達する現代経済学もスミスの理論から影響を受けているので、スミスを経済学の祖とする訳です。

ではスミスは何を言っているのか。簡単にいうと①社会秩序は神の影響下から離れている、②社会秩序を守っているのは道徳であるがそれ以上に重要なのは正義の法である、③政府の目的は正義の法を守らせることでありそのためには国富の増進が必要である、④国富の増進のためには自由社会が必要であり自由社会は合理性を重視するので社会秩序は維持される・・・人によって説明の仕方は色々あるかと思いますが、大体こんな感じです。なぜ、それらの結論がでるのかというのは経済学そのものの核となりそれだけで一つの記事が書けてしまうので、今回は省略します。

上記の①~④を見ると分かると思うのですが、社会秩序、正義の法、国富の増進と言った言葉が複数回出てきています。実はこれらが経済学で考えるテーマの根底にあるものなのです。

ところで、国富というと「国が持つ財産」のように思えますが、スミスがいう国富とは「必需品・便益品の流れ」のことだそうです。つまり、物が買われ、使われ、必要になるとまた買われ・・・という流通の流れが大きいかどうかということ。

ここまで来ると説明はほぼ終わっているのですが、結論を言うと経済学とは実は人間の社会における行動を考える学問なのです。社会秩序を守るのも人間、法が適用されるのも人間、国富である流通に関わるのも人間です。人間がどのように行動すれば社会はよくなるかを考える、それが経済学なのです。

では続いて経営学について。経済学の祖がアダム・スミスならば、経営学の祖は誰か?と考えたくもなるのですが・・・経営学についていうと明確に祖と言える人はいないとされています。というのも、経営学はアメリカで発展した経営管理学とドイツで発達した経営経済学という二つの潮流があるうえに、どちらも成立過程において社会学、心理学、行政学などから関連する分野を吸収して発達していったのでどこを始まりとするかは判断しにくいのです。さらにいうと、経営(マネジメント)という概念を初めて定義付けしたのはフランスのアンリ・ファヨール(1841~1925年)とされているので、経営学部卒の人でも「経営学って結局なに?」となるかもしれません。

しかし、一応どこまで起源を遡るかとする時に経営管理学はフレデリック・テラー(1856~1915年)の科学的管理法が登場した時期を、経営経済学は1898年にドイツで初めて商業大学が設立された時期を最初としていることが多いような気はします。

さて、本題です。経営管理学と経営経済学は何が違うのかというお話。まず経営管理学は管理とありますので生産システムや労働管理といった実践的な分野が主題となります。またその性質上、研究対象が私企業だけでなく行政組織や軍事組織、労働組合や病院など多くのものを含んでいます。

対して経営経済学は商業学に経済学の知見を合わせることによって発達したので、簿記や財務諸表と言った数値を重視する分野や経営の理論化や歴史研究といったものが中心だそうです。しかも、もともとは私企業だけを研究対象としていたかなり厳密な学問分野だったそうです。

そうなるとアメリカの経営学では簿記勉強しないの?という疑問が出てくるのですが、その辺りは私も把握しておりません。会計学という類似分野がありますので、そちらで勉強するのではないかと予想しているのですが。

では、日本の経営学はどんな内容なのかというと、両方から影響を受けています。なので、しっかりとした経営学部に行くと、経営学のコースだけでなく簿記や財務諸表等を学ぶコース、商業学を学ぶコースなどがあったりします。

ここまでふり返って見ると経営学はかなり複雑な学問なのですが、経済学が人間行動を通して社会秩序等について考えているのに対して経営学は事業体内部について考えている、この辺りが最大の違いでしょうか。

最後に経済学部と経営学部の違いについて。上記の違いがありますので、経済学は民間企業で働く人材だけでなく、行政や政策立案の場で働く人材を育てる場所だと思います。

そして経営学部は民間企業で働く人及び民間企業をサポートする人材を育成するイメージが強いです。そのため、会計士や税理士と言った専門職という言葉が関連ワードなのかなと思います。

今の私に言えるのはこれくらいです。感想や補足などありましたら、教えて頂けると幸いです。


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学校教育と学問との繋がりを考える。あと時々(結構)サブカルチャーも。プロフ画像はツイッターのフォロワーであるアガヴェ様(@Marginata_Aurea)に描いていただきました。
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