TVアニメ学校の怪談ふり返り⑦-1

今まで順番通りに各話をふり返って来ましたが、今回は一気にすっ飛ばかして第17怪「血染め湖の恐怖!!雪の亡霊」について。この回は一番好きな回なので早く書きたかったのと、今日私の住んでる地域で雪(ほぼ霙だけど)が降った勢いで書いてしまいました。

何故好きなのかって?それは、学校の怪談という枠を超えた話しであることへの意外さと、美雪さん・雪ちゃんという二大萌えキャラが出てくるからです。

では、まずは話の本筋について。考察すべき問題としては①血染め湖と雪ちゃんとの関係は?②雪ちゃんてどの程度の悪霊なの?という話し。

では①についてから。雪ちゃんは血染め湖に落ちて亡くなったので幽霊になった訳ですが、血染め湖の恐怖≠雪ちゃんだと個人的には思っています。雪ちゃん本人が血染め湖について「不吉なことがあると真っ赤に染まる」や「血染め湖を赤く染めて死んだ者はあの世へ連れ立つ者を探しに戻ってくる」等と伝説を語っているので、雪ちゃんが亡くなる以前から伝説があったのでしょう。

②について。雪ちゃんが悪霊なのは言うまでもないのですが、悪霊といってもかなり良心がある方だと思うのですよね。注目すべきは雪ちゃんが転落死した時の新聞記事にある「・・・でまた悲報」(・・・の部分は画面が切れていて分からないが血染め湖のことと思われる)とある点と、美雪さんが「かつて旅館の仲居の子どもが湖におちた」と祖母から聞いたと言っている点です。つまり、雪ちゃんが亡くなった40年前までは人が落ちることは多かったが、美雪さんと美雪さんの親世代からすると湖へ落ちるというのは身近なことではないのです。その点を踏まえると雪ちゃんは手当り次第に人を湖に誘っている訳ではないそこそこ優しい悪霊ということになります。美雪さん単押しな訳ですね。よく考えると雪ちゃんが雪女化した時も吹雪で吹き飛ばされかけたのも美雪さんだけですしね。

では、なぜ美雪さんなのか?雪ちゃんが雪女化する直前のセリフ「たった一人で死んだから」と「誰も探しに来てくれなかったから」とから感じ取れる寂しさと恨みという感情、そして旅館の仲居の娘という二つが理由と考えられます。

というのも、昔の旅館というのは従業員が住み込みで働いていることが多いため雪ちゃん自身も旅館に住んでいた可能性が高いのです。だから、旅館の目の前にある湖に落ちたのに旅館の人は誰も探しにこなかったことへの恨みがあり、旅館の娘である美雪さんも一緒に連れて行こうと言う理屈です。ただ、恨みと寂しさとでどちらが勝っていたかは判断が難しいところです。恨みが原動力なら自分を置き去りにした母親に対する執着心があっても良いはずなので、それがないところを見ると寂しさの方が勝っていたような気はしています(というか雪ちゃん死んだのが40年前なら母親がまだ生きてる可能性があるというね)。

ではこの話のテーマは何なのかを考えると非常に難しいのですが、一つ思いついたのは伝承と子どもとの関係性というものでしょうね。伝承とは怪談話しとかだけでなく生活様式や文化の云われ等も含む概念です。子ども達はそういう云われと自分たちとの関係を思い描くのは難しいと思うのですが、世代を越えて繋がっていることを伝えるには良い内容です。自分の祖母世代の事件が今に繋がっているのですから。


さて、次は小ネタについて触れたいのですが、字数が多くなりそうなので分けます。

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