厚生経済学の基本となる「パレート最適」の概念について小林裕一郎が解説!

こんにちは、小林裕一郎です。

経済環境においてどのような状態が最適であるのかを、研究しそのメカニズムを説明する学問として厚生経済学というものがあります。

この構成経済学は、最適な状態を達成するべく、政府はどのような政策をとるべきなのか。
また企業はどのような戦略をとるべきか、個人はどのような行動をとるべきかを考える学問です。

ちなみに「厚生」とは“人々の生活を健康で豊かなものにすること”という意味です。

今回は、その厚生経済学の中で最も基本とされている「パレート最適」という概念を、小林裕一郎が紹介したいと思います。

パレート最適とは、小林裕一郎的に一言で表せば、「資源が無駄なく活用されている状態」です。

例えば、5人乗りの車があったとします。
車の座席が資源だとしましょう、5人が車に乗れば座席が全て埋まりますので「資源が無駄なく活用されている状態」になります。

したがって、このような状況を「パレート最適」と言えるでしょう。

しかし、4人しか乗っていないとしたら、座席が1人分余ってしまいますのでこれは「資源が無駄なく活用されている状態」とは言えません。

これらを経済学の教科書に載っているような表記に戻すと、「社会全体のために個人が損をする」という文言に代わります。

どういう意味かというと、パレート最適の状態では「誰かの効用(満足感)を増やす時は他の誰かの効用を下げなければならない」という意味です。

5人の座席が全て埋まっている時、誰かが「もうちょっと快適に座りたいから足もっと開いて良い?」と質問すると、他の誰かが「おいおいこっちが狭くなるじゃないか」と反論するでしょう。

ひとりが幅を広く座るには、誰かの座る幅を狭めなくてはならないのです。

よく電車でも見る光景ですね。

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足を開いたり、座席に荷物をおいてしまえば、そのぶんだけスペースに無駄が生じるわけです。

さらに、実際の市場に置き換えてみましょう。
売っているリンゴ10個が全て売れている状態を「パレート最適」にあてはまる設定として、「A君が5個、B君が3個、C君が2個リンゴを買った時」を想像してみてください。

C君がこう言います「2個しか買えなかったよ!誰かそれ俺に譲ってよ
A君が一番多いので1個分けてあげることにしました。

すると、C君は効用(この場合はリンゴの量)を増やせた代わりに、A君の効用が減っているのが分かります。

このように「資源配分に無駄がない状態=誰かの効用を満たすには誰かの効用を減らさなくてはならない=パレート最適」なのです。

現時点でのマスクの問題でも当てはまりますね。

このパレート最適は、小林裕一郎も厚生経済学をかじった際に、必ず出てきた概念なので覚えておいて損はありませんよ。

以上、小林裕一郎でした。

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