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チョーキング現象のメカニズムとその意味

こんにちは、小林です。
今日は外壁に起こる劣化症状のひとつ、『チョーキング現象』について少しお話ししていきます。


チーキング現象とは、年数の経った塗装面を触ると手に粉が付く、というものです。

古いガードレールと触って手が真っ白に!というのも同じ現象です。
チョークの粉みたいだからチョーキング、です。

でも真新しいガードレールや新築の壁ではこんなことは起こりません。
なぜ古くなると粉が出てくるのか。

塗料は主に、“水を弾く油(樹脂)”と“色を付ける粉(顔料)”でできています。
(実際にはさらに添加物などいろいろ入っていますが、ここでは割愛します)

チョーキング現象とは、この油が減って無くなってしまい粉だけが残ることで発生します。

▼チョーキング前

スライド1

油が表面に膜を張ってくれているので、触ってもツルツルして、粉は付きません。

▼年数が経つと…

スライド2

油分は紫外線を浴び続けると分解されて減ってしまいます。
すると、表面に粉が露出した状態になります。これがチョーキング現象です。

図2

ピンクのお家ならピンクの粉、青いお家なら青い粉が手に付くようになってきます。

こうなると、触るだけで色の粉が付いてきてしまうので、色落ち・色褪せが進行します。
ただお家の壁や屋根の場合、もっと重大なのは、「油分がない=水を弾かない、水を吸い込むようになる」ということです。

▼チョーキングの起きている壁に水をかけると

図3

水をかけた所の色が濃くなり、じわっと水を吸い込んでいるのが分かります。

▼油分が残っていれば

図4

水玉になって弾かれます。これが本来の塗装の健康な状態です。

油は水と混じらないように、塗料の油分(樹脂)は水を弾いて建材を保護する役割がありました。
これが紫外線でなくなってしまうと、雨が降るたび建材には水が染み込んでいき、コケの繁殖やひび割れの発生を引き起こします。

訪問業者などがよく言う「チョーキングが起きてるから塗装しないとですよ!」は、実は正しいのです。
ただそれは、「見た目が悪くなるから」ではなく、「水を弾く効果が無くなっているから」です。

お家の壁や屋根は、水を弾いている限りは簡単に割れたり傷んだりしません。
しかし水を吸い込むようになると、一気に劣化が進みます。
みなさんも、チョーキングが起きていると気づいたら、お家がSOSを発していると思って、次の塗装を検討し始めてくださいね。


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