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さようならiPhone

まる2年使ったiPhone SE2を返すことにした。
人生で初めてのメインiPhoneだった。
「特に不満はなかったなー」

「いや、大ありだったからAndroidに戻したんじゃないか、」
が交雑している。

以前の機種は名機と名高いXperia XZ1 compact だった。
その前もこれまた名機と名高いXperia Z3だったが、個人的にこいつはデカいと感じていた。
手が端っこまで届かないのだ。
そんなわけで毎年少しずつデカくなっていくスマホのトレンドに背を向け約8年、
ラウドマイノリティで名高いコンパクト機体ユーザとしての時間を過ごすことになった。

XZ1 Compactは名機だったが、流石に2年半も使い倒すと物理ボタンの挙動が怪しくなった。
そして名機だったが挙動はいつも不安定だった。
つまるところ、これはいつスマホが死んでもおかしくないということを表していた。
スマホの死は僕の機能不全を意味する。
僕がスマホを触らないのは寝ているときと飲んでいるときだけだからだ。
いつも飲んでいるレベルのパフォーマンスでは人生がおぼつかない。

コンパクトスマホはいつも選択肢が少ない。
その時はiPhone SE2しかなかった。
しかしハイパワーのSoC搭載で小型、防水防塵Felica対応と必要十分でもあった。
みんながみんなiPhoneだと思うなよ!
勢の僕であったが、素直に諦めて機種変することになった。

もっとも、元々ipod touchを持っていたし、
仕事用の端末は常にiPhoneだったから、
iOSに無縁だったわけではなかった。
しかし日常使いというとまた話は変わってくるものだ。

素晴らしかったのは単純な性能と安定感。
Androidのスマホは4台使ったが全部不安定だった。
それがiPhoneにはない。
突然再起動したりしない。
アプリが固まってもタスクキルすれば事足りる。
もはや衝撃のユーザーエクスペリエンスと言ってよかった。

反面、とかくかゆいところに手が届かない感もすごかった。
AppleのアプリとOSが強く結合している作りになっていて、これが安定感を生む一方、
サードパーティーや個人作成のアプリに入り込む隙を与えていなかった。
つまるところユーザーがAppleに沿う必要があって、
そこからはみ出した場合は「そこになければないですね」という対応である。

ここには「快適なユーザーエクスペリエンスに対してはAppleが責任を持つ必要がある」という哲学のようなものを見てならない。
ある意味これは間違っていないと思う。
「飲み屋が客の酒量を管理すべきか?」
という観点に置き直すと、それはある意味ユーザーのことを考えているとも言えるだろう。
(実際、そういうバーもある)

じゃあAndroidはどうなのかといえば、
快適なユーザーエクスペリエンス?なんすかそれ?
という調子で、何も気にしていない。
勝手にストロングゼ○を持ち込んで客席でキメられても店は預かり知らぬという雰囲気だ。
当然酩酊して席から転がり落ちても気にしない。
無責任だが自由はある。
難なら飲まない自由すらある。

結局この2年は、おおよそのことはiPhoneで対応して、必要に応じAndroidのサブ機を引っ張り出す生活だった。
サブ機って何かって言うとXperia XZ1 compact だよ。
つまるところ機種変したはずが古い機種に頼っていて、まるまる4年近く使い倒すことになった。
皮肉なことに、iPhoneへ対応を移行したアプリを消して回ったら安定感も向上した。

で、何が必要に応じなのかというと音楽だった。
理論上、イヤホンジャックがなくAACでしか繋げず、標準ミュージック以外で再生した音楽の履歴をアウトソースできないiPhoneより、
有線かLDACで接続して、どのアプリで再生しても履歴をアウトソースできるXperiaの方が都合が良かったのだ。
この点ではXperiaどころか、実質1円でもらったRakuten HandにもiPhoneは勝てなかった。

そして機種変にあたり選ばれたのはXperia 1 IIだった。

決め手は価格…ももちろんあるが、
ないなら5iiiか1ivにしてたとおもう
所持しているSONY機器にはないDSEE Ultimate。
難ならWALKMANを買うより優秀だったりする。
あともはや遺物になりつつあるフルセグ機能といったところ。
我が家の有線アンテナは何故かMXが入らないのでこれが欲しかったのだ。

何より、手にしたその日に自分のスマホになる。
その感覚がXperiaにはひしひしとあった。
iPhoneにはなかった。
自分の方がiPhoneに合わせていたのだ。
結果として快適ではあったが、足りない面は別の機体で足してやる必要があったのだ。

こうしてiPhoneと共に2台3台と増えていたスマホ達は再びXperia一台へと集約…
されなかった。

選択肢の少なさに閉口し、長年の主義主張を捨てて大画面のスマホに慣れたこと、
スマホ保険を変えて予備機がすぐ来る保証がなくなったこと、
そして何より「2台あるとそれだけで楽」という事実に衝き動かされ、
更に中古で1台追加してしまったのだ。

ある意味iPhoneの影響はここに残るのかもしれない。
そしてもう、コンパクトスマホには戻れないんだろう。
最近はスマホの重さが増したことに伴うベラミスの剣に悩まされている。

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