羽田でハンバーガー&ビール

眠い。
9月の連休の始まる朝。
これから3日ほど瀬戸内の旅へ。
友人と軽いノリで決めたので、とくに計画はない。

ぼやっとした頭で電車とモノレールを乗り継ぎ、7時前に羽田に着く。
予約したのは10時台の便だけれど、もしキャンセルが出たら、
始発の便にしようと、朝、早くに出てきた。
パネルには「満席」の文字。連休初日だしこれはダメかも。
一緒に行く友人に「いま、羽田着いたよ。でも満席表示。ダメかもね」と
メールを打って、ロビーのソファーにぽすんっと座る。まだ眠い。

しばらくして友人と合流する。
「ダメっぽいね。とりあえずメシでも食おうぜ。腹減った」
カフェも混んでいるし、
何か買って見学デッキのところで食べようということになる。
マックでハンバーガーのセットをおごってもらう。
見学デッキには飛行機の写真を撮っているひとが数人。
並んで椅子に座り、ちょっと行儀悪く壁に足を伸ばして、
金網越しに飛行機を眺めながら、ハンバーガーを食べる。

飛び立つ空は青い。
遮るものはなく、日差しがまぶしい。
「いい天気だね」
「だね。ビール飲もうか」
「うん。買ってくるよ」

まだ朝の8時を回ったくらいの時間。
プシュっと缶ビールを開けて飲む。
残っていたポテトにケチャップをつけてつまむ。
飛び立つ飛行機と着陸する飛行機。

何かを待っている時間。
ぽっかり空いた時間。
途切れ途切れの会話。
ただ同じをものを誰かと見ている。
その緩やかな心地よさを、空を感じるように感じている。



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