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モヒートの夏。

モヒートは好きなカクテルのひとつ。
レシピはお店によって違うと思うけれど、
ミントの葉をすりつぶして、ライム、砂糖を加え、
ラムを注ぎ、ソーダで割る。
たくさんのクラッシュアイスを入れて、
キリッと冷えた飲み口を楽しむお酒。
キューバのハバナが発祥とされていて、
映画『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』でも、
このお酒が登場し、日本でもちょっとしたブームに。
今ではすっかり定番的なカクテルになった。

昔、よく通っていたお店が白金にあって、
そこのバーテンダーの作るモヒートがかなり好みだった。
たっぷりのミント、そして同じくたっぷりの砂糖。
ミントとライムのすっきりした口あたりとともに、
砂糖の甘さが脳に直接響き、アルコールと強めのソーダに心もしびれる。
後味がさっぱりしているので、ついつい「おかわり」してしまう。
幸福の一杯。

その後、彼はお店をやめてしまい、私も引っ越したり、
仕事が忙しくなったりして、
いつのまにかお店からも足が遠のいてしまった。
でも、あれ以上のモヒートには、今も出逢えていない。

本当は夜のBarよりも、夏の日の午後が似合うお酒。
海の見える公園の木陰で、チキンや
チーズいっぱいのピザを頬張りながらごくごく飲みたい。
音質の悪いラジオから流れる陽気な音楽。
緑の芝生を犬や子どもが走り回る。
どこからか転がってくる蛍光カラーのボール。
遠く目をやれば、海が夏の日射しを反射させ、銀色に光っている。
両手いっぱいに葉をつけたような、大きな木の下。
深い影の中に、ときどき風が吹き抜けていき、酔った頬に心地良い。

あるお店で「ミントをたっぷりで」とお願いしたらこうなった…。
作るひとも、運ぶひとも、飲むひとも、みんなでバカ笑い。
陽気なお酒だからね。こんなお遊びもまた楽しい。






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