最近、複数のGPTsをメンションで呼び出しながら、タスク処理するようなChatGPTの活用方法を考えています。 プロンプトを工夫すれば、一つのGPTに沢山の機能を持たせることはできます。 ただ、そうすると、プロンプトが複雑化するので、どうしても動作が不安定になります。 また、一つのGPTに多くの機能を盛り込むと、用途によっては不必要な機能が出てきます。 そこで、機能を細分化して、それぞれに特化したGPTsを作成し、目的に応じてそれらを組み合わせて使う方が合理的ではないかと思います。
この記事では、実際に複数のGPTsを駆使してタスク処理した事例を紹介します。 処理したタスクは「副業支援のための新規サービスの企画 」です。
今回使用したのは、以下の3つのGPTsです。
■ Needs Analyzer 表面的なニーズから潜在的なニーズを見つけ出し、新しい製品やサービスを提案してくれるGPT
■ Product Strategy 与えられたテーマに沿って、製品戦略を練ってくれるGPT
■ Business Model Canvas 与えられたテーマに沿ったビジネスモデルを考えてくれるGPT
[Step1] ニーズの深掘り by Needs Analyzer はじめに、Needs Analyzer に潜在ニーズを探ってもらいます。 メンション機能でNeeds Analyzerを呼び出して、明示的なニーズとして、「本業(エンジニア)だけでは給与が低く昇給が見込めないので副業したい」と入力します。 すると、それを深掘りして、ニーズを満たす新サービスを提案してくれます。 なお、この入力内容を変えれば、提案されるサービスも変わってくるので、あらゆる製品・サービスの企画に適用可能です。
【ユーザーの入力】 本業(エンジニア)だけでは給与が低く昇給が見込めないので副業したい【Needs Analyzerの回答】 それでは、エンジニアとしての本業だけでは給与が低く、昇給が見込めないために副業をしたいというニーズを基に、その背後にある潜在的なニーズを探ってみましょう。1. 明示的なニーズ ・エンジニアとしての本業だけでは給与が低い。 ・昇給が見込めない。 ・副業を始めたい。2. ショートストーリー 山田さんは、勤務しているIT企業でソフトウェアエンジニアとして活躍しています。しかし、同じ職場で数年間働いても、給与の大幅な増加は見込めず、生活費や将来のための貯金に不安を感じ始めています。ある日、友人との食事中に副業で成功している話を聞き、自分も何か始められないかと考えます。この瞬間、山田さんは自身の経済的な不安を解消する手段として副業に目を向けることになります。3. 潜在的なニーズの推定 潜在的ニーズ(レベル1): ・経済的な安定と自立 ・新しいキャリアの可能性と自己実現思考過程: 山田さんは給与が低く昇給の見込みがないことから副業を考えています。この明示的なニーズは、経済的な安定と自立を求める深層心理から来ていると推定されます。さらに、副業を通じて新しいスキルやキャリアの可能性を探求し、自己実現を図りたいという欲求も背後にあると考えられます。潜在的ニーズ(レベル2): ・安心して生活できる環境の確保 ・自己成長と社会的評価の向上思考過程: レベル1の潜在的ニーズからさらに深く掘り下げると、山田さんが望むのは、日々の不安から解放され、安心して生活できる環境を確保することです。また、自己成長を通じて社会的な評価を高め、自己の価値を実感したいという欲求も見えてきます。4. 新しい製品やサービス 製品/サービス名: キャリア・サイドステッププラットフォーム特徴: ・ユーザーの現在のスキルセットとキャリア目標に基づいて、最適な副業を提案するAI駆動のプラットフォーム。 ・オンラインとオフラインの両方で実施できる副業の機会を提供。 ・副業を通じて得たスキルの証明として、デジタルバッジや証明書を発行。 ・ユーザーの成長をサポートするためのメンタリングサービス。 ・社会的評価を高めるためのポートフォリオ作成支援とプロフェッショナルネットワークへのアクセス。
[Step2] 製品戦略 by Product Strategy 次に、Product Strategy に製品戦略を考えてもらいます。 Step1で提案された内容だけだとザックリしすぎているので、競合比較や顧客メリットなどを検討し、サービスを具体化してもらいます。 メンション機能でProduct Strategyを呼び出して、「上記のサービスの製品戦略を練ってください。製品名や特徴は、より革新的な内容にアップデートしてください」と入力すれば、Needs Analyzerの出力内容を踏襲して、製品戦略を考えてくれます。
【ユーザーの入力】 上記のサービスの製品戦略を練ってください。製品名や特徴は、より革新的な内容にアップデートしてください【Product Strategyの回答】 1. 製品/サービス名 SkillBridge Connect2. 対象 ・本業の収入に不満を持ち、副業を通じて収入を増やしたいエンジニア。 ・新しい技術や分野でのスキルアップを図りたいプロフェッショナル。 ・柔軟な働き方を求め、キャリアの多様性を探求している人々。3. 特徴 ・AIマッチングアルゴリズム: ユーザーのスキル、経験、興味に基づいて、最適な副業プロジェクトをリアルタイムで提案。・スキルアップ&キャリア成長プラットフォーム: 独自のeラーニングモジュールと業界の専門家によるライブセッションを提供し、副業を超えたキャリアの可能性を開く。・収入最適化アドバイザー: 副業からの収入を最大化するためのパーソナライズされた戦略をAIが提案。・ポートフォリオ&レピュテーションビルダー: 完成したプロジェクトと獲得したスキルを証明するデジタルバッジを生成し、プロフェッショナルなポートフォリオを構築。4. 競争優位性 競合他社 ・フリーランスマッチングサービス(例: Upwork, Freelancer) ・オンライン教育プラットフォーム(例: Coursera, Udemy)優位性 <マッチング精度> SkillBridge Connect: AIによる高度なパーソナライゼーション競合: 一般的なキーワードやフィルタに基づく検索<成長支援> SkillBridge Connect :キャリア成長に特化したeラーニングとライブセッション競合 :一般的なスキル学習に焦点<収入最適化> SkillBridge Connect: 収入最適化のための個別アドバイス競合: 提供なし<ポートフォリオ構築> SkillBridge Connect: 総合的なポートフォリオ&レピュテーション管理機能競合: 限定的またはなし5. 顧客への利点 顧客利点 ・収入増 : 副業からの収入を効果的に増やすことができる。 ・キャリア成長 : 新しいスキルを学び、キャリアを多方面に展開するチャンスを得られる。 ・時間の最適化 : AIが提案するパーソナライズされた機会により、時間を無駄にせず最適な副業に取り組める。 ・社会的評価 : 充実したポートフォリオと専門的な評価により、業界内での評価を高めることができる。6. ショートストーリー 小林さんは、エンジニアとしての本業では十分な収入が得られず、将来への不安を感じていました。SkillBridge Connectを知った彼は、自分の技術と興味に基づいて最適な副業を見つけることができ、また、未知の分野でのスキルアップも目指せることに興奮しました。プラットフォーム上で提供されるキャリア成長のためのリソースを活用し、数ヶ月内にAI開発のプロジェクトを成功させると、その経験は彼のポートフォリオに追加され、より多くのプロジェクトのオファーが届くようになりました。また、SkillBridge Connectの収入最適化アドバイザーのおかげで、副業からの収入を効率的に増やすことができ、小林さんは経済的な不安から解放され、キャリアに対する新たな展望を持つことができました。
[Step3] ビジネスモデル構築 by Business Model Canvas 最後に、Business Model Canvas にビジネスモデルを考えてもらいます。 Step2で、サービスの内容は具体的になりましたが、実際にビジネスとしてどう成立させるかが不明確なので、収益の流れやコスト構造などを検討してもらいます。 前回同様に、メンション機能でBusiness Model Canvasを呼び出して、「上記のサービスのビジネスモデルを構築してください。」と入力すれば、これまでの出力内容を踏襲して、ビジネスモデルを考えてくれます。
【ユーザーの入力】 上記のサービスのビジネスモデルを構築してください。【Business Model Canvasの回答】 SkillBridge Connectのビジネスモデルを構築するために、ビジネスモデルキャンバスのフレームワークを使用します。1. 顧客セグメント ・フルタイムで働くエンジニア: 副業を通じて収入を増やしたい。・キャリア転職を考えるプロフェッショナル: 新しい分野でのスキルアップを図りたい。・フリーランサー: 新しいプロジェクトの機会を探しており、自分のポートフォリオを拡充したい。2. 価値提案 ・カスタマイズされた副業マッチング: AIによるパーソナライズされた副業提案で、ユーザーのスキルと興味に最適な副業を見つけられる。・スキルアップとキャリア成長: 専門的なeラーニングモジュールと業界の専門家によるライブセッションを提供。・収入最適化: 収入を最大化するための個別戦略を提供。・社会的評価の向上: プロジェクト成功に基づくデジタルバッジと専門的なポートフォリオを通じて、業界内での評価を高める。3. チャネル ・オンラインプラットフォーム: ユーザーはウェブサイトやアプリを通じてサービスにアクセス。・ソーシャルメディア: マーケティングとユーザーエンゲージメントのためにソーシャルメディアを活用。・プロフェッショナルネットワーキングイベント: ユーザーと直接交流し、サービスの認知度を高める。4. 顧客との関係 ・パーソナライズされたサポート: ユーザーが目標を達成できるよう、カスタマイズされたサポートを提供。・コミュニティビルディング: ユーザーが情報を交換し、サポートしあえるオンラインコミュニティの構築。・自動化されたフィードバックループ: サービス改善のためのユーザーフィードバックの収集と分析。5. 収益の流れ ・サブスクリプションモデル: プレミアムコンテンツへのアクセスや特別サポートを月額料金で提供。 ・コミッションフィー: プロジェクトマッチング成功時に、案件の金額に基づいた手数料を徴収。 ・認定証とデジタルバッジ: 認定プログラムやスキルバッジの発行に対する料金。6. 主要活動 ・AIマッチングアルゴリズムの開発と維持: ユーザーのニーズに合った副業を効率的に提案する。・コンテンツとプログラムの開発: スキルアップとキャリア成長を支援するための教育コンテンツ。・パートナーシップの構築: 企業や教育機関との連携による新しい副業機会と教育コンテンツの提供。7. 主要リソース ・テクノロジー: AIマッチングアルゴリズムとプラットフォームの開発に必要な技術。・人的資源: 専門知識を持つ開発者、コンテンツクリエーター、カスタマーサポート。・ブランドと評判: 高いユーザー満足度と信頼性を維持する。8. 主要パートナーシップ ・企業: 副業の機会を提供。 ・教育機関: 専門的な教育コンテンツと認定プログラムの提供。 ・専門家とメンター: ライブセッションの提供とユーザーサポート。9. コスト構造 ・開発費: プラットフォームとAIアルゴリズムの開発とメンテナンス。・マーケティング費: ブランド認知とユーザーアクイジションのための広告とプロモーション。・運営費: サーバー費用、人件費、パートナーへの支払い。
まとめ 本記事では、複数のGPTsを組み合わせて「副業支援のための新規サービス企画」を実行する方法を紹介しました。 3つのGPTsを活用することで、ニーズの深掘りから製品戦略の策定、さらにはビジネスモデルの構築まで、一連のプロセスをスムーズに実行できました。 このような複数のGPTsの組み合わせによるタスク処理は、今後、様々な分野での応用が期待されます。
今回紹介したGPTsとのチャットは以下のURLから参照できます。https://chat.openai.com/share/ce5d6659-d6ab-43f4-bbfe-6382ff496a93