100日後に死ぬワニを唐突に思い出した

「100日後に死ぬワニ」ショップが閑古鳥だとかガチャガチャのハズレ景品になってるとか、そんな話をWebで見てなんとなく思い出したのでワニくんが死ぬ前後のあたりに思ってたことを書いてみる。

最初に言っておくが、割と初期から見てたのでワニくんには愛着があって好きだ。
作者のきくちゆうきさんのTwitterはそのままフォローしてて、その後に書かれている「何かを掴んでないとどこかに飛んで行っちゃうアザラシ」もなんとなく気に入っている。

でもこれって、スター性のあるアイドル的な好きではなくて、身近にいる友人的な好きなんよね。
「100日後に死ぬワニ」という作品によってプライベートを徐々に知りながら100日付き合った仲の友人という感じ。

だから、ワニくん(つまりただの友人)が書籍化、映画化されたからとかいって、見たいなとはあまり思わなかった。もちろんワニくんキーホルダーも欲しいとは思わないし。
まあ、アルバムみたいな感じでワニくんとの思い出を掘り起こしたくなったら本ぐらいは手に取るかもというぐらい。

「100日後に死ぬワニ」というものはTwitterという世界で飼われていたあるワニの日常であって、その時間の流れも含めた環境自体がひとつの作品だったんだなあと思う。
これってけっこう目新しい表現方法だと思うし、もっと評価されてほしいと思ってたんだけど、最後の最後でワニくんの死の直後に書籍化の宣伝を入れてしまったせいで台無しになった感がやはり強い…

作者側としてはワニくんが死んで終わりだったのかもしれないけど、見てた側の気持ちとしてはワニくん死後の余韻というか、生前のワニくんに思いをはせるところまでがこの作品の終わりだったんじゃないかと思ってた。
実際、「ワニくんの死を商売にしてるのが不快」という意見はよく見かけたし。

注目度が高い作品だった分、そこから出た否定的な意見が強くなってしまったがゆえに、もとの良さへの評価もかき消されてしまった感が否めなく、そこが一読者としては残念。

有名人によるステマだとかも言われてたけど、できるだけリアルタイムでワニくんと過ごしてもらった方がいい作品なので、プロモーションでも自然発生でも関係なく注目度が一気に上がったのはいいと思ってるし、むしろプロモーションだったなら発信側が作品の楽しみ方を理解してたんだなとすら思う。

なんやかんや書いたけど、単に失敗した作品として認識されるのは残念だなと思った次第でした。

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