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国際女性デー

本日3月8日は International Women's Day 「国際女性デー」です。

イタリアではこの日に、男性から普段お世話になっている女性に旬のミモザをプレゼントする風習があるそうです。

国際女性デーをジョイセフではこのように説明しています。

起源は今から100年以上も前の20世紀のはじめ(1904年)に、「女性に男性と同じ権利を与えよ」と求める声が世界各国で高まり続けたことにさかのぼります。

1977年の国連総会で正式に「女性の権利と国際平和を祝う日=国際女性デー」と定められてから、世界各地でこの記念日に催しが開催されるようになりました。

ジョイセフ

女性であることで不利益を被ってきた歴史と戦ってきた先人の人たちのおかげで現在があります。
今日を女性の生き方を考える日として過ごしてみるのはどうでしょうか。


私は何か強い主張を持って生きているタチではありません。したがって常日頃、女性の地位向上を目指して生きてはいないです。ただ自分の身の回りの通り過ぎることを眺めたり、嬉しくなったり、たまに嫌な思いをしたり、そんな風に過ごしています。

なので今日は少しだけいつもより「女性として生きること」について考えていこうと思います。


自分は誰のためにいるのか

これまでの歴史の中で、世界的に多くの時間や場所で、家のことはは女性がするものとされていました。炊事、洗濯、子供の世話、親の世話など、挙げ始めればたくさんあります。
近年は男女平等が叫ばれるようになって、男性も参加する流れが出来てきていますが、依然として男女間での差はあるように思います。
男性は仕事が忙しく、社会も男性が稼がねば、仕事をせねばという風潮が強くあります。仕事が忙しかったらそりゃ家のことなんか出来ません。男性が参加したくない(という側面もあるかと思いますが)というよりも、社会としてそれを実行しづらい空気があります。

2021年の夫婦別の家事・育児時間では、男性が0.83時間、女性が6.94時間となっています。これでもここ20年で4倍も増えているのです。

年が違って申し訳ないですが、2020年の男女別の有償労働時間(いわゆる仕事)と無償労働時間(家事など)の比較を見ると、日本人男性は452分、日本人女性は272分となっています。しかし有償労働時間と無償労働時間を合わせると、日本人男性は493分、日本人女性は496分とほぼ変わらないのです。

みんな1日24時間ずつしか持っていません。有限です。でも働かないと生きていけません。どうすればいいんでしょうね?もはや男性が悪いとか、そういう話でもないと思います。みんな生きていくのに必死です。日本社会全体の問題です。

女性の地位向上には、女性だけにフォーカスするのではなく、全体にアプローチする必要があるのだと思います。

私は外に出る機会の多い生活をしています。
例えば遠征で私が娘を見てもらうために母を連れ出すと、父と弟はいつもより少し時間を家のことに振って、犬の世話をしたり、家事をしたりします。家で1人になる夫は、働きながら家のことを回します。一人暮らしみたいな感じです。
複数の人の生活に大なり小なり影響を与えながら、活動をしているというわけです。良いか悪いかはわかりません。1つ言えることは、私の活動に賛同して、理解があるから成り立っているということです。ありがたい限りです。

でもこのありがとうという気持ち。人として、お世話になって感謝している、ならいいんだと思います。それが「母親なのに家を空けて」とか、「家のことができなくて」という罪悪感のような気持ちが入ってくると違うものになってきますよね。妊娠、出産、母乳の授乳以外は誰でもできます。それこそ親じゃなくても。

言う人は言うんですよ。「母親なのに〜」とか、「結婚したのに〜」とか。それこそ家族が言ってなくても、他の人が言ったりするんです。

誰のために?

私の人生は私のもの、あなたの人生もあなたのもの。
他の家庭のことはわかりません。私は最近親になりましたが、子供だった時もそう遠くありません。「あなたを育ててたから好きなことができなかった」なんて親に言われたら、私だったらショックです。

どんな形であれ、すべての皆さんが、自分自身が納得して前に進むことができればと切に願います。


男女平等とは

私は現在、女性アスリート支援プログラムという事業の対象者です。女性アスリート支援プログラムについてはこちらをご覧ください。

https://www.jpnsport.go.jp/hpsc/business/female_athlete/program/tabid/1329/Default.aspx

サポートは多岐にわたります。トレーニングや栄養、心理、機能回復のチェックなど、国立スポーツ科学センターで受けているものから、練習や遠征に子供を帯同したり預けたりする際の費用補助などもあります。

専門知識を持ったスタッフとのトレーニングなどはもちろん、子供を預けないとトレーニングも練習もできない場合がほとんどですので、こういったサポートは大変助かります。

先程も書きましたが、女性にしかできないのは妊娠、出産、母乳の授乳だけです。それに伴うサポートや機能回復などは存分にこれからもサポートしていただくとして…

以前、ある方とお話して私もびっくりしたことがあります。

子育てと競技の両立は、本来女性だけが負担すべきものなのか。男性アスリートにとっても「両立」であるべき問題なのではないか。であれば、育児サポートとして男女の区別なくあった方がいいんでしょうね。まあ現実はそうはいかないかもしれませんが…

というお話でした。私が受けている育児サポートは、女性アスリート支援プログラムの中にあります。もちろん対象者は女性です。先輩女性アスリートの方々を見てきたこともあって、産後の競技復帰については早いうちから考えていましたし、勝手に自分は先進的なんだろうという気持ちでいました。
でもこの話をした後、知らない間に自分の中にもバイアスというか、思い込みがあったなと気付かされました。


身体の変化こそないけれど、育児と競技の両立で困っている男性アスリートもいるかもしれません。きっと私の知らないところで既に育児と両立している男性アスリートもいるでしょう。そういった人たちの困ったこともちゃんと拾えるようになって、初めて男女平等になるのかな、と思いました。

皆さんは、どう思いますか?

少し国際女性デーとは離れてしまいましたが、ジェンダー関連の話としてここに置いておきます。


おわりに

「女性として生きること」は、私たちのようなスポーツ選手が何かをやり遂げようとするには、少しだけハードルが男性より高いような気がします。でも少しだけです。これを少しだけにするのにいったいどれだけの労力と月日がかかったのでしょう。

私にも娘が生まれました。いつか娘が社会を歩いていくころには、その「少しだけ」がなくなって、行きたい道を真っ直ぐ歩いていけるようになっていたらいいなと願います。

まず私にできるのは、私自身がやり遂げることかなと思います。だから私のやることが変わるわけではないですが、今日も競技生活を送れることに感謝して、助けて助けられて、毎日を生きていこうと思います。

ミモザの日とも呼ばれています

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